3月5日の記事

「裁量労働制は政府のジョーク? または、どうしてこうズルズルと事態が泥沼化するのか」で、

私はこう書きました。

 

昨年の閣僚失言ドミノや

都議選での歴史的惨敗もそうでしたが、

安倍内閣は「一強」の誉れ高いわりに

ちょっとしたことでガタガタと来るんですよね。

 

しかし今や、この名言をつけ加えねばなりません。

これが最悪だと言えるうちは、まだ最悪ではない。

(『リア王』、第四幕第一場)

 

ハイ、そうです。

森友学園への国有地売却をめぐる決裁文書書き換え問題の話です。

 

3月2日に朝日新聞が報じていらい、

事実なら財務省解体、誤報なら朝日解体(Ⓒ財務省某OB)

などと騒がれたアレ。

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先週金曜、3月9日朝の段階では

財務省の説明では、同省近畿財務局で決裁に関わった27人にヒアリングしたところ、

全員が決裁後の書き換えを否定した。

などという報道もなされましたが、

財務省は12日、14の文書に関する書き換えを認めました。

9日の記事はこちら。

12日の記事はこちら。

 

書き換えの時期は

最初に5件が2017年2月下旬〜4月、

残り9件はその後ということですから、

すべて決裁後のはず。

この件に関するかぎり、朝日新聞の完勝と言わねばなりません。

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書き換え箇所は200あまりにのぼり、

安倍昭恵・総理夫人をはじめ、

平沼赳夫元経産相、

北川イッセイ元参院議員ら

売却までの経緯にからんで登場する人々の名前も

削除されていたとのこと。

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ついでに近畿財務局ではなく

本省の理財局の指示でやったのだそうです。

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今回の文書書き換え疑惑をめぐっては

朝日がハッキリしたニュースソースを出していないにもかかわらず、

財務省の対応が最初から逃げ腰だった

という特徴が見られましたが、

今にしてみれば

わざわざ手持ちの札を明かさなくともいいくらい

朝日は切り札を握っていたのですな。

 

もっとも「元朝日新聞の敏腕記者」だという

長谷川煕(はせがわ・ひろし)さんは

3月10日の段階でも

私が在籍したころなら、ボツにされるような曖昧な記事に感じる。

「正しい記事だから信じろ」というのか。

慰安婦問題の虚報などへの反省がない。

などと語っていましたので、

信憑性を疑われてしまうのも仕方ないかも知れませんが。

長谷川さんの記事はこちら。

 

ただし政治家からの指示については、こう報じられています。

財務省の富山一成理財局次長は

「理財局の一部職員の判断で書き換えた」と説明し、

政治家の指示は確認できていないとした。

元の記事はこちら。

 

なるほど、そうですか。

けれども「確認できていない」とは、

またまた逃げ腰の気配。

 

先週の段階では

矢野康治官房長らが

「明確な書き換えの事実はみつからなかった」

などと説明していた(それも自民党幹部に!)のですから

この発言の信憑性もいかがなものか。

 

われらが安倍総理ではありませんが

哀れですね。財務省らしい惨めな言い訳。予想通りでした。

なんてことにならないのを祈るばかり。

 

だいたい財務省某OBは、

3月5日にこう書いています。

 

これ(決裁文書の書き換え)はまずあり得ない。

決裁文書は典型的な公文書であり、

その改ざんは、刑法犯の虚偽公文書作成等の罪にもなりうるものだ。

これは入省時にもたっぷり説明されるし、

そのようなリスクを冒してまで「書き換え」をやろうとは思わないのが、普通の役人である。

 

しかも、今回の決裁文書の場合、

決裁者が8人もいたことが開示された文書から分かる。

この過程で改ざんを行うには、組織的な関与が必ず必要であり、

誰か一人でも口外したらバレるので、かなり実行は難しいだろうと思う。

 

 普通に考えれば、近畿財務局の人にとって、

本省の局長(注:佐川宣寿氏)をかばう義理もないし、そんなリスクを犯すこともない。

というのは、今回の場合の国有財産売却の事務を行う人は、

本省キャリアではなく、財務局採用の人であるからだ。

両者は人事上交わることはなく、はっきりいえば無関係な人だ。

近畿財務局の人にとって、本省キャリアのために人生をかける人はまずいないだろう。

 

そうです。

「理財局の一部職員の判断」なるものによって

このような書き換えが行われるのは

普通に考えれば、まずありえないことなのです。

 

本省キャリアのために人生をかける人だって

まずいないのです。

 

ところが書き換えは起きた。

それどころか、近畿財務局の職員には自殺者まで出ている。

人生どころか、生命をかけてしまったのです。

 

これは何を意味するのか。

 

もちろん菅義偉官房長官

官邸は書き換えの事実を把握していなかったと述べていますが、

ハッキリ言って、この発言に意味はありません。

 

じつは把握していたなんて認めたら、

その場で内閣が吹っ飛びかねないんですからね。

真相がどうであれ、把握していなかったと言うに決まっているのです。

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どうなる、安倍内閣?!!

 

FNNがこの週末に行った世論調査では

麻生財務相について

「即刻辞任すべきだ」との回答が17.9%、

「書き換えが事実だった場合は辞任すべきだ」との回答が53.1%となりました。

 

書き換えは事実だったのですから、

71%の人が今や辞任を求めていることに。

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与党内からも、辞任不可避の声が出ているようです。

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そして野党が、内閣総辞職を求めているのはご存じの通り。

 

しかし私はあえて、

総理にも財務相にも続投していただきたいという思いがあります。

なぜか。

理由は以下の通り。

 

1)かりに今回の事件が、まかり間違って、

「財務省理財局の一部職員の判断」によるものだとしたら、

 総理も財務相も辞任するいわれはない。

よって、続投すべきである。

 

2)じつは政権中枢からの指示や圧力があったとすれば、

「すべては財務相理財局の一部職員の判断によるもの」という対応は

責任をすべて官僚に押しつけて知らんぷりをすることにひとしい。

世論の反発も必至ながら、

何より財務官僚が深く反発するだろう。

官僚、わけても優秀なことで名高い財務官僚を

そこまで理不尽に敵に回した政権など

どのみち長続きしえないが、

いかなる顛末をたどるかはじつに興味深いところ。

よって、続投すべきである!

 

関西の某幼稚園の子供たちなら、

きっとこう唱えることでしょう。

♬安倍総理がんばれ! 麻生大臣がんばれ!

書き換え、「把握していない」で良かったです!!

 

あ、そうそう。

 

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