アメリカ大統領選挙の第三回討論会が
19日の晩(現地時間)に行われました。
第一回、第二回につづいて
ネットで全編見ましたが、
!!!非難合戦最高潮!!! という感じです。
トランプはもちろん、クリントンまでもが
司会者が問いかけてくる論点をほとんど無視して
自分に都合のいい主張か
相手側の悪口をぶちまくるありさま。
ロシアがトランプ有利になるよう
選挙に介入しているのではないかという話題になったときなど
プーチンがあんたのことを評価するのは
要するに操り人形がほしいからよ!!(クリントン)
何言ってやがる、操り人形はおまえの方だ!!(トランプ)
と、
ほとんど小学生レベルのやりとりまで見られました。
それでも討論をどうにか進行させた
司会者クリス・ワラス氏の忍耐と努力に、
心から敬意を表したいと思います。
さて。
私が見たところ、
今回はトランプもかなり健闘していました。
しかし例によって、
肝心なところでヤバい発言をしてしまう。
選挙結果を(たとえ自分が負けても)受け入れるかと聞かれて、
その判断は保留する。
フタを開けてのお楽しみだ。
と、言っちゃったのです。
すでにトランプは
今回の選挙では自分を落とそうとする不正が行われている
と主張していますから、
これは要するに
大統領選挙は八百長だとほのめかしたにひとしい。
そして大統領選挙が八百長だとほのめかすのは
アメリカの民主主義などインチキだと主張するようなもの。
クリントンを推している民主党のみならず、
トランプを推している(はずの)共和党からも、
批判が相次いだのは当然の結果でしょう。
どうにか勝とうとするあまり
かえって自分の首を絞めている印象ですが・・・
なぜトランプはこんなことを言っちゃったんでしょうかね?
討論会の段階ではとりあえず
むろん、どんな結果でも私は潔く受け入れるし、
よしんばヒラリーであろうと勝てば祝福する。
それが民主主義のルールであり、
アメリカの偉大さの源泉なのだ。
とか何とかカッコいいことを言っておいて、
開票で負けが確定したあと
私はどんな結果でも受け入れると言った。
しかしそれは、選挙が公正に行われていればの話だ。
クリントン陣営は不正を行った。
民主主義のルールを踏みにじり、
アメリカの偉大さに泥を塗ったのはヒラリーなのだ!!
とか騒げばいいじゃないですか。
オオカミ少年と同じで、
投票前からあんな態度を取ったら
かりにクリントン陣営が本当に不正を行ったとしても
どうせ負け惜しみだろうと、
みんな信用しなくなりまっせ。
あれじゃ、
オレが勝つという結果だけが公正な結果で、あとはすべて不正
と言っているようなものですからね。
裏を返せば、
討論会の席でああいうことを口走ってしまうトランプは
意外にお人好しなのではないか。
実際、今回の討論会を見ていて気づいたことがあります。
CBSテレビに限らず
討論会をめぐる動画のほとんど(※)は
画面を二つに分割して
両候補の表情をとらえつづけるようになっている。
(※)ただし一部には、壇上の全景を映しつづけるものもあります。
しかるにですな。
クリントンの様子をうかがうトランプの目と
トランプの様子をうかがうクリントンの目を比べると
文句なしにクリントンの目の方が冷たいんですよ。
討論会の終わり近く、
社会保障の財源をめぐってヒラリーが発言しているとき
トランプは
まったく底意地の悪い女だ
と野次りましたが、
思わず納得させられるほど。
ただしこれは、
ヒラリー・クリントンへの批判ではありません。
底意地が悪いくらいでなければ
一国の指導者など務まるはずがないのです。
ましてアメリカ大統領は
核のボタンを握っているのですぞ。
ついでにヒラリーは
内心で何を思っていようと
公人としてにこやかに振る舞うテクニックを身につけている。
自分の感情をコントロールできず、
ヒステリックな失言をやらかすトランプとは対照的です。
自制心のないお人好しよりも、にこやかな底意地悪さを!!
というわけで今回の大統領選は
やはりヒラリー推しとならざるをえません。
ではでは♬(^_^)♬
11 comments
たろう says:
10月 24, 2016
自制心のないお人よしのトランプの方が、日本にとっては組みやすいと思うのですが?
