1968年、アメリカで
「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」(生ける死者たちの夜)という映画がつくられます。
監督はこれがデビュー作となったジョージ・A・ロメロ。
カルト・ムービーとして大ヒットした本作こそ、
現在のゾンビ映画の礎となりました。
「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」以前に、
ゾンビ映画がなかったわけではありません。
「ホワイト・ゾンビ」とか
「私はゾンビと歩いた」とか
「吸血ゾンビ」といった作品がつくられていました。
しかしそれらの映画のゾンビは、
たんに「甦った死人」というだけの存在。
「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」が偉大だったのは
以下の設定を導入した点にあります。
1)ゾンビは人間を襲って食べる。
2)ゾンビに噛まれた者は、やがてゾンビになる。
3)ゆえにゾンビは増える一方である。
ロメロ監督は1978年、
シリーズ第二弾となる「ゾンビ」(原題「死者たちの夜明け」)を発表。
これは前作を上回るヒットとなり、
ゾンビ映画というジャンルを完全に確立しました。
とくにイタリアでは
オリジナルのゾンビ映画が大量につくられています。
しかるに。
最近、インターネットで面白い記事を見つけました。
ゾンビ・パニックが本当に発生したらどうなるか、
アメリカはコーネル大学の研究チームが
真面目なシミュレーションを行ったというのです!
条件設定は以下の通り。
1)ゾンビに1回噛まれた者は、80%の確率でゾンビになる。
2)人間がゾンビを殺すペースより、ゾンビが人間を襲う(=感染が広まる)ペースの方が25%速い。
3)パニック発生直後、主要交通網は封鎖される。よってゾンビが飛行機や鉄道に乗って移動することはなく、つねに歩いて移動する。
この条件のもと、アメリカでゾンビ・パニックが発生するどうなるか?
まずニューヨーク、ボストン、ワシントンDCといった大都市は
1日でゾンビに制圧されるそうです。
ただし人口密集地を離れるとゾンビ感染のペースは落ちる。
したがって、まずは都市部を離れることが重要となります。
とはいえ1ヶ月で、アメリカの半分以上にゾンビが到達。
4ヶ月もたつと、国土のほとんどがゾンビに支配されてしまいます。
ただしそれでも、ロッキー山脈はまだ(比較的)大丈夫なのだとか。
ゾンビが現れたらロッキーに逃げろ!
これが結論とのことでした。
ならば日本の場合はどうか?
これは明日、取り上げます。
なおロメロ監督のゾンビ映画シリーズについては、
2008年の評論集「夢見られた近代」
(NTT出版)に収録された
「アメリカの終わりなき滅亡」という評論で論じました。
よろしければ、ぜひご覧下さい。
ではでは♬(^_^)♬