1月24日に行われた
沖縄県宜野湾市の市長選挙は
政府側が支援した佐喜真淳候補(現職)が
新人の志村恵一郎候補を破りました。
宜野湾市といえば、
かの米軍普天間基地があるところです。
同県の翁長䧺志知事に支援された志村候補が
辺野古への移設反対を訴えたのにたいし、
佐喜真候補は移設にたいして
賛否を明らかにしなかったとのこと。
ただし移設を進めたがっている
政府が支援したのですから、
とりあえず移設に反対ではないと言えるでしょう。
というわけでこの選挙結果、
移設賛成派の勝利とは呼べないまでも
移設反対派の敗北であることは間違いありません。
これについては
移設に賛成する民意の表れだ!
とか
佐喜真候補は態度を明確にしなかったのだから、そんなことはない!
など、
いろいろ論評がなされています。
・・・とはいえ私には
ちょっと気になることがある。
今回の選挙結果をめぐるコメントは、
政治的立場によらず、
「移設賛成=基地賛成、移設反対=基地反対」
という図式に準拠したものばかりに見えるのです。
なるほど、普通だったらそうでしょう。
しかし選挙が行われたのは
現に普天間基地がある宜野湾市ですよ。
かりに辺野古移設の話がつぶれた場合、基地はどうなるか?
そうです。
代わりの移設先が見つかるまで使われ続けるのです!
そして辺野古に代わる移設先など
簡単に見つかるはずがない。
辺野古に決まるまでだって、10年かかったんですから。
となると、宜野湾市で移設反対を主張することは
普天間基地存続を主張するにひとしい!!
つまりここでは
「移設賛成=基地反対、移設反対=基地賛成」
というふうに、
構図がねじれているのです。
すると今回の選挙では
基地賛成のはずの政府の推す候補が(実質的に)基地反対の姿勢を取り、
基地反対のはずの知事の推す候補が露骨に基地賛成の姿勢を取ったわけですな。
かなりワケワカな話ではありますが、
これで政府の推す候補が勝ったら何なんですか?!?
同県では
オール沖縄で移設反対などと言われるものの
より根本的には
オール沖縄で基地反対のはず。
そして今回の選挙は、
移設実現まで基地をなくせない宜野湾市の市長を選ぶものです。
ならば!!
実質的に基地反対の立場を取った佐喜真候補が
露骨に基地賛成の立場を取った志村候補に勝つのは
まったく当たり前の話にすぎません。
沖縄では基地反対を説いたほうが支持される、
ないし
基地賛成を説いたら支持されない、
それだけの話じゃないですか。
たぶん志村候補は
移設反対=基地反対の図式にとらわれるあまり、
宜野湾市レベルでは自分が基地賛賛成派になってしまっていることに
みごと、気付かなかったのでしょう。
しかるに私の見るかぎり、
どのコメントも
まるで基地反対派が敗北したかのごとく受け止めている。
いや、政府までそう受け止めている様子です。
何で?!?
こうしてわが国の状況は
ますますシュールになってゆくのでありました。
ではでは♬(^_^)♬
2 comments
たかゆき says:
1月 27, 2016
精神構造♪
移設反対派も賛成派も
その 論理構成が
fractal ではない のが
素敵
しかも それぞれに
fractal あるいは 結晶構造を
有していると 確信しておられるような ところが
秀逸
一言で申せば どちらも
イシコロ なのだ♪
ちなみに
fractal とは
https://ja.wikipedia.org/wiki/フラクタル
よろしかったら こちらも どうぞ
フラクタル心理学
http://www.navi.ac/program/
マゼラン星人二代目 says:
1月 28, 2016
つまりここでは
>「移設賛成=基地反対、移設反対=基地賛成」
>というふうに、
>構図がねじれているのです。
総論と各論の関係づけの難しさ(もっと言えば総論遵守の行なわれ難さ)、その好個の例といえましょう。