まずは今週のメディア出演告知から。

明日、2/7は

いつも通り「おはよう寺ちゃん 活動中」に出ます。

 

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つづいて2/9は「FRONT JAPAN 桜」。

共演は佐波優子さんです。

 

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そして2/10は

ふたたびチャンネル桜で「闘論! 倒論! 討論!」。

今回のテーマは

追悼 西部邁と日本(仮)です。

 

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パネリスト(50音順)は以下の通り。

上島嘉郎(元産経新聞社『月刊正論』編集長・ジャーナリスト)

佐藤健志(評論家)

富岡幸一郎(文芸評論家・関東学院大学教授)

西田昌司(参議院議員)

浜崎洋介(文芸評論家)

藤井 聡(京都大学大学院教授・内閣官房参与)

脇 雅史(前参議院議員)

(※)西田さんは途中で退席されるそうです。

 

みなさん、ぜひどうぞ!

さて。

 

ここ数回、

大九明子監督の映画『勝手にふるえてろ』をネタに

いろいろ論じて来ました。

公式サイト(予告編つき)はこちら。

 

ちなみにメイン上映館のひとつ

新宿シネマカリテでは

先週はスクリーン2の上映だったのに

今週はより大きいスクリーン1に返り咲き!

 

・・・まあ、

約80席と約100席の違いではありますが

逆転劇は逆転劇ですからね。

 

それはともかく、

私が注目したのは

脆弱な自我(ないし主体性を守るべく)

自意識をひたすら爆走させて

妄想崛起的なフィルターをつくりあげ、

そのフィルターを通じてしか現実を認識しようとしない

ヒロイン・江藤ヨシカのあり方が

わが国の左翼・リベラル、

および保守派双方の特徴と

ぴったり一致すること。

 

だ・か・ら、

W(^_^)W\(^O^)/♬ゼーツメーツすべきで〜しょうか〜♬\(^O^)/W(^_^)W

となるわけですが、

思えば「勝手にふるえる」というのは

敗戦直後の日本人の精神状態そのものでもあります。

 

総力戦に惨敗し、

自国が占領され、

あらゆる物資が欠乏し、

それまでの自国の行動はとにかく悪かったと決めつけられる、

これが当時の現実。

 

しかるに、ここで日本人(の多く。以下同じ)はどうしたか?

 

そうです。

これからの日本は

絶対平和主義と民主主義のユートピアに生まれ変わり、

「戦争が根絶された新しい世界」のモデルケースとして

国際社会に名誉ある地位を占める

という妄想崛起フィルターをつくりあげ、

このフィルターを通じてしか現実を認識しようとしなくなったのです!!

 

W(^_^)W\(^O^)/♬ゼーツメーツすべきで〜しょうか〜♬\(^O^)/W(^_^)W

 

むろんこれは

敗戦の衝撃から自我や主体性を守るため。

 

当該のフィルターをつくるのには

占領軍もかなり手を貸しましたよ。

しかしですな、

占領軍が方針を転換した1948〜49年以後はもとより

主権が回復されたはずの1952年以後も

日本人がこの妄想崛起フィルターを捨てなかったという事実は

何を物語っているのか?

 

そうです。

戦後日本人の勝手なふるえは

多分に日本人が進んでやらかしたことなのです。

 

そして!!

 

大九明子さんが意識していたかどうかはともかく、

『勝手にふるえてろ』には、

敗戦直後を想起させる台詞がある。

 

同僚の青年「二」(←あだ名)に告白されたあと、

有頂天になったヨシカは

川べりで釣りをしている中年のオッサンに

こう宣言するのです。

 

ザッツ・ビューティフルサンデーだよお〜!!!

 

この台詞、

予告編の38秒目〜41秒目あたりにも入っていますが、

劇場で見ていて私は

おっと! と思いました。

 

というのもですな。

敗戦直後の1947年につくられた

黒澤明監督の映画『素晴らしき日曜日』の英語題は

ワン・ワンダフルサンデーなのです。

 

ご存じの方も多いでしょうが

同作品の有名なクライマックスでは

貧しくみじめな主人公カップルが

想像の世界に救いを見出す。

 

なにせ誰もいない音楽堂で

聴こえないはずの「未完成交響楽」が聴こえてしまうのですぞ。

 

この場面、

希望を捨てなければ現実は変えられる!

という意味に受け取られるのが普通。

しかし、

よくよく考えてみると

日本人は敗戦直後から妄想崛起していた!!

ということではないのか?

 

しかも。

『素晴らしき日曜日』の未完成交響楽ではありませんが

ヨシカも本当は

釣りをしているオッサンに宣言してなどいないのです。

じつはすべて、彼女の妄想。

 

この共通性は一体何だ?!

 

ザッツ・ビューティフルサンデーだよお〜!!!

 

のみならず。

親に捨てられた子供たちの姿を描いた

是枝裕和監督の傑作『誰も知らない』も、

当初の題名は『素晴らしい日曜日』でした。

 

何が素晴らしいのか?

 

主人公の少年が

自分たちを捨てたお父さんが家に帰ってきて

弟や妹(←じつは事故死して埋葬されている)とも一緒に

楽しい休日を過ごしました

というウソの絵日記を書くのが

ラストになっていたからです。

 

(↓)詳細はこちらの「さよなら日本の子供たち」をどうぞ。

夢見られた近代

 

ふたたび、

この共通性は一体何だ??!!

 

ザッツ・ビューティフルサンデーだよお〜!!!

 

ヨシカの宣言は

期せずして戦後日本人のあり方、

とくにカップルや家族のあり方を

一言で要約してしまったのではないでしょうか。

 

すぐれた作品は

ときにそういうことをやってのけるのです。

 

過去70年あまり、

われわれは勝手にふるえていたのかも知れませんよ。

 

(↓)ジャップドットコム(Ⓒ西部邁)はゼーツメーツすべきで〜しょうか〜? というわけで、この4冊をどうぞ。 

『対論 「炎上」日本のメカニズム』帯付き書影

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ではでは♬(^_^)♬