先週末、

とりあえず短期の延期が決まったブレグジットですが

23日のロンドンでは

離脱反対を唱えて再度の国民投票を求める

100万人規模(主催者発表)のデモが行われるなど

混乱はまだ続いています。

 

議会のウェブサイトには

離脱撤回を求める声が460万人分以上集まったとか。

関連記事こちら。

 

世界の歴史はイギリスから動く

とは柴山桂太さんの主張ですが

ならば2019年は

反グローバリズムが腰砕けになる季節の始まりかも知れません。

 

しかるにここで、

ある人物がこの騒ぎに参戦!

誰かというと・・・

 

「超能力でEU離脱止める」=ユリ・ゲラーさん緊急参戦-英

 

スプーン曲げで有名な自称「超能力者」のユリ・ゲラーさんが、

英国の欧州連合(EU)離脱を「超能力で止める」と宣言した。

「超能力」で英国が進む方向を曲げられるかに関心が集まっている。

 

ゲラーさんは22日、

フェイスブックの公式アカウントにメイ首相への公開書簡を投稿。

その中で

「ほとんどの英国人がEU離脱を望んでいない、

と心霊的に非常に強く感じる」

と訴え、

「あなたが英国をEU離脱に導くのを私は許可しない。

私が超能力でそれを止める」と表明した。

元の記事こちら。

 

だからこの世は宇宙のジョーク、あっソレ♬

 

ゲラーはテルアビブ生まれですが

現在はイギリス在住。

なんとテリーザ・メイの選挙区に住んでいるのだそうで

そのため20年以上にわたって交友があるとか。

 

ちなみに今回の発言にたいしては

「もう既に議員の多くは折れ曲がり、転向している」

というコメントが寄せられているそうで

宇宙のジョークには宇宙のジョークで対抗しようとする

イギリス人のエスプリが感じられます。

 

しかしゲラーの「超能力」については

かのCIAも関心を示したことがあるほど。

かりにブレグジットを阻止できる力を持っているのなら

他にも、ぜひやってほしいことがあります。

 

つまり、朝鮮半島をめぐる情勢を

解決とまでは言わないから

とりあえず打開すること。

 

2月末の第二回米朝会談が物別れに終わったあと

北朝鮮では東倉里(トンチャンリ)の西海(ソヘ)にある

ミサイル発射施設を再建する動きばかりか

長距離ミサイル(つまりICBM)を

ふたたび製造しようとしている動きがあると報じられます。

 

今のところ北朝鮮はアメリカにたいして

核やミサイルの実験をしないと約束しただけですから

必ずしも約束違反とは言えませんが

挑発的な行動であるのはたしか。

関連記事こちら。

 

トランプはこれについて、以下のようにコメント。

 

I would be very disappointed if that were happening.

It is a very early report — we are the ones who put it out —

but I would be very, very disappointed in Chairman Kim.”

 

本当だとすれば非常に失望するね。

まだ初期段階の報告で、

われわれの観測にすぎないが、

本当だったら金委員長について

非常に、非常に失望することになるよ。

関連記事こちら。

 

トランプが金正恩を成敗してくれると信じたくて仕方ない

極東亡国の保守派界隈の中には

やはりアメリカは強硬な姿勢に転換したのだ!

と喜んだ向きもいた模様。

 

中には

昨年の第一回会談いらい、

すべてはトランプのシナリオ通りに進んでいたのだ

とまで主張する人すらいるようです。

 

しかし問題は

トランプのシナリオなるものが存在するとして

それが何なのか、

アメリカ政府にすら分からないこと。

 

たとえばジョン・ボルトン補佐官は2月28日、

核開発を完全に放棄しなければ

いっそう厳しい制裁に直面することになると警告しました。

 

ところがトランプは同じ日の記者会見で

こう言っています。

 

I don’t want to talk about increasing sanctions.

They’re strong.

They have a lot of great people in North Korea that have to live also.

And that’s important to me.

 

制裁強化については話したくないね。

すでに十分強いんだから。

北朝鮮には多くの素晴らしい人々がいる。

連中だって生きていかなきゃいけない。

それは私にとって大事なことだよ。

 

ン?