個人的にはヒラリーは中国を叩く振りして日本をめった刺しするサイコだと思います。
夜更かし says:
10月 24, 2016
討論会の直前に民主党の不正投票の告発動画が注目されていた文脈があるんです。
ネットジャーナリストのJames O’KeefeがYoutubeに投稿したもので、
内容は、ヒラリーの関知のもと、トランプ陣営に暴力を誘発させる人員を送り込んだとか、
法的にID提示を求める事が出来ない投票所を回って組織的に連投を行ったというものです。
公式動画だけで1日で400万PVに達し、全世界で1位のトレンド動画になりました。
動画の中で手口をべらべらと喋っているところを隠し撮りされたBob CreamerはDNCを即刻辞任しましたが、
この事をCNNやABCといった大手メディアは真面目に報道しませんでした。
トランプが選挙の不正を訴えた背景はこの一件に注目してもらうためのものです。
それを受けて討論会の後の大手メディアは、James O’Keefeが過去に別件でトランプ側から10万ドルの支援を受けていた事実をもって動画の信用性を毀損しようとする報道を始めています。
選対委員長John Podestaのメールをハッキングして順次リークしているwikileaksの件についても、
報道価値のある内容はいくつも見つかっているにも関わらずメディアから無視されており、
ついに先週から在英ウクライナ大使館に籠城していたジュリアン・アサンジが音信不通となりました。
複数の関係者がイギリス当局の圧力によってネットワークが切断されたと説明しています。
CNN上でChris Collins議員がwikileaksが暴露したヒラリー陣営の悪事について触れた瞬間に衛星中継が切断されてカラーバーに切り替わるというコントみたいな出来事もありました。
他にも同様の細かい事案が累積した結果、連邦を股がる大手メディアとネット・地域コミュニティとの間に情報の断絶が発生しており、それが互いを敵対させているのが現状です。
社会主義的ファシズムを揶揄した1984っぽい状況が現代アメリカで顕現するのも面白いですが(テリー・ギリアムもブラジル→ゼロの定理の間で矛先を変えてましたね)
もっと面白いのは、従来に比べて「あるとは思ってたけど建前上無視していた社会の汚さ」を短絡的に暴露しまくる事が可能な社会になった事で、
例えヒラリーが勝っても、もう「理性的で大人な」メディアや選挙、政党に対する不信が回復できない状態に陥ってしまった事です。
日本でも似たような事のミニスケール版が2009年の選挙を前後して起こりましたが、中国韓国のおかげで権威に基づく社会の完膚なき分裂を免れたような印象があります。
しかし今回のネット草の根側は「外敵」役であるはずのロシアに非常に友好的・同情的です。
マゼラン星人二代目 says:
10月 24, 2016
>自制心のないお人好しよりも、にこやかな底意地悪さを!!
そういうオーソドックスな一種の正論に人々が耳を貸さなくなってきた。はじめからわかっていたこと。
だからこそ、サンダースでありトランプなわけで、これはいよいよヤバい、という話だったはず。
Guy Fawkes says:
10月 24, 2016
選挙戦、残り2週間でここまで非難に臆しているのを見るとあれだけ暴言をぶちまけていた人もどこか小さく見えてしまいますね。
仰る様にお人好しというのは本当なのかも…憐れMr.トランプ。
私的な懸案事項として、Mrs.クリントンの健康が危ぶまれますね。
噂によるとパーキンソン病の疑いもかかっていると聞きますが…果たして真偽のほどは如何に。
https://m.youtube.com/watch?v=xXlHfA-y6Gs&ebc=ANyPxKqfyiFflbrXQflRVplSkm5IKdl_1Cqr25PC7A_QkSPV-5ZGPvf3S-cDaW-b3z9P-tR8KnvcblzqELxpstyDDJStZPxpIg
Hillary Clinton MOCKS Parkinson’s Disease at Interview
https://m.youtube.com/watch?v=8xezBbim1Ec&ebc=ANyPxKqfyiFflbrXQflRVplSkm5IKdl_1Cqr25PC7A_QkSPV-5ZGPvf3S-cDaW-b3z9P-tR8KnvcblzqELxpstyDDJStZPxpIg
