まずは昨日の記事
「炎上政治はどこに行くか、または安倍内閣の支持率急落」
について。
コメント欄の返答にも書きましたが
あれは藤井聡さんへの批判を意図したものではありません。
そもそも『対論「炎上」日本のメカニズム』の第七章に収録された
われわれの対談をご覧いただければ分かりますが、
小泉内閣以後の「炎上政治」によって日本が壊れた
と語ったのは藤井さんですからね。
つけくわえれば、当の藤井さんからも
あの記事の内容には、じつはまったく賛成である
という趣旨のメールをもらいました。
たぶん藤井さんは
内閣支持率の急降下を逆に利用して
もはや積極財政で起死回生を計るしかない!!
だから2020年のPB黒字化など破棄せよ!!
とぶち上げるべく、
あのような書き方をしたのでしょう。
プラグマティズムの観点からは、理解できる話です。
ついでに昨日の時事通信調査では
内閣支持率は29.9%と、
ついに危険水域に突入しました。
ただし。
昨日の記事の分析が正しければ
炎上政治の発想をどうにかしないままで
積極財政を説いても、
受け入れられる可能性は
残念ながら低いと言わねばならない。
PB黒字化を否定したがる連中は
財政健全化を邪魔する抵抗勢力だ!
こんなやつらに負けるわけにはゆかない!!
批判・嘲笑・攻撃の対象にすべし!!!
炎上政治の発想では、そういうことになってしまうのです。
理想を多少曲げてでも
実利を追求するのがプラグマティズムですが
プラグマティズムの立場でどこまで実利が得られるかも
往々にして微妙だったりする。
理想を曲げない方が
むしろ実利を得られる可能性すらあるのです。
世の中の面白くも複雑なところですが、それはともかく。
昨日、7月14日は
フランス革命228周年でした。
(↓)おかげさまで、刊行から6年以上を経ても順調に売れています。
228年前というと
昔も昔という感じがするものの
どうも最近の日本の状況は
考えれば考えるほど
フランス革命当時とよく似ている。
たとえば稲田防相の
「防衛省、自衛隊、防衛大臣としてもお願いをしたい」大失言が
革命下の自治体と軍の結びつきを想起させることは
すでに指摘したとおり。
またフランス革命においても
もとからパッとしなかった経済状態がさらに悪くなり、
普通なら侵略を受けてもこうひどくはなるまいというほどの状態に陥る
しょうもない現象が発生。
エドマンド・バークなど、皮肉たっぷりにこう言っています。
革命派の諸君、ひとつ教えてくれたまえ。
諸君は一体どうやって、
偉大なる祖国を、あっという間に台なしにすることができたのだ?!
けれども革命派は
いかに失敗を繰り返そうと
そこから何も学ぶことなく
雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズとばかり
意地になって頑張り続けたのです。
さしずめ、
安倍政権に問題は多々あるし
支持率も危険水域にまで落ち込んでいるが
保守反動勢力、
じゃなかった反日勢力に対抗する方が先決なので
内閣打倒は断じて許さない!
というヤツ。
許すとか許さないとかいくら叫んでみたところで
倒れるときは倒れるのですがね。
だ・か・ら、
『右の売国、左の亡国』と言うのですよ!
こう言っては何ですが
真に保守派を名乗るのであれば
笹川良一さんのように構えてほしいものです。
日中戦争のころ
わが国では内閣がコロコロ変わった時期があるのですが
笹川さんはこう言い切ったのですぞ。
わが国には日月(じつげつ。太陽と月)のような天皇陛下がおられるので
内閣など毎年どころか
毎日倒れても何も困らないのである!
いや、昔の人は偉かった!
