政府の地震調査委員会によると、
今後30年以内に
関東地方でマグニチュード6.8以上の地震が起こる確率は
50%〜60%とのこと。
ちなみにこれは
活断層のずれに起因するタイプの地震
(比較的、地表に近いところで発生するらしい)に限った話で
地下深くにあるプレートの境界部で置こる大地震は
これとは別枠(おいおい)。
いわゆる首都直下地震は後者ですが
こちらについては
マグニチュード7程度の地震が
今後30年間に70%の確率で起こるそうです。
・・・畏友、藤井聡さんならずとも
こういう予測が出たら
きっちり対策を講じておこうと思うのが当たり前ですよね。
(↑)京都大学教授にして、同学の非公式100days総長©でもある藤井さんです。
ところが、どうもわが国ではそうならない。
財源がないからやらないという話になるのです。
ここで思い出されるのが、
日本アニメ映画屈指の名作「AKIRA」(1988年)。
2020年東京オリンピックを予見したことでも知られる作品ですが、
劇中、「大佐」という人物が
超能力者の暴走による東京壊滅の恐れを察知、
対策のための予算を申請します。
これにたいする政治家たちの反応を、
映画の絵コンテから拾ってみましょう。
「冗談じゃないよォ〜!
前総理の税金政策の歴史的失敗の尻ぬぐいを
われわれ国会議員が、頭を下げて国民のみなさまに
我慢をしていただいているこの時期にだよ、
何だね、どこにそんなカネがあるんだね?!」
「来年はオリンピックだよ(注:2019年の時点の話なので)。
もう戦後は終わったんだ。
いつまでそんな幽霊みたいなものにカネを出さなくてはならんのかね?!」
(傍白:原作・監督の大友克洋さんには予知能力があるのでしょうか)
あまりのことに大佐は
「あんたたちは、アキラの災厄が実際に起きてからでなければ
何一つ理解しようとしないのか!」
と怒るのですが、
政治家たちは聞く耳を持ちません。
ついには
「だから! そのカネを福祉に回せば良かったんじゃ〜」
という老政治家にたいし、
もっと若い政治家が
「うるせぇ、じじい!」
と怒鳴る始末。
若い方いわく、
「あんたらの無策が生み出した混乱なんだよ!!」
何もつけくわえることはございません。
なお「AKIRA」については、以下の本でも論じています。
ではでは♬(^_^)♬
6 comments
akkatomo says:
4月 26, 2015
この発言から見える事は、議員先生方は所詮、金のため嫌々国民につきあってるんだろうな、て事ですね
国民より金と自分が大事なら、そりゃそういう反応になる
最も、国民からして金と自分が何より大事が当世流
となれば、相互交流でより悪化。止める人間は皆村八部の剣突尽
天下万民の共謀協議で落ちるとこまで落ちてくだけなのかもしれませんな
頓珍漢 says:
4月 26, 2015
>何だね、どこにそんなカネがあるんだね
タイトルから真っ先にAKIRAのことだろうかと思い、即読んでしまいました。
個人的にこの台詞のキャラは宮沢首相に似ているなぁと感じていました。
ユーチューブで観ましたが、大友さんは何年前かに何かの賞を授与されたときに、
オリンピックのことを予言したとかは自身では想いもしてなかったような話をされていたようですね。
「堕落した企業家たちに踊らされてはならんっ!」
と叫ぶ大佐の台詞(声もピッタリだと思う。誰かは知らないけど)もあの頃から耳にこびり付いたままでした。
さしづめ大佐は現実には藤井教授にピッタリ当てはまりそうです。
しかし絵コンテからって・・・佐藤さんはどんだけエンターテイメント関係の資料を持っているんですか。
相当膨大な量ではないのですか?。
わたしなんか頭内しか倉庫は持てないしメモリー不足に老朽化だし・・・。
SATOKENJI says:
4月 26, 2015
大佐の声を演じたのは、舞台俳優としても活躍された石田太郎さん。
ちなみに「ルパン三世・カリオストロの城」の伯爵の声もこの人です。
頓珍漢 says:
4月 27, 2015
!!! お答え、ありがとうございます。
あぁそうなんですか・・・カリオストロを思い出しながら、なんとなく声の感じをキャラに合わせて出してあったのかなぁと納得してしまいました。
話は飛んで、バカボンのママからもイナズマが飛んで来そうですけど、カリオストロの城までは峰不二子は二階堂有紀子さん(柳生博夫人だったんですね)の声であったのならなぁと常々思ってました。音楽も山下毅雄さんで。
話は戻り、あぁ確か平松さんてAKIRA前後からお仕事されていた・・・?ように何処かに書かれていましたね。凄いですね、この映画に参加されていたなんて。
平松禎史 says:
4月 27, 2015
「頭を下げて国民の皆様に…」あああ、動きが目に浮かびます。
あのシーンはとても巧いアニメーターさんが担当していて、直しが全く入っていませんでした。
ところで、活断層型の地震は震源が浅いため、マグニチュードが小さめでも被害が強く出るようです。
立川断層帯が危険だとよく言われますね。
プレート境界型だと、関東直下は60km以上の深さでしょうか。こちらもマグニチュードが大きいければ大災害になります、被害の範囲も広くなるでしょう。
阪神淡路大震災が比較的狭い範囲で集中的な被害だったのは活断層型の特徴で、東日本大震災の場合はプレート境界型で崩壊範囲が大きかったために非常に広範囲に被害が出ました。
SATOKENJI says:
4月 27, 2015
ありがとうございます。たしかに、とても自然な動きをしていました。
「頭を下げて」のところで、政治家が本当に頭を下げるんですよね(笑)。
・・・って、あらためて「アキラ」のスタッフをチェックしたら、
動画で平松さんのお名前が!!
あの傑作に参加されたとはうらやましい。
今度、どの場面を担当されたかお教えください。