『平和主義は貧困への道 または対米従属の爽快な末路』

二回目の校正作業に追われ

またもや記事の間隔が空いてしまいました。m(_ _)m

 

なにせ本文の仕上げ作業と並行して

カバーをはじめとする装幀についても、

編集者、デザイナー、イラストレーターと

最後までホットなやりとりを続けていますので、

なかなかハードな日々なのです。

 

しかし!

 

その甲斐あって

今回の仕上げ作業は

あとになればなるほど全員が冴えてきて

素晴らしいアイディアをバシバシ出してくる

という、

めったにない理想的な状態になりました。

 

イギリス出身の名演出家ピーター・ブルックは

著書『なにもない空間』において

芝居では、〈化学作用〉とか〈つき〉とかの

大ざっぱな言葉で呼ばれている現象が起こって、

驚くほどのエネルギーの奔出が生じることが

ときおりあるものだが、

そういうときは、稲妻のような連鎖反応で

奇想名案が次から次へと湧いてくる

と述べましたが、

まさにそんな感じです。

 

目下、デザインはほとんど完成していますが、

出版・流通の関係者の間では

「これは面白い!!」という反応が生じているとか。

 

担当編集者も、

今度の仕事は、とにかく楽しくてしょうがない

と語っておりますよ。

 

発売は9月16日。

どうぞお楽しみに!!

 

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さて。

 

6月の米朝会談で、

とりあえず非核化への努力に合意した北朝鮮ですが

その後も「核なくば死」のノリで

核開発を絶賛継続中であることは

みなさん、ご承知のとおり。

 

国際原子力機関(IAEA)も

8月20日に発表した最新の報告書で

衛星画像に基づく情報収集の結果、

「重大な懸念」を表明しています。

 

CNNの記事いわく。

 

報告書は、北朝鮮北西部の寧辺(ヨンビョン)核施設などで

ここ数カ月間に観測された核関連活動を挙げ、詳しく説明している。

 

具体的には、核燃料棒製造棟で冷却装置が使われ、車両が移動するなど、

遠心分離機によるウラン濃縮技術が使われた兆候や、

実験用原子炉で水蒸気や冷却水が放出されるなど稼働の兆候がみられた。

 

核燃料の再処理に関連する研究施設では、

蒸気施設の稼働が確認された。

ウラン鉱山や関連施設として登録された場所で採掘、

製錬作業が続いていることもうかがえるという。

もとの記事はこちら。

 

ただしドナルド・トランプ大統領、

この時点では

金正恩委員長との再会談の可能性が高いとか、

北朝鮮がこのところ核、ミサイル実験をしていないのは

自分の対応がうまく行っている証拠だとか言い張っていました。

 

いわく。

私が核実験を止めた。

私がミサイル実験を止めた。

日本は大喜びだ。

これからどうなるか、それはだれにも分からない。

様子を見よう。

 

コメントの前半と後半で、どうも話がつながっていない気が・・・

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とはいえ、

事と次第ではコロッと態度を変えるのがトランプ流。

8月24日には、こんなツイートが出ます。

 

I have asked Secretary of State Mike Pompeo

not to go to North Korea, at this time,

because I feel we are not making sufficient progress

with respect to the denuclearization of the Korean Peninsula…

 

 …Additionally, because of our much tougher Trading stance with China,

I do not believe they are helping with the process of denuclearization

as they once were (despite the UN Sanctions which are in place)…

 

…Secretary Pompeo looks forward to going to North Korea in the near future,

most likely after our Trading relationship with China is resolved.

In the meantime I would like to send my warmest regards and respect to Chairman Kim.

I look forward to seeing him soon!

 

マイク・ポンペオ国務長官にたいして

今は北朝鮮に行かないよう伝えた。

朝鮮半島非核化について、われわれは十分成果を挙げていないと思うからだ。

 

ついでに、中国にたいして貿易面で強い態度に出たせいか、

中国はかつてほど非核化にたいし

協力的でないように思えてならない(国連制裁が課されているにもかかわらず、だ)。

 

ポンペオ長官は、近く北朝鮮を訪れるのを楽しみにしている。

たぶん、中国との貿易問題にカタがついてからになるだろう。

それまで私は、金正恩主席によろしく伝えておきたい。

近いうちに彼と会うのを楽しみにしている!

ツイートのスレッドはこちら。

 

わが国の保守界隈は

トランプびいきが多いので

これについても、

さすがトランプ、まずは中国を抑え込んだうえで

ゆっくり北朝鮮を始末する気なのだろう!

とか言い出す人がいるかも知れません。

 

・・・だが。

 

ここで思い出すべきは、

米中の貿易対立は、アメリカ側が関税を課すことで始まったという点。

 

貿易問題のせいで、中国はかつてほど北朝鮮の非核化に協力的でない

というトランプの見解が正しいのなら、

アメリカは中国にたいし、

非核化に協力しない口実を提供したことになります。

 

6月に米朝会談をやった以上は

まず北朝鮮の核問題にケリをつけ、

そのうえで中国を抑え込むというのが

正しい順序じゃないんですかね?

 

だいたい米朝会談だって、

いったん取りやめと言ったあとで

前言撤回でやることにしたのですぞ。

 

これは「したたかな戦略」にあらず、

「行き当たりばったりのテキトー」と呼ぶべきものでないのか?!

