景気回復をぶん投げてでも、

いや、GDPの縮小を招こうと

とにかくPB(プライマリーバランス)の黒字化をめざす決意を表明された

稲田朋美・自民党政調会長。

 

またまた華麗なる見解を披露されました。

ロイターより。

 

自民党の稲田朋美政調会長は

17日に開催されたロイター・ニュースメーカーで、

2020年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化をしておかなければ、

金利の急上昇によって日本の財政が破綻状態になりうるとの見解を示した。

 

会場での質疑応答の中で、稲田政調会長は

いつか急に金利が上昇して、破産状態になることがありうる」

と指摘。

政府・与党内で20年度の「PB黒字化には争いがない状況」だが、

そこに至る改革が「どれくらい必要か、議論している」と、

政府・与党内における調整作業の現状を説明した。

 

元の記事はこちら。

 

もはや「愚劣」を通り越して、「狂気の領域」に到達した気がいたします、この方。

とは、これにたいする三橋貴明さんのコメント。

 

コメントの原文はこちら。

 

わが国における

プライマリーバランスの赤字幅と金利の変動には

政調会長が言うような相関関係がそもそも見られないのですから、

もっともなコメントです。

 

同時に注目したいのが、

いつか急に金利が上昇して、破産状態になることがありうる」

という表現。

 

だから2020年度までにPBを黒字化しないと・・・というわけですが、

何か変だと思いませんか。

 

とりあえず

PBの赤字が金利の急上昇を招くという前提は正しいと仮定しましょう。

あくまで仮定ですよ、念のため。

 

だとしても、

この「いつか」

2020年以前だとしたら?

 

2020年度にPBを黒字化したところで、何か意味があるのでしょうか。

 

逆にこの「いつか」

2025年(たとえば)だとしたら?

 

2020年度にPBを黒字化すれば急上昇が防げるが、

2022年度まで黒字化できなければ防げない。

そんなことはありうるのでしょうか。

 

何が言いたいか、お分かりですね。

政調会長は

財政破綻が起きる(と危惧される)時期を具体的に明示しないまま、

PB黒字化に

2020年度という具体的な期限を設定しようとしているのです。

 

今回の発言は

PBの赤字が金利の急上昇を招くという前提が正しいとしても

論理の体をなしていない!

 

そのうえに、前提まで間違っている。

まさに華麗なる見解であります。

 

1790年、エドマンド・バークは

フランス革命政府の財政政策に呆れはて、

「フランス革命の省察」にこんな名言を記しました。

 

自分たちの置かれた立場がまるで分かっていないか、

あるいは完全な力量不足か、

どちらかだと言わざるをえない。

 

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こうして歴史は繰り返されるのです。

ではでは♬(^_^)♬