11月10日の記事

「〈政治的機能不全〉とは」をご記憶でしょうか。

 

ここではアメリカの経済論漫画

「ECONOMIX」を紹介したわけですが

その際に出てきた概念。

 

アメリカの政府が富裕層にひたすら奉仕し、

それ以外の者を無視するようになったことの婉曲な言い方

と定義されます。

 

これについては平松禎史さんより

99.7%の中小企業のいうことを聞くのは

めんどうと言わんばかりの構造改革。

日本のことです。

というツイートをいただきました。

 

おっしゃる通りですが・・・

日本の政治的機能不全はもうちょっと、タチが悪い。

 

定義はこうなるでしょう。

政府がアメリカの意向にひたすら奉仕し、

自国民を無視するようになったことの婉曲な言い方。

 

ちなみにアメリカ(政府)は上述のとおり、

自国の富裕層にひたすら奉仕していますので

これは日米政府がそろってアメリカの富裕層に奉仕することを意味しますが、

この点は脇に置きます。

 

重要なのは日本政府が日本国民を無視するようになったこと。

それも、かなり公然と。

こちらの記事をご覧ください。

 

臨時国会召集見送りへ、週内にも判断=政府・与党筋

 

[東京 12日 ロイター] – 政府・与党は、

秋の臨時国会を召集しない方針を固めた。

複数の政府、与党幹部が明らかにした。

10、11日両日に開催した衆参両院での閉会中審査で、

環太平洋連携協定(TPP)交渉高木毅復興相の香典支出問題などをめぐる議論は、

出尽くしたと判断した。

 

全文はこちら。

 

この理屈は JUST PLAIN AWESOME としか言いようがありません。

政府・与党幹部の発想にしたがうかぎり、

TPPの重要性は、閣僚の香典支出問題と大差ないようなのです。

しかも2日間の審査で、議論が出尽くしたことになっている!!

 

施光恒さんは「新日本経済新聞」の連載で

これについて

「残念ながら国民軽視、民主主義軽視ですよね。(-_-;)」

とコメントされました。

(最後の顔文字も原文より)

 

三橋貴明さんも、ブログで以下のようにコメント。

 

安倍政権の危機感のなさは恐るべきものがあります。

何しろ、この状況(注:7月〜9月のGDP成長率がマイナスになりそうなことを指す)で、

しかもTPPについて国民に説明をしなければならない状況で、

臨時国会を開かないのです。(中略)

安倍政権が国民に対する説明責任すら放棄しているのは間違いありません。

 

まさにその通り。

論より証拠、政府はTPPの条文を全訳すらしていないのです!!

分量にして5%程度の「概要」が、関連文書とともに訳されたのみ。

全部合わせても、10%ぐらいにしかなりません。

 

「ECONOMIX」の著者マイケル・グッドウィンさんは

条約交渉の顛末について、

最終的な条約は、普通の人間には理解しがたい内容となるだろう。

そして反対意見は、

政治家、国際金融資本、および経済学者がひけらかす絶対的自信の前につぶされる。

と予想しました。

 

しかし日本の状況はそれ以下。

普通の人間に理解できるかどうか以前の問題として、

そもそも条約の内容を自国語で精査することができないのです!

 

だから

アメリカの意向にひたすら奉仕し、自国民を無視するようになった

と言うのですよ。

 

この一点をもってしても

TPPなど絶対に批准すべからずと構えるのが

正しいナショナリズムの感覚だと思うのですが、いかがでしょう?

 

ではでは♬(^_^)♬