7月2日に行われた東京都議会議員選挙は、

都民ファーストが完勝する一方、

自民党が歴史的・壊滅的敗北を喫する結果となりました。

 

なにせ選挙後の同党の議席は23。

選挙前の57議席の4割(!)、

従来の最低だった38議席に比べても6割というありさまです。

 

たしかに選挙前から

自民苦戦の報道はなされていましたよ。

 

1日、秋葉原で行われた安倍総裁の街頭演説も

ポッドキャストで見るかぎり

「か・え・れ!」コールと

「(安倍)や・め・ろ!」コールの嵐でした。

 

「か・え・れ!」コールをあげていた人の中には

白井聡さんと瓜二つの人物も。

というか、本人説が有力です。

画像入りツイートはこちら。

 

だとしても、ここまで総崩れになるとは。

 

選挙前の結果予想を振り返ってみましょう。

まずは、政権に好意的と思われるこの新聞。

 

オウンゴール炸裂で自民20議席減も 失言の稲田氏は退任確実…「加計」「豊田氏」の三重苦

東京都議選(7月2日投開票)で、自民党がのたうち回っている。

いわゆる「加計学園」問題や、

離党届を提出した豊田真由子衆院議員の暴言・暴行問題に加え、

稲田朋美防衛相が「自衛隊の政治利用」と受け取られる

軽率極まる失言を炸裂(さくれつ)させたのだ。

自民党は「三重苦」ともいえる大苦境に陥り、

現有57議席から「20議席減」の30議席台に落ち込む可能性が高まってきた。

もとの記事はこちら。

 

次に政権に好意的でないと思われるこの新聞。

 

都議選惨敗が号砲 内閣改造どころか“安倍降ろし”に発展も

ただでさえ苦戦を強いられているのに、

稲田防衛相の大失言と

『週刊文春』の下村都連会長のヤミ献金報道がトドメを刺した。

これで自民党に投票しろという方が無理ですよ。

候補者自身に問題がなくても、

自民党の公認というだけで落選の憂き目に遭うケースが続出し、

壊滅状態になる。怒りの矛先が安倍官邸に向かって党内はガタガタになるし、

支持率もますます低迷していくでしょう。

もとの記事はこちら。

 

この新聞は自民党の獲得議席数について

過去最低の38議席を割り込む可能性が高くなってきた

と書いていますが、

実際には38議席どころか、

30議席、

いや25議席まで割り込んだのですから

政権への好悪と関係なく、誰も予想しえなかった大惨敗と言えるでしょう。

 

真面目な話、都民ファーストがあと10名、候補者を多く立てていたら

自民党は20議席を割り込んだかも知れませんよ。

つまり共産党と同レベルか、それ以下ということです。

 

とはいえ、振り返ってみれば

自滅の予兆はあちこちに出ていました。

たとえば、これ。

 

自民二階氏「落とすなら落としてみろ」 メディアを批判

自民党の二階俊博幹事長は30日、

東京都国分寺市での都議選の応援演説で

「どういうつもりで書いているか知らないが、

我々はお金を払って(新聞などを)買っている。

そのことを忘れてはだめだ」とメディアを批判した。

「落とすなら落としてみろ。マスコミが選挙を左右すると思ったら大間違いだ」とも述べた。

 

政権に批判的な報道への圧力ともとれる発言は、

厳しい選挙情勢に対するいらだちの裏返しといえそうだ。

もとの記事はこちら。

 

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最後の2行が示すように

二階幹事長、

記事の中でもサカナにされていますが

まあ仕方ないでしょう。

 

マスコミに選挙を左右する力がないのであれば

何を書かれようが痛くもかゆくもないはずであり

ゆえに「落とすなら落としてみろ」などと

タンカを切る必要もないのです。

 

裏を返せば

「落とすなら落としてみろ。マスコミが選挙を左右すると思ったら大間違いだ」

と言わずにいられなかったこと自体が

惨敗を恐れている証拠ではなかったか。

 

政権基盤が盤石だと思っている間は

何も文句をつけようとしなかったくせに

いったん逆風が吹き始めたと見るや

バシバシ追い打ちをかけやがって、畜生め!

 

・・・そんな切実なる魂の叫びだと

受け取られても致し方ないでしょう。

 

もっとも幹事長、

なかなか泣かせることもおっしゃっている。

いわく。

 

二階氏は選挙に対する自身の心構えを紹介し、

「万一のこと(落選)になった場合はしょうがない。

おれもルンペン、あなた方もルンペンだ。だから頑張る以外にない」

と自民党候補への支持を訴えた。

 

・・・今回の選挙でルンペンとなった

37名の自民党都議会議員、

およびそのスタッフのみなさんには

心よりご同情申し上げます。

 

落とすものなら落としてみろというタンカも空しく

落とせるものから落とされる結果になったわけですが、

だとしてもよく分からないのは

「あなた方もルンペン」という箇所。

この「あなた方」とは誰なのでしょう?

 

普通に考えれば

都議選の候補たち、

ないしそのスタッフとなりますが

解釈次第では有権者とも受け取れる。

 

記事によれば

「あなた方もルンペンだ」と言って、

自民党候補への支持を訴えたのですから。

 

選挙で自民党が負けたら

有権者までルンペンになる?!

 

さすがにそれはないと思いますが、

ここには面白い含みがある。

二階幹事長の発言が正しいとすれば

選挙とは

どこの政党に所属していようと(あるいは無所属だろうと)

一つ間違えればルンペンになりかねなかった者が権力を得ること

になります。

 

しかるにエドマンド・バークは「フランス革命の省察」において

成り上がりに権力を持たせるとロクなことはない

と警告しているのですよ!

 

そう、民主主義を過信してはいけないのです。(↓)

フランス革命の省察

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だ・か・ら、

『右の売国、左の亡国』となるわけですが

成り上がった都民ファーストが今後どんな振る舞いを見せるか

ぜひ注視してゆきましょう。

 

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ちなみに安倍総理は昨夜

麻生副総裁、菅官房長官、甘利元経済再生相と会食。

 

都議選の結果が確定する前から

「首相の責任問題にはならない」

「国政への影響はない」

「経済優先でいくべきだ」

という結論に達したとのことです。

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W(^_^)W\(^O^)/さあ、現実がその通りになるかどうか\(^O^)/W(^_^)W

 

ではでは♬(^_^)♬