今回の選挙、
自民党のスローガンは
「景気回復、この道しかない。」
となったようです。
当然ながら、
アベノミクス以外に
景気回復(ないし、景気回復と財政再建の両立)を達成する道はない!
という意味。
けれどもこのスローガン、
「とにかく今は景気回復にこだわるのみ」
という風にも取れます。
総理みずから「アベノミクス解散」と銘打つ一方、
野党は野党で「アベノミクスの失敗を追求する」とか主張しているわけですので。
集団的自衛権や特定秘密保護法などに
(主として批判的な立場から)こだわっている人々もいますが
やはり傍流と言うべきでしょう。
その善し悪しはここでは問いません。
しかし「僕たちは戦後史を知らない」で述べた
「戦後日本見直しのパラドックス」とも呼ぶべきものが、
ふたたび生じている感はあります。
このパラドックスとは、次のようなもの。
1)戦後日本のあり方を見直そうとする動きは、経済の停滞、ないし低迷によって生じる。
2)しかしそれゆえに、景気回復が至上命令としてクローズアップされる。
3)景気回復が達成されると、人々の間に安心感が広まるので、それ以上の見直しを進めようという話にはならない。
4)景気回復が達成されないと、「まずは経済」という状態が続くので、やはりそれ以上の見直しは進まない。
(以下繰り返し)
第二次安倍政権はアベノミクスを打ち出しつつ、
(2)から(3)に向かってしまう流れの突破をめざしたものの、
景気の悪化を受けて(4)に向かわざるをえなくなっているように見えます。
他方、野党も野党で
しっかり(4)に安住している。
今回の解散・総選挙について、
大義がないとか、
争点がハッキリしないと言われるのも、
多分にこれと関連しているのではないでしょうか。
とはいえ、私は今回の選挙にも争点はあると思います。
そして戦後日本のパラドックスについて、さらに知りたい方はこちらをどうぞ!
ではでは♬(^_^)
7 comments
someany says:
11月 26, 2014
景気の話からはズレますが・・・、
安倍内閣では「地球儀を俯瞰」という表現をよく用いており、今回のビラにも書かれておりますが、とても格好悪く感じます。
この言葉からは、外交戦略の会議で小さな地球儀を見たり回したりしている、滑稽な様子を想像してしまいます。
地球全体を見渡すことを表したいのだったら、「地球を俯瞰」や「世界を俯瞰」でも良かったのではないでしょうか。
マゼラン星人二代目 says:
11月 26, 2014
>この言葉からは、外交戦略の会議で小さな地球儀を見たり回したりしている、滑稽な様子
>を想像してしまいます。
余りにも陳腐で誰も言わないだろうから、私が言う:
まさに、チャプリンの『独裁者』さながらですね。
マゼラン星人二代目 says:
11月 26, 2014
>3)景気回復が達成されると、人々の間に安心感が広まるので、それ以上の見直しを進め
>ようという話にはならない。
左派リベラルでは左派リベラルで「そうはいかない」という危機感があるらしい。
http://matsuo-tadasu.ptu.jp/essay__141124.html
確かにこれだと、安倍さんとしても、「今」、三分の二はおろか安定多数にもこだわる必要はなく、過半数で十分ということになります。いくら「下駄の雪」と言っても、現在の自公の枠組みでやれる事は所詮はたかが知れていることでしょうし。
でも、今回だけでなく、いつまでたってもさすがに「三分の二」は取れないと思います。
パイが増大したら、次は雇用では救えない人(そういう人は確実にいる)を救う、という話に行く。
そのいう要望に応える資質を持った人が今の与党、特に自民党にどれほどいるか。
マゼラン星人二代目 says:
12月 1, 2014
>そのいう要望に応える資質を持った人が今の与党、特に自民党にどれほどいるか。
某「生保バッシングおばさん」みたいなのには金輪際公認を与えない。(追加公認も!)くらいのことをやって見せないと、駄目でしょう。
KAZU says:
11月 26, 2014
こんにちは。
思えば久しぶりですね、この様な形での総選挙。
前々回は、その前の数年間にわたり毎年首相がコロコロ変わるという自民党の失政、前回は民主党の大失政、というそれぞれ敵失により「政権交代」が世の空気となっていた選挙でした。
その空気を単に「大義」と言い換えているだけのように思えてなりません。
民主党であれば今の安倍政権であれ、総選挙時の公約は政権期間中に雲散霧消してしまいました。
ただ単に雲散霧消しても民主党の時よりいくらか景気がいいだけ、なのが安倍政権であったに過ぎないのではないでしょうか。
自民党の政策集を読みましたが、新自由主義一色・・
前回の総選挙からどうしてこんなに変わったのでしょうか?
「景気回復、この道しかない。」などといつかと同じようなキャッチコピーを示されても、今回はおいそれと信頼することはできません。
カインズ says:
11月 26, 2014
選挙にマニフェストが導入された時にも言われたことですが、「この道しかない」という言葉からは議論なんてどうでもいい、結論ありきという考えが透けて見えますね。なにせ、答えが「この道しかない」のならば、いくら議論しても無駄なのですから。
たかゆき says:
11月 26, 2014
景気回復 ケモノ道しかない♪
僕は「人道」をゆっくりと
道草を楽しみながら 歩む主義で
ございます。
畜生どもの踏んだ後など
誰がついていくもんですか。。。
財布の重いが、、そんなに偉いか
Econ族
おそまつ