 

「その場のノリを大事にするのはブルースの基本だが、ここまで来ると・・・」(※)個人の感想です。

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ついでに。

 

朝鮮半島非核化(「北朝鮮の非核化」と言っていないのも気になるところ)について

十分な成果が挙がっていないのは

一体、どこの国の責任か。

北朝鮮と中国(だけ)か?

 

これについては、

あの産経新聞すら、こう述べています。

 

 6月12日の米朝首脳会談で、

トランプ氏が金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と

「非核化」の定義や道筋について厳密に確認せず、

拙速に非核化プロセスを進めようとした代償がついに表面化してきたといえる。

 

関係筋によると、トランプ政権は今回の訪朝に際し、

北朝鮮に保有核戦力の実態開示など、

非核化に向けた具体的措置を要求する構えだった。

しかし、北朝鮮はその前提として、

朝鮮戦争(1950~53年)の終戦宣言を行うべきだとして譲らず、米朝の事前協議は難航していた。

 

ポンペオ氏による先月の訪朝に続き、

今回も金氏と会談できる見通しが立たず、

「交渉停滞」の批判がこれ以上強まるのを回避したいトランプ氏としては

中止を決断せざるを得なかったとみられる。

元の記事はこちら。

 

そうです。

最初の段落が示すとおり、

これはトランプが拙速に非核化を進めようとしたツケなのです。

その態度が北朝鮮に、

非核化を唱えつつ核開発を継続する余地を与えたのですよ。

 

ついでに産経はこうも書いている。

 

トランプ氏が先の首脳会談を受け、

「北朝鮮の脅威はなくなった」などと発言したことも、

中国やロシアに対北朝鮮圧力を緩和する口実を与えるという痛い誤算を生んだ。

 

おいおいおい。

貿易問題など持ち出すまでもなく、

6月の段階で、中国に口実を与えてたってか?!

 

「バカ野郎、だから言っただろうが」(※)個人の感想です。

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ここまで戦略性を欠いた政権が

中国はもとより、

北朝鮮のことだって

ちゃんと抑え込めるかどうか

私はきわめて懐疑的です。

 

つまりですな、

中国が貿易問題で譲歩するための条件として

北朝鮮の核武装の実質的容認をアメリカに求めたらどうするのか。

 

そのうえで金正恩が目に余る振る舞いを見せたら

今度は「あらためて北朝鮮を抑え込むのに協力するから」といって

経済面での譲歩を迫る。

当然、それくらいのことはやると思うのですがね。

 

実際、産経の記事の終わり近くにもこう書いてある。

 

中国は、北朝鮮の「後ろ盾」としての存在感を改めて誇示し、

米中貿易摩擦の収拾に向けた取引材料にする構えを強く打ち出しつつある。

 

トランプ政権が中朝双方に厳然とした姿勢を維持するのであれば、

両国に対する追加制裁で対抗していく事態も想定される。

 

おっと、中朝双方を一気に抑え込むにかかるってか?

 

・・・しかしこれについては、

ほんの三ヶ月前、

トランプが米朝会談中止を通告したとき

産経がどう反応したかを思い出さねばならない。

こう反応したのですよ!

 

トランプ氏の激しい怒りに、脅えて震え上がった北朝鮮と韓国。

米国が、軍事力を含む「最大限の圧力」を強めるのは確実で、正恩氏は追い詰められた。

 

トランプ氏の通告に対し、

これまで無礼な言動を繰り返してきた北朝鮮は手のひらを返し、おびえを見せ始めた。

 

「米朝の仲介役」を自認しながら、

実質は「北朝鮮のメッセンジャー」となっていた韓国・文在寅(ムン・ジェイン)大統領も戸惑いを隠せないようだ。 

 

世界を裏切る言動を続けてきた南北朝鮮は、

トランプ氏の怒りに触れ、「いばらの道」を歩むことになりそうだ。

元の記事はこちら!

 

しかるにお立ち会い。

それから三ヶ月で

拙速な非核化をめざすトランプの姿勢の代償が表面化したんだと。

中国やロシアにたいしても、痛い誤算をやらかしたんだと。

追い詰められ、震え上がったはずの金正恩にいたっては

「核なくば死」と宣言、

マイク・ポンペオと会おうとすらしないではないかい。

 

で、誰が何におびえているって??

 

♬認知す〜る〜な〜あら、チョイと不協和音頭、ヨイヨイ♬

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sayaさんも失笑を隠せない模様。(※)個人の笑いです。

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とはいえ極東亡国(誤記かどうか不明)

この期に及んでも

ポンペオが北朝鮮に行かなければ行かないで支持し、

行ったら行ったで支持するんだろうなあ。

 

で、非核化プロセスが止まってもアメリカを支持、

(表面的に)進んでもアメリカを支持、と。

 

いや、私も頑迷な石頭ではありません。

良い点は率直に認めようじゃないですか。

これは少なくとも

行き当たりばったりのテキトーではない。

気合の入った卑屈さであり、

首尾一貫した小物ぶりである、と。

 

「だから、戦後のジャップってのは!」(※)故人の感想です。

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平成最後の夏も、思えばもうすぐ終わり。

猛暑はいまだ続いていますが

わが国を取り巻く状況はじつにクール、

つまり寒いのでありました。

 

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