ではでは♬(^_^)♬
9 comments
Daniel says:
7月 15, 2017
>となれば、BGMはこれしかないだろうなあ。
済みません、佐藤先生の仰る、「BGMはこれしかない」の意味は、浅学卑賤の私では分りませんでしたが、F14トムキャットは大好きです。あの可変翼ジェット戦闘機こそ、現代の紫電改。しかも艦上戦闘機というのがいいではありませんか。
後継機のF18ホーネットの方が強いんでしょうが、面白くない。大体、空母ホーネットは、日本海軍が撃沈しましたし。
私はアメリカ在住当時、メリーランド州アナポリス市にある米海軍兵学校を見学しに行きましたが、素晴しかったです。これこそ、江田島(日)、アナポリス(米)、ダートマス(英)と並び称された世界三大海軍兵学校かと。映画「愛と青春の旅立ち」を思い起させました。
アナポリスの海軍兵学校では、校内至る所に「Beat Army」の標語が掲げられていて、米海軍は、米陸軍と相変らず仲が悪いんだと、実感させられました。米空軍の存在感なんて、アナポリスでは、ゼロでした(笑)。
何故かドイツ陸軍の若手連中もそこには来てて、何を見に来たんだろうと、少し興味が湧きました。今から思うと、奴らに訊いてみれば良かったのにと後悔しています。
アメリカでは、海軍航空隊は、未だ現役です。だって空母があるんですもん。そして、パイロットは、やっぱりエリート。花形だそうです。
…済みません、先生、記事のご主旨と全然関係ありませんでしたね。。
SATOKENJI says:
7月 15, 2017
>「BGMはこれしかない」の意味
曲名をご覧あれ。
DANGER ZONE (危険地帯)です。
「トップガン」ば海軍の話ですから、つまりは危険水域。
コーラスの歌詞はこうなっていますよ。
危険水域にまっしぐら
一直線に連れて行くぜ
危険水域に
Daniel says:
7月 15, 2017
済みません、先生。トムキャットに目を奪われて、何も見えてなかったです。反省。
しかし、歌詞はともかく、「トップガン」を選ばれたのは意外です。結局「トップガン」は、トム・クルーズ主演の青春物語であり、劇中では敵戦のミグを撃墜したりしてますし。
私であれば、一応これをお勧めします。
https://www.youtube.com/watch?v=yvc0LadtZUk
♪あなた…山が燃える
戻れなくてももういいの
くらくら燃える地を這って♪
サユリストなんて言いますが、吉永小百合なんてどこがいいのやら。私は断然、石川さゆりです。(先生がファンでしたら、済みません)
GUY FAWKES says:
7月 16, 2017
>こう言っては何ですが真に保守派を名乗るのであれば笹川良一さんのように構えてほしいものです。
>日中戦争のころわが国では内閣がコロコロ変わった時期があるのですが笹川さんはこう言い切ったのですぞ。
>わが国には日月(じつげつ。太陽と月)のような天皇陛下がおられるので内閣など毎年どころか毎日倒れても何も困らないのである!
思えば民主党政権の時、ミスター笹川の様な姿勢でいた御仁って1人でもいらっしゃったかなぁ…
二言目には「国がもたない!もう終わりダァ〜!」とここ数年世を賑わせた、何処ぞの「べ供」が大好きな方々の様に
乱痴気騒ぎを繰り返していやしませんでしたか…?
そういえば『トップ・ガン』というと、来月でトニー・スコット監督が亡くなって5年になりますね。
私はリドリー・スコット監督の大ファンですが、トニー独特の映像演出をもっと観ていたかったです。
Daniel says:
7月 16, 2017
>わが国には日月(じつげつ。太陽と月)のような天皇陛下がおられるので
内閣など毎年どころか、毎日倒れても何も困らないのである!
確か、蒋介石やスターリンがずっとその任に就いているのに、日本は内閣がコロコロ変ってて大丈夫かという文脈で話されたというこの有名な台詞は私も知るところですし、私もこの言葉の如く信じたいのですが、それって、我々臣民としては、些か情けない。それは、輔弼の臣、輔翼の将が、お国のために全く役に立っておらず、お上の御稜威に依り頼んでいるという、真に臣民としての責務を放棄している姿に他ならないと思うからです。
帝国憲法第三条:天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス
陛下の宸襟を安んじ奉るのが、我々臣民の果すべき役割かと存じます。日本国としては、世界に冠たる官僚集団もいますし、内閣が毎日倒れても何も問題ないかもしれませんが、その時にお困りになったり、心配されたりするのは、陛下です。それでいいのか?
安倍内閣には、国を運営する長期戦略がない。尊皇心も薄いのではないか?だから行当りばったりなのです。…この件に関し、ご反論のある方は、どうぞ。
GUY FAWKES says:
7月 16, 2017
>それは、輔弼の臣、輔翼の将が、お国のために全く役に立っておらず、お上の御稜威に依り頼んでいるという、真に臣民としての責務を放棄している姿に他ならないと思うからです。
>その時にお困りになったり、心配されたりするのは、陛下です。それでいいのか?
