昨日の記事

「山猫グルメ・ゾンビ定食!」では

岩手にゾンビがやってきた場合、

かの「注文の多い料理店」こと山猫軒に案内して

山猫に食べてもらうのが良いのではないかと書きました。

 

ふつうの人間よりもゾンビの方が

山猫にとって珍味となる可能性は

決して否定できないからです。

 

いや、宮沢賢治さんは偉大ですね!

 

私は以前にも

「グスコーブドリの伝記」を例にあげて

あの人は100年ほど時代に先んじていたのではないか?

という記事を出したことがありますが、

「注文の多い料理店」 も、じつに先駆的な作品。

 

じつはアメリカのSFに、

これと良く似たアイディアの作品が、少なくとも二つあるのです。

 

本日はその一つ目をご紹介しましょう。

かの伝説的テレビシリーズ

「トワイライト・ゾーン」の第89話、

「TO SERVE MAN」。

 

1962年3月2日に初放映されました。

たしか日本語題は「人類に供す」だったと思います。

 

カナミット星人という身長3メートル近いエイリアンが

宇宙船で地球にやってくる。

人類は当初、警戒していたものの、

カナミット星人は偉大な科学力で、地球の問題を次々に解決。

 

食糧問題はなくなり、格安エネルギー源が登場、

砂漠は草原に変貌し、核兵器は無力化される・・・という具合。

 

ちなみにカナミット星人、

国連本部に一冊の本を残してゆきます。

人類の暗号解読チームが割り出した書名は「TO SERVE MAN」。

素直に訳せば「人類への貢献」です。

 

素晴らしい!!

・・・というわけで、カナミット星人の宇宙船に乗り込み、

向こうの母星に行きたがる連中が続出。

 

ところが、いよいよ出発というとき、

暗号解読チームの一人であるパティという女性が血相を変えて走ってくる。

「行っちゃダメ! 本の残りが解読できたの! そしたら、人間の調理法が書いてあったのよ!!」

 

「TO SERVE MAN」、

たしかに「人間の食べ方」とも訳せますからね。

とはいえ手遅れ。

宇宙船は出発するのでありました。

 

山猫をカナミット星人に置き換えれば、ほとんど同じ話。

まあ、このエピソードの原作を書いたSF作家デーモン・ナイトや、

シナリオを担当したロッド・サーリング

宮沢賢治を読んでいたとも思えないので

たぶん偶然でしょうけど。

 

とはいえ1924年の時点で

「注文の多い料理店」を書いた宮沢さん、

やはり天才だと思いませんか?

 

もう一つの作品については、またあらためてご紹介します。

ではでは♬(^_^)♬