イギリスのEU離脱は
あいかわらず世界中を騒がせています。
国民投票後、
離脱派が公約をひっくり返すような言動をしたこともあって
同国内のゴタゴタは
なかなか収まりそうにありません。
EUはEUで
出て行くのなら、さっさと出て行け
という感じの反応。
昨年8月の安倍談話に出てきたフレーズにならえば
さしずめ
イギリスはヨーロッパ国際秩序にたいする挑戦者になりやがった
でしょう。
このフレーズ、オリジナルは
1930年代、日本は国際秩序への挑戦者になってしまった
ですが、
思えばわが国も1933年、
国際連盟を脱退しました。
しかるにそのとき、
「脱退節(ぶし)」という歌がつくられたのをご存知でしょうか?
いや、ホントなんですよ。
しかも作詞は、有名な詩人の北原白秋!!
何が連盟、さよならあばよ、ヨッコラショ
無理がきくなら、どんと来いよ、どんと
やれよ松岡 どっこい俺がいる ワンサワンサ・・・
これが一番の歌詞だそうです。
「松岡」とは、日本の首席全権だった松岡洋右のことでしょう。
北原白秋と言えば
雨ふり
待ちぼうけ
揺籃(ゆりかご)のうた
からたちの花
この道
など、
数々の童謡で知られる人。
それがこういう詞も書いていたんですね。
ちなみに例の映画「セシウムと少女」によれば
白秋先生、
ヒトラー・ユーゲントを讃える歌も書いています。
燦(さん)たり輝く ハーケンクロイツ
ようこそ遥々 西なる盟友
いざ今、見えん 朝日に迎えて
われらぞ東亜の青年日本
万歳 ヒトラー・ユーゲント
万歳 ナチス
同じく一番の歌詞です。
二番以後の歌詞は、映画のパンフレットで紹介されていますので
よろしければどうぞ。
素晴らしい童謡の詩人が
ナショナリズムを前面に打ち出した国威高揚の歌も書いていた。
これは何を意味するのでしょう?
二つの解釈がありうると思います。
1)北原白秋の童謡の魅力は、じつはナショナリズムに支えられたものである。
2)北原白秋のナショナリズムは、じつは童謡にも通じる子供じみたものだった。
真実は両者の中間にあるというか
どちらの解釈も一理ある気がしますね。
とはいえ、せっかくですからイギリスでも
「離脱節」という歌ができたら面白いと思うのですが。
あの国ですから
「ルール・ブレクジット」というところでしょうか?
(※)イギリスには「ルール・ブリタニア」(統べよ、ブリタニア)という有名な愛国歌があるのです。
ではでは♬
3 comments
玉田泰 says:
6月 30, 2016
北原白秋は良く言えば素朴な愛国者だったのですね。
素朴と言えば、ブレグジットに投票したイギリス国民も同じでしょう。
まんまとブレグジット派の指導者の思惑に乗ってしまった観があります。とは言え当の政治家達もまさか勝つとは思っていなかった「節」がありますね。
アメリカ大統領選も一矢報いてやろうとトランプを支持している人々が大勢いる気がします。
ましてや日本の参院選における野党統一候補など、端から負けることを前提としての人気取りとしか思えません。
民進、共産の相乗りなんて、勝った時のことを考えているのでしょうか。
せい says:
7月 1, 2016
日本のマスコミは意図的に伝えませんが、トランプ指示もイギリスの脱退も、反グローバリズムの流れの一環だと思います。三橋さんが、ギリシャ問題を解決するには、ユーロから抜けるしかないと言ってましたように、一時的に悪くなったとしても、それで失敗だったとは思いません。童謡といえば、やなせたかしさんが作詞した「アンパンマンのマーチ」の、テレビでは使われない、一番と三番の歌詞が好きです。
むーどん says:
7月 7, 2016
わが母校の校歌も北原白秋ですが、初めて聞いた人でも虜になる歌詞。
そういえば、ナショナリズムが漂うかな。
格調があってわたしは好きでしたが、
へー、この人こんな歌詞も作れるのね、とびっくり。