頭に「超」がつくくらい
遅ればせではありますが、
ついに、
ようやく、
「シン・ゴジラ」を観てきました。
ご存じかもしれませんが
ゴジラとは
ちょっとばかりご縁があります。
(↑)この本のタイトルから「災」を取ると、シン・ゴジラになることに注意。
とまあ、こんな感じ。
ちなみに「ゴジラとヤマトとぼくらの民主主義」は
来年でなんと刊行25年となりますが、
ポップカルチャー、
とくに空想性の強い作品を題材とした政治や社会の分析を
わが国で初めて体系的に行った本だと思います。
はたせるかな、
「シン・ゴジラ」についても
この作品を題材とした討論をやりたいから出てくれという依頼が
おなじみ、チャンネル桜より来ました。
藤井聡さんも参加するというので
今から楽しみにしているのですが、
肝心の映画を観ていなくては始まらない。
というわけで、重い腰をあげて観てきたのですが・・・
作品の印象は
正直、うーむという感じです。
力作なのは間違いないし、
目を見張るような映像もいくつかあった。
しかし、
映画として根本のところで破綻しているのではないか?
という疑問がぬぐえないのです。
そもそもこれは映画として成立していない、
「映画以前」の代物ではないのか?
としてもいいでしょう。
詳しい主張は
きたる討論収録まで温めておくつもりなので
ここではまだ書きません。
ただしひとつ言っておきましょう。
この映画で「現在の日本」を最も良く反映しているのは
対米従属の視点を盛り込んだストーリーラインなどではなく、
全編にわたって洪水のように出てくる字幕テロップである、と。
なぜか。
映画の内容を理解するうえでは
あのテロップは100%不必要だからです。
実際、私は最初の1〜2分でテロップに辟易し、
あとはずっと無視して観ていましたが
それでも何ら不明な点はありませんでした。
律儀にテロップを読もうとすると
かえって分からなくなるんじゃないでしょうかね。
何せ多すぎますから。
ならば、なぜあんなにもしつこくテロップが出てくるのか?
ここに「シン・ゴジラ」を読み解くカギがありそうです。
ではでは♬(^_^)♬
(↓)藤井さんの感想も、ぜひ聞いてみたいところです。
5 comments
ホワホ says:
9月 22, 2016
庵野氏の作品は「解っている人特有の解って無さ」がどうもチラつく印象です
手堅い作りの上に、別に無くても良い隠し味がトッピングされた料理のような
SATOKENJI says:
9月 22, 2016
今回は解りすぎていたのかも知れませんね。
隠し味が「隠し」でなくなったというか、
「別に無くても良い」領域を通り越して
「無いほうが良い」領域か、
「あってはならない」領域まで突入したように思います。
青 says:
9月 23, 2016
あの西部ゼミナールの一件から僕の中でゴジラといえば佐藤先生、佐藤先生といえばゴジラという強い結びつきを感じていましたので、やっと感想が聞けるということで楽しみです。
チャンネル桜でもおなじみの前田さんが90点をつけたそうですが、僕も90点くらいかなーという感じです。
面白いのが前田さんは庵野監督お馴染みの明朝体テロップを褒めてるのに対して佐藤先生は違和感を覚えているところがなかなか興味深いですね。
僕は最初から読む気がなかったからなのか、佐藤先生や前田さんのようにポジティブなほうにもネガティブなほうにもひっかからなかったです。
エヴァでもトップをねらえでも使ってたなーくらいの感じです。
僕がシンゴジラを見て気になったのは、主人公が日本はスクラップ&ビルドで成長してきたという台詞ですね。正しい台詞は忘れましたがこのような事を終盤で言ったと思います。
確かに世界屈指の災害大国ですから、あの台詞にもなるほどと思うところはあります。しかしスクラップ&ビルドを良いことのように言ってのけてしまうとスクラップすること、つまり構造改革、規制緩和、TPP、その他が良いことになってしまいそうで怖いと思いました。
ゴジラ討論楽しみにしています。
玉田泰 says:
9月 28, 2016
成る程、テロップがうるさかったのですか。庵野作品は確かに情報過多ですね。
でもあえていうなら、エヴァでのしつこい程の作戦中のアナウンスは、臨場感を出すために聞き流される類いのモノだと思います。例えて言うならTVでの災害報道や開票速報などに流れる、関係者や地域の人限定の情報のようなモノなのではないでしょうか。
殆どの人には関係ない、でも一部の人には切実な情報。勿論、ゴジラ映画に切実な人などいませんが、それを匂わせる演出。
読み飛ばされる前提で、映画の雰囲気づくりのために流されたテロップなのでは?
SATOKENJI says:
9月 28, 2016
要はそういうことなのでしょうが・・・
映画において、臨場感は映像で出すものです。
映像を文字で覆い尽くすことによって出そうとするのは邪道です。