ボルトンの発言とトランプの発言は

ふつうに考えるかぎり認知的不協和をきたしています。

アウフヘーベンもインテグレイトも無理。

 

苦笑するしかなくなったアウフヘーベンマン。

 

とはいえ3月に入ってからの

北朝鮮の態度を見れば

いかに金正恩と恋に落ちたトランプでも

失望して制裁強化に踏み切るのではないか、

そう考えたくなるところ。

 

はたせるかな、こんな記事がでました。

米、中国海運2社に制裁 北朝鮮の制裁逃れを支援

 

米財務省は21日、北朝鮮による制裁逃れを支援したとして、

中国の海運会社2社を制裁対象に指定した。

物別れに終わった2月末の米朝首脳会談以降で

初めての北朝鮮関連の制裁措置となる。

 

制裁の対象となるのはDalian Haibo International Freight Co. Ltdと

Liaoning Danxing International Forwarding Co. Ltd。

米国との取引が禁止されるほか、米国内の資産も凍結される。

 

財務省はこのほか、北朝鮮のタンカーに対する違法な石油供給、

もしくは違法な北朝鮮産の石炭輸出に関与した疑いがある67隻の船舶のリストを公表した。

元の記事こちら。

動画記事こちら。

 

これらの船舶は、

韓国、中国、台湾、ロシアなどの港湾施設に停泊した形跡があるとのこと。

 

おっ、ついにトランプが動いたか?

 

ハイ、動くことは動いたんですよ。

ただし逆方向に。

22日のツイートをどうぞ。

 

It was announced today by the U.S. Treasury

that additional large scale Sanctions would be added

to those already existing Sanctions on North Korea.

I have today ordered the withdrawal of those additional Sanctions!

 

アメリカ財務省は今日、

北朝鮮にたいしてすでに行われている制裁に加えて

さらに大規模な制裁を課すと発表した。

私は今日、それらの追加制裁を撤回するよう命じた!

元のツイートこちら。

 

「これって、どういうシナリオなんだろう」(※)個人の感想です。

 

トランプのツイートで注目されるのは

3月22日に財務省が発表した制裁など存在しないこと。

ダリアン・ハイボー社と、

リャオニン・ダンシン社への制裁が発表されたのは21日なのです。

 

で、話は例によって錯綜する。

 

詳細な説明はないが、

21日に発表された中国の海運会社2社への制裁措置を指している可能性がある。

一方、検討中の別の制裁措置を念頭に置いた可能性を指摘する報道もある。

 

ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)は関係者の話として、

トランプ氏が撤回を命じたのは政権内部で検討されていた

「より強力な包括的な追加制裁措置」だと伝えた。

元の記事こちら。

 

でも、そちらの制裁措置って

まだ発表されていないんですよね。

まだ検討中の制裁に撤回命令を出すってどういうこと?

 

かくして、話はこうなります。

 

ツイートを受け政権内では混乱が生じ、

側近はトランプ氏がどの制裁に言及していたのか確認する作業に追われた。

多くの側近はすぐに、

北朝鮮の制裁逃れを支援したとされる中国海運2社への制裁を指していると判断。

 

しかし事情に詳しい情報筋2人によると、

トランプ氏のツイートは中国海運企業への制裁に関するものではなく、

準備中の大規模な対北追加制裁を指していたという。

この制裁はまだ発表されておらず、

トランプ氏が22日に発表済みだと発言した理由は不明。

元の記事こちら。

 

ホワイトハウスのサンダース報道官いわく。

トランプ大統領は金委員長を好ましく思っており、

こうした制裁は必要ないと考えている。

ただし、「こうした制裁」が具体的に何かは

明らかにしませんでした。

 

制裁実施に関わる政府関係者いわく。

我々は不意を突かれた状態で、

何が起きているのか理解に努めているところだ。

みなツイッターとニュースを見つめている。

ホワイトハウスからは、何も連絡がないのだそうです。

 

ある政権高官は

1)現時点では追加制裁はしない

2)海運企業2社への措置は継続(これまでの制裁方針に基づいたものなので)

ということだと説明しましたが、

この説明が正しいかどうかも不明です。

 

しかるに毎日新聞の記事いわく。

ムニューシン財務長官は21日の制裁発表時の声明で

「北朝鮮の非核化の実現には、国連決議の完全履行が不可欠」と強調。

ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)もツイッターで

「北朝鮮の制裁逃れに関与していないか、

誰もが自分の行いを省みなければならない」と警告し、

圧力強化の姿勢を見せていた。

 

いいかえればトランプと

ボルトンやムニューシンの間では

少なくとも十分な意思疎通が成立しておらず、

下手をすれば見解がまるで矛盾していることは間違いない。

CNNがこう述べるのも致し方ありませんね。

 

