ハリウッド版「ゴジラ」には

ジャンジーラ原発のスタッフとして

ケンジ君という

どこかで聞いたような名前の人物が登場したわけですが。

 

彼には先輩がいます。

クラキ・シンジさん。

 

デイヴィッド・クローネンバーグ監督が1982年に発表した

『ビデオドローム』

という映画に出てきました。

 

この作品の主人公マックス・レンは

カナダのトロントにあるケーブルテレビ局「シビックTV」の社長。

 

「シビックTV」はアダルト局。

ソフトコアからハードコアまで、各種ポルノ映像を有料で提供しています。

 

そんなマックスがある日発見するのが

「ビデオドローム」というSM映像。

 

しかしビデオドローム、

観た者を幻覚世界へと誘い込み、

さらには脳の構造まで変えてしまう効果を持った

恐怖のビデオ映像だった・・・という話。

 

後半、展開がワケワカになりすぎるきらいがあり

完成度はイマイチだと思いますが、

エグいアイディアを通じて哲学的なテーマを探求する

クローネンバーグの個性がよくあらわれた作品です。

 

で、映画の冒頭、

「広島ビデオ」(どういうネーミング?)なる制作会社が

マックスのところに売り込みに来る。

 

シンジさんは同社の代表です。

 

しかるにこの名前、

ロス在住の映画ジャーナリスト、

中子真治(なかこ・しんじ)さんにちなんだもの。

 

公開当時、

中子さん自身が某SF映画雑誌で自慢していましたからね。

ビデオドロームのシナリオには、シンジという日本人が出てきます!

 

シンジさんが売り込もうとしたビデオは「サムライ・ドリームズ」。

武家屋敷風のセットの中で

日本人女性が着物を脱ぎ、

少女人形の中に隠してあった張型でどうこう、という代物でした。

 

むろん、クローネンバーグが考えた架空のAVでしょう。

さて、売り込みの結果はと言えば・・・

 

シビックTV上層部には

「東洋のセックスは自然で良い。新しい視聴者がつくんじゃないか」

と面白がる者もいたのですが

マックスは「どうかな?」と疑問を呈します。

 

どうも刺激がなさすぎる。ソフトすぎるんだ。

 

とのこと。

残念でしたね、シンジさん!

 

ではでは♬(^_^)♬