Video Show Hillary Clinton Fainting, Abruptly Leaving 9-11 Memorial
「ついでにヒラリーは内心で何を思っていようと公人としてにこやかに振る舞うテクニックを身につけている。」
監督:バラク・オバマ 後援:トランプ・オーガナイゼーション 主題歌:「Fine On The Outside(うわべだけは元気そうに)」
映画『思い出のヒラリー』 2017年1月20日公開予定
杞憂であっていただきたいものですね…
TOMAS says:
10月 24, 2016
私も異なる観点から、ヒラリー・クリントン推しに賛成です。
国益から言えば、トランプが大統領になる方がヒラリーよりも国益でしょう。何故なら、トランプが大統領であれば、アメリカの日本に対する軍事費削減などの対日圧力を強める事によって、日本から対米従属を否定しようとする動きが生まれ、保守派が現実に後押しされる形で躍動する可能性は高くなるからです(外圧によって日本人の意識を変えるという伝統手法です)。
但し、これは日本国内が纏まっている状態であればこその話。ヒラリーであれば大勢は変わらないと思われる以上、大きな物語を共有していないガラパゴス状態の日本であれば、現状ヒラリーの方が国益だと思えますね。
自民党草案に基づくと仮定した憲法改正もこれにより穏便に進むと思われます。天皇を元首とし、自衛隊の足枷をとることで、少しは国らしくなるでしょうが、日本の意地もここまで。戦後七十年のツケをこれから払っていくことになるのでしょう。アメリカ化し、流れに逆らえず中国化し、そのままズルズルと朝鮮化し、そしてもう一度日本になる。さて、そこまで日本は存続出来るか!?此が論点です。
敗戦時、天皇は日本が復興するのに100年かかると述べたそうです。となると、あと30年は属国状態を免れないのかもしれませんね。天皇の生前退位も此を見越しての事かもしれません。いやはや摩訶不思議な時代に生まれたものだ(/\)\(^o^)/。
マシマロ says:
10月 24, 2016
生前退位 → 譲位ですね。
ヒラリーが既に180度変えたTPPに纏わる発言を、今度はどれくらい修正するでしょうかね。
いずれにせよ、おおよそ4割はトランプ支持なわけで、ヒラリーがTPP賛成などと言い出せば、ヒラリーは嘘つき!の合唱が米国各地で聴けそうです。
TOMAS says:
10月 25, 2016
「生前退位」か「譲位」か、この言葉の使い方については議論が分かれる点ですので、少なくとも自身(仮に偉い先生方の意見の受け売りであっても)の主張には一定の留保条件をつけた方がいいと思いますよ(^-^)。いえいえ、次からで構いません(^.^)。
マシマロ says:
10月 26, 2016
だとすれば、あなた”は”生前退位とのみ記すことは避けた方がよろしいかと思います。
私の場合、日本語として不敬である表現として「生前退位」を捉えていますので、譲位のみ使用させて頂きます。
誰の受け売りか知りませんけどね。
それから、あなたの国益という定義も曖昧です。
何故、ヒラリーであれば国益に叶うのか。
国益と一言でいっても、議論が分かれる点ですから。
現にTPP一つとっても、賛否問わず、国益のためにと主張していますでしょう?
TOMAS says:
10月 27, 2016
何故、たかだか佐藤さんの日記の一コメントにその様な内容で噛みついてくるのか、正直理解に苦しむのですが^^;。好意的に考えようと思っても、私の世界が変わるような建設的な批判にも思えませんし…。あなたの目的がよく解りませんが、「生前退位」の箇所だけ仕方ないのでお応えしましょう。
天皇家を制度論として見るならば、「生前退位」という言葉で構わないでしょう。ですので、その様に使いました。それだけの事です(((^_^;)。
以上、発展性のないつまらないレスになってしまいました。
ホワホ says:
10月 26, 2016
まぁ、悲しい事に誰が相手でも
こっちには磐石の売国体勢があるので
関係無いのですがね()
そう、「誰が」相手でもです
玉田泰 says:
11月 3, 2016
何か今回の大統領選はどちらがよりふさわしくないかを争う究極の選択ですね(笑)んー、悩ましい。
両候補は必死のようですが、周りは白けているのかなと思いました。
でも、ニュースを見る限り一般人もヒートアップしている様子。四年に一度のお祭りを楽しんでいるのでしょうか?
白けていないのが問題だとも思います。
白けたら日本のようになってしまうのかな?