トランプ氏の発表は自らの政権による措置を批判した格好で、

政権の特徴である型破りで規律に欠けた政策の進め方を改めて浮き彫りにした。

 

米国科学者同盟のアダム・マウント氏は、

トランプ氏のツイートにより、

米外交官が他国に北朝鮮に対する圧力を維持するように説得することが

より困難になったと指摘した。

 

「アメリカも爽快になってきたわねえ」(※)お姉さまのお言葉です。

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しかも「シナリオ通り」に行動しているのはアメリカだけではありません。

北朝鮮は22日、

同国南西部の開城(ケソン)工業団地に設置された

韓国との共同連絡事務所から人員を引き上げました。

NHKのニュースいわく。

 

これは、韓国統一省のチョン・ヘソン(千海成)次官が、

22日午後、緊急の記者会見を行い、発表したものです。

 

チョン次官は、北朝鮮は

「上層部の指示に従って撤収する。実務的な問題は、今後、通知する」

と伝えてきたと説明し、遺憾の意を表明しました。

 

また、韓国大統領府は22日午後、NSC=国家安全保障会議を開き、

今後の対策などについて話し合ったと発表しました。

 

今回の措置は、韓国に対し、制裁の緩和などに向けて

アメリカへの働きかけを行うよう圧力をかけるねらいがあるとみられます。

元の記事こちら。

 

つづく24日、

北朝鮮はオンラインサイト「わが民族同士」で以下のように主張します。

 

歴代、南朝鮮(韓国)は米国との協調を優先視してきたが、

果たして返ってきたものは何か。

 

米国が朝鮮半島平和体制構築と

南北経済協力に障害と難関をもたらしている。

 

さらに情けないのは、その米国と『協調』し、

『平和体制構築』と『南北協力』を夢見る南朝鮮当局の態度(だ)。

元の記事こちら。

 

ところがお立ち会い。

25日になると、こんな記事が出てきたのです。

 

韓国統一部の白泰鉉(ペク・テヒョン)報道官は25日の定例会見で、

北朝鮮側が撤収した開城の南北共同連絡事務所の北朝鮮側オフィスに、

南北経済協力事業で現在は操業を中断している

開城工業団地の管理を担っていた中央特区開発指導総局の

関係者らが勤務していることを明らかにした。

 

連絡事務所4階にある北朝鮮側オフィスに同総局の関係者が詰めているようだ。

元の記事こちら。

 

この事務所、

2階は韓国側オフィス、

4階は北朝鮮側オフィスで、

間の3階が南北協議用の会談場ということですが

じゃあ、22日の撤収は何だったのか?!

 

のみならず、こんな記事も。

 

(注:22日の撤収は)定期的な人員交代だったという。

25日午前には南北連絡代表間の協議が行われ、

今後も通常通り運営される見込み。

協議で北朝鮮側は、南北共同宣言実施の意向にいかなる変化もないことを伝えたという。

元の記事こちら。

 

もっともこの記事、

「今後も通常通り運営される見込み」

と書いておきながら、

終わりのほうでは

北朝鮮が完全に正常運営に戻す用意があるのかどうかを述べるのは難しい

とも書いています。

 

通常通り運営される見込みだが

完全に正常運営に戻るかどうかは分からない。

それは一体、どういうことだ?!

 

・・・米朝双方に見られる混乱に

どうにか筋、ないしシナリオを見出そうとするのであれば

次のようになるのではないでしょうか。

 

すなわちトランプと金正恩は

非核化で合意するなど不可能であることのを前提に

挑発するふりをして挑発せず(北朝鮮)、

制裁強化するふりをして強化しない(アメリカ)という

しょうもない八百長を決め込もうとしているのではないか。

 

言い替えれば

どちらも状況を打開するふりだけして

実際には現状維持を続けるのです。

そしてなしくずしに、北の核保有を容認する方向に行くのではないか。

 

だからユリ・ゲラーの力が必要だと言うのですよ!!

 

・・・ただし、天は自ら助くる者を助く。

ゲラーが朝鮮半島情勢に目を向けるまで

われわれは平和主義を脱却することで

状況打開の準備をしておきましょう。

 

アメリカが頼りにならず、

韓国が元徴用工や女子勤労挺身隊がらみの裁判で

あいかわらず日韓関係を悪くすることに邁進している現在、

自国の安全と権益は

結局のところ、自力で守るしかないのです。

関連記事こちら。

および、こちら。

ついでに、こちら。

 

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