>安倍内閣には、国を運営する長期戦略がない。尊皇心も薄いのではないか?だから行当りばったりなのです。…この件に関し、ご反論のある方は、どうぞ。
全く仰る通りと思います、私は昨夏の表現者シンポジウム後の懇親会で西部先生と佐藤先生、
そして一水会代表を務められる木村三浩さんとご一緒させていただく機会があったのですが、その時酔った勢いで「よく共産党をはじめとする方々は『日本人民は天皇の奴隷だ!』などと宣われるが、実際は逆で『天皇陛下は日本国民の奴隷』なのが本当のところなんじゃないですか!?日本は善意とやり甲斐を搾取するという点では正に『ブラック国家』なんですよ!」と思いの丈ぶちまけてしまいました。
また、DANIELさんの仰る通り保守層の側に尊皇心があるかと言えばこれも疑わしい。
ある時は「『ものづくり』という言葉が代表する日本の底力」と宣いながら、今度は「国境や国籍にこだわる時代は終わりました」と平気で演説する。
敢えて申し上げれば、もしかすると安倍総理はグローバリストないしは新自由主義者ですらないのかもしれない。
というのも、日本国民が資本金や物資に人的資源といった諸々のリソースがカッツカツの中で血反吐ぶちまけ、精神・技術・肉体を必死で後世に伝えてきたものを、彼(安倍総理)は国家としての保護政策を削減しながら、内部留保を碌に設備投資や下請けへ回さない多国籍・大企業を優遇してやっとこさ報われた結果を「日本国の実力なんだ!」とおめでたい錯覚を有難がっておられる。
(8:45ぐらいから)「そもそも『グローバル化』というのは企業が自分の利益の為に国を選べるようになったことで、『企業の利益と国民の利益が一致しなくなった』ということ」「民間の輸出企業が国益に反するような形で私利私欲に走って、国民の為という顔つきで輸出産業が国民の利益だった昔の意識を引きずっている国民に対して『自分たちのシェアは日本人の勝利であり誇りなんだ!』とグローバル化以前の幻影・残像を残した形で国内改革を推進する、これが2000年代に起きた」
【TPP】 中野剛志がブチギレているホントの理由 【良く知らない人向け】 (これ引用するの二度目だな…)
https://www.youtube.com/watch?v=PrRjoR0dkcg
いやはや…いつぞやのチャンネル桜での討論で中野剛志さんが仰っていたことそのものですね。
こんな中で宣われる尊皇心に一体どれだけの信頼性があるでしょうか?(苦笑)薄ら寒いジョークですよ。
Daniel says:
7月 18, 2017
この言辞、実は衝撃的ではないでしょうか。
>敢えて申し上げれば、もしかすると安倍総理はグローバリストないしは新自由主義者ですらないのかもしれない。
実は、只の戦後民主主義者、だったりして。
私ね、実は東京に来て衝撃的なことが幾つかあったんですよ。もうどこだったか忘れましたが、その一つは、平民には入れない場所があったことです。つまり、旧華族にしか入れない場所が。
もう一つは、殿室だったか何だか、旧華族どころか、皇室の方しか入れないお部屋があったことです。確か、国会内にもあったような。
当然、士族ですらない、平民たる私は、入口で入るのを止められました。
さもあらん、と思いましたよ。否、そうでなくてはならない、と思いました。
昔、英国に行った際、オックスフォード大学やケンブリッジ大学で、教授と学生では、食堂で座る席も違う。高さも違う。王室が赴く席すら、どうやらあるようだ。
歴史ある国では、差別があるべきだ、と私は深く納得したものです。
私がいつかプロデュースするであろう、「理想的な日本国憲法案(笑)」は、少なくとも、枢密院くらいは復興させなければならないと思ったものです。枢密院!と思った方はご用心。
実はですね、英国にも、タイ王国にも、まだまだ枢密院は現役なのですよ。それをも知らずして、反論する勿れ。
復古万歳!但し、経路依存性にはご用心!
マゼラン星人二代目 says:
7月 16, 2017
>保守反動勢力、
>じゃなかった反日勢力に対抗する方が先決なので
>内閣打倒は断じて許さない!
むしろ、(いわゆる)「右」とか「保守」とかでは必ずしもないが「単に調整インフレ政策推しなだけ」派の人のほうが、
「偶然の妙」の名のもとに安倍政権を賛美、
「他に替りはいない。内閣打倒は断じて許さない」
と言わんばかりの姿勢でアベ政治のことごとくについて無理筋の擁護に狂奔、
という逆転現象が発生しているように思える。
マゼラン星人二代目 says:
7月 16, 2017
日月(じつげつ)と言えば「レインボーマン」、
「レインボーマン」と言えば「ヤマトタケシの歌」、
これでしょう。