12月29日の記事
「最終的かつ不可逆的に」について
カインズさんから、こんなコメントがありました。
ハイライトはこちら。
(日韓合意については)様々な負け惜しみが聞かれることでしょうね。
「君側の奸がいる!」
「政治とは難しいもの、安倍総理の本心は違うのだ。」
「これでもマシな方なのだ。安倍政権以外なら、もっと酷いことになっていた!」
・・・例として挙げられている三つのレトリック、
いかにもありそうというリアリティがあります。
というか、
第二次安倍内閣発足いらい
保守派にとって何か都合の悪いことが起きると、
この手のレトリックが繰り返されてきたのです。
しかし遺憾ながら
これらのレトリックはあくまで負け惜しみ。
溜飲を下げたり、
自分の立場を正当化するうえでは役に立っても、
物事を良くするために役立つものではありません。
順番に問題点を見ていきましょう。
1)「君側の奸がいる!」
君側の奸とは、「政権内部にひそむ悪いヤツ(=反対勢力)」ということですが・・・
いたら何なんですかね?
政府に限らず、ある程度以上に大きな組織において
みんなが素直にトップに従うことを期待するほうが非現実的。
トップの邪魔をしようとする存在、つまり「君側の奸」がいて当たり前なのです。
裏を返せば、そういう連中がいることは承知のうえで
彼らの動きを抑え込み、善政を敷くのが名君。
「君側の奸がいるのだから、悪いことが起きても仕方ない」と構えるかぎり
悪いことは永遠に起こりつづけるでしょう。
2)「政治とは難しいもの、安倍総理の本心は違うのだ。」
ほかならぬ安倍総理の名言を紹介します。
いわく、政治は結果がすべて。
政治において、結果に結びつかない本心に価値はないのです。
本心であろうとなかろうと
最終的かつ不可逆的に合意したことは
最終的かつ不可逆的に合意したことなのですよ。
それとも「総理の本心は違うから」という理由で、
こちらから蒸し返しますか?
そこまでオウンゴールをしなくても良いと思うのですが。
3)「これでもマシな方なのだ。安倍政権以外なら、もっと酷いことになっていた!」
となると、われわれに与えられた選択肢は以下のどちらかになります。
a)安倍政権のもとでの失敗。
b)他の想像上の政権のもとにおける、より酷い失敗。
現実の失敗か
架空の大失敗かの二者択一というところですが、
政治って成功したほうがいいんじゃないでしょうか??
つまりこのレトリックのもとでは
物事は失敗して当然と構えることが
自分の正しさを証明するための条件になってしまうのです。
そんな発想に陥ったら最後、遅かれ早かれ負け癖がつくのは確実。
物事は永遠に良くなりません。
というわけで、
これらのレトリックにはこう答えましょう。
「君側の奸がいる!」→「当然じゃない。いたら何?」
「総理の本心は違う」→「政治はつねに結果がすべて」
「他の政権ならもっと酷い結果になっていた」→「現実の失敗を、架空の大失敗で弁護すると負け癖がつく。成功したかったら発想を転換すべし!」
ではでは♬(^_^)♬
7 comments
たかゆき says:
1月 5, 2016
現実を直視しよう♪
「君側の奸がいる」→「総理こそが 奸物」
「総理の本心は違う」→「韓国とは価値観を共有」
http://www.kantei.go.jp/jp/abespeech/2006/09/26press.html
http://matome.naver.jp/odai/2138529940275349201
「他ならもっと酷い結果になっていた」→「五十歩百歩」
心不在焉、視而不見、聴而不聞、食而不知其味 ♪
ベッラ says:
1月 5, 2016
佐藤先生、素晴らしいですね。またこれを拡散したい、この言葉を聴きたい、聴いて納得する人が多いと
思うのです。今は絶対に引いてはいけない。許してはいけない、と思います。
流されるままの安倍総理と信者たち、共倒れは御免です。
カインズさまにも感謝しております。
SATOKENJI says:
1月 5, 2016
承諾します。前回同様、URLをお知らせ下さい。
ベッラ says:
1月 5, 2016
事前にお願いしたのでエントリ出来次第、URLを必ずお知らせします。
出来次第コメントでお知らせします。ありがとうございます。
カインズ says:
1月 5, 2016
コメントを取り上げていただきありがとうございます。
日韓合意については、様々な事情はあるのだろうけれども、言葉使いにもっと慎重になることはできなかったのか(特に国内の議論でも問題になっていた「関与」という価値中立的・曖昧な単語を使ってしまったこと)?
この合意の締結によって、日本側の関係者は、日本にどんな利益をもたらすと考えていたのだろうか?
といった疑問が浮かんでいます。
ベッラ says:
1月 6, 2016
私のブログに転載させて頂きました。ありがとうございます。
ピンクの色が私のブログでは薄くて字が読みにくい(ほとんど読めない)ので、パープルになっています。
どうぞご了承のほどを。
http://blog.goo.ne.jp/bellavoce3594/e/a1a170756591d7982149ad8b1a1568be
博史 says:
1月 11, 2016
「政治は結果がすべて」と言っても、
安倍内閣、および擁護する連中は、安倍総理が成果を出した という結論ありきで
都合よく結果を解釈するため、不都合な真実を無視して「いい結果が出ているんだ」と
強弁し続けることでしょう。
論より証拠、内閣府の月例経済報告は、どんなにGDPがマイナス成長になろうとも
「緩やかな回復基調」と1年以上も書き続けています。