おなじみ藤井聡さんが推進している

国土強靱化構想については

みなさんもよくご存じと思います。

 

今日はそれに関連して、

この記事をご紹介しましょう。

 

熊本地震:幼稚園、行きたかったね 関連死・心臓病4歳 病院損壊、転院の末

 

先に発生した熊本地震で

10歳未満の児童として

唯一、震災関連死に認定された子がいます。

 

地震発生当時、

熊本市民病院に入院していた

4歳の花梨(かりん)ちゃん。

姓は記事に出ていませんでした。

 

花梨ちゃんは生後4日で

完全型房室中隔欠損症と診断されます。

心臓の心室に穴が空いていたのです。

 

今年1月、市民病院で3回目の手術を受けましたが

合併症で肺炎になったため集中治療室へ。

そこに地震が起きたのです。

 

以下、記事より抜粋しましょう。

 

4月16日の本震で病院は損壊した。

病院は一部が耐震基準を満たしておらず、

建て替え予定だったが遅れていた。

 

発生から数時間後、市民病院から、

両親側に倒壊の恐れがあるとして「転院を了解してほしい」と打診があった。

リスクが伴うと判断した父親(37)は一度は断ったが、

2度目は断らなかった。

「病院が倒壊すれば病院の先生たちの命に関わり、

他の人を危険にさらすわけにはいかなかった」と振り返る。

 

こうして16日の昼ごろから、

福岡市の九州大医学部付属病院へと

大型救急車で搬送されたのですが

このことをきっかけに体調が悪化、

転院から5日後の21日に亡くなりました。

 

集中治療室といえば

私も昨年お世話になったことがありますが

いったん入れた患者は

十分回復するまで出さないのが大原則。

 

いいかえれば

集中治療室にいる患者を動かしてはいけないのです。

 

ついでに大手術の後の肺炎は侮れない。

集中治療室にいる以上、

ベッドに横になっていることが多いわけですが

その状態だと肺の裏側が(自分の体重で圧迫されるため)膨らまず、

どうしても治りにくくなるのです。

 

しかも転院先は福岡市!

渋滞していたせいもあって、搬送に2時間かかったとか。

 

搬送せずにすんでいれば

花梨ちゃんが回復した可能性は大いにあったと思われます。

1月に受けた手術で

完全型房室中隔欠損症は治療できる見込みだったというのですから。

 

市民病院の耐震化、

つまりは強靱化が遅れていたばかりに

救えるはずの命が救えなくなってしまったのですよ。

 

記事によれば花梨ちゃんの父親は

「病院さえ機能してくれれば移動する必要はなかった」

と語っています。

また母親も

「病院は災害の際に命を救う拠点。同じことを繰り返してほしくない」

と述べているそうです。

 

少子化対策に取り組むと政府が謳っている国で

こんなことが放置されて良いはずはありません。

 

花梨ちゃんはこの4月から

幼稚園に入ることが決まっていたそうです。

ご冥福を祈りつつ

国土強靱化のすみやかな推進を望みたいと思います。