われらが安倍総理は
ドナルド・トランプがアメリカ大統領選挙に勝利したと知るや、
他国の指導者に先駆けてトランプ・タワーに参上、
次期大統領と会ってきました。
したたかな外交手腕と言うべきであります。
ただし会談の翌週、
トランプはTPP離脱の方針が変わらないことを宣言、
無防備主義Ⓒ、もとへ自由貿易を重視する視点からTPPにこだわる
総理のメンツをみごとにつぶしました。
したたかにハズしたと言わねばなりません。
最初の段落と二番目の段落とでは
「したたか」の意味が違っていることにお気づきでしょうか。
ただしどちらも、
この言葉の正しい用法であります。
しかるに問題は
したたかにハズすことのほうが
日本外交のパターンになっていると思われること。
こちらをどうぞ。
政府、日韓合意への影響懸念=3カ国会談開催も厳しく
韓国の朴槿恵大統領が任期満了前の退陣を表明したことを受け、
日本政府内では昨年末の慰安婦問題に関する合意などへの影響を懸念する声が広がった。
韓国の国内世論の反発が残る中、後継政権が合意を覆す可能性も否めないためだ。
朴政権と交わした日韓合意に基づき、
元慰安婦へ現金を支給する事業は既に始まっているが、
韓国の野党や民間団体は合意の白紙化などを要求している。
韓国側が「努力する」と約束した日本大使館前の少女像の撤去も進んでいない。
政府関係者は「合意がご破算になるかもしれない」との見方を示した。
昨年末の日韓合意は
慰安婦問題に終止符を打つものと謳われましたが
軍の関与を認めたうえ、
日本政府は責任を痛感しているとも述べたもの。
しかも政府はこの合意によって
慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認し、
今後、国際社会において
同問題をめぐる批判や非難は控えると表明しました。
いいかえれば慰安婦問題について、
軍の関与があったという認識や
日本政府に責任があるという認識も
最終的かつ不可逆的に確立されてしまい、
否定することはできなくなったわけです。
早い話、これまた
したたかな外交手腕を発揮するつもりで
したたかにハズしてしまった合意なのですが、
今度は元慰安婦への現金支給が始まったあとで
ご破算になるかも知れないとくる。
それはまあ、
合意が白紙撤回されれば
軍の関与があったという認識や
日本政府に責任があるという認識について
あらためて否定することも
理屈の上では可能になりますよ。
国際社会でこの問題をめぐり、
韓国に批判や批判を加えても良いことになるでしょう。
しかし問題は、
例の国政壟断事件、通称「崔順実ゲート」によって
レームダックどころか植物大統領と化し
早期退陣する以外に手のなくなった朴槿恵と違って
われらが安倍総理は支持率も高く
自民党総裁任期の延長によって
たぶん2021年まで政権を担当する可能性が高いこと。
要するに
「最終的かつ不可逆的」なものとして提示してしまった認識を
くつがえす理由がどこにもないのです。
現に岸田文雄外相は11月29日、日韓合意について
「両政府が合意内容を誠実に履行することに尽きる」と強調しました。
そして「合意内容を誠実に履行する」には
軍の関与や日本政府の責任について
日本側が認めることも含まれます。
韓国側が合意をくつがえしたからといって
日本側も合意内容を撤回などしたら最後、
慰安婦問題を永遠に取り上げつづけてよいというお墨付きを
向こうに与えてしまったも同然じゃないですか。
となると、
よしんば韓国側が合意をくつがえそうと
日本側は「合意内容を誠実に履行する」しかない!
!!!!\(◎o◎)/いったいそれは、どういう外交だ?!\(◎o◎)/!!!!
こう言っては何ですが、
ロシアとの北方領土交渉についても
したたかな外交手腕を発揮するつもりで
したたかにハズす結末が待っている気がしてなりません。
ではでは♬(^_^)♬
(↓)だからこの本の題名はシャレにならないというのですよ。
9 comments
ホワホ says:
12月 2, 2016
しったかめったか!
てなもんですな
kazu says:
12月 2, 2016
おはようございます。
こういうご指摘や、昨日来のグダグダなカジノ法案審議、安倍総理の答弁なんかを聞いていて、この人たちは正気なんだろうか?と感じてしまいます。
が、同じように感じている人でさえ、安倍総理を批判すると「替わりがいないからしょうがない」という回答が多くのケースで返ってきます。
どうしたらいいのでしょうね。
tinman says:
12月 2, 2016
ふつう、痛みを知れば無防備ではいられないものですが、
総理は生きるのが辛すぎて、もう痛みを感じられなくなっているのかも。
それでも恐怖や義務感(強迫観念)は人並み以上に強く残っているので、
他人に傷つけられる前に自分から先手を打ったつもりで、
自縄自縛と自傷自爆を繰り返しているように見えます。
まるで虐待された子どものようです。
見捨てられ不安を抱えている。
あるいは自分の痛みを理解してほしい、非行少女でしょうか。
アメリカではこういうのを「エモ」と言うのかもしれませんが。
ヒトラーに被虐待歴があったことを思うと、他人事ではありませんね。
tinman says:
12月 2, 2016
「戦後脱却で日本は右傾化して属国化する」に倣えば、
痛みをクソとして無視しているとも言えます。
「逆説の十か条キッチュ」ですね。
麻生太郎氏はこんなつもりじゃなかったと思いますが。
マシマロ says:
12月 3, 2016
~以外にいない、代わりがいない、と主張する連中にとってはいないんでしょうけどね。
変わりなんていくらでも出てきますよ。あの代わりくらいならその辺に一杯いますから。
問題は代わりがいるいないではなく、何をすべきなのかすべきでないのか。
もしすべきでないことをするのであれば、誰であろうとその責任を突き付けなければならないのではないでしょうか。
代わりがいないからという理由で支持し続けようと、間違った政策を実行するのであれば、結果は変わらないのではないでしょうか。
その間違いをしっかり指摘し続け、そしてその結果不支持が増え政権が終わろうと、その時にしっかりと「何が違っていたのか」を総括できる俎上があれば、寧ろ、より間違いの少ない代わりは出てくるのではないでしょうか。
今、代わりがいないからと、その程度の浅はかな理由で支持をし続けるのであれば、代わりなど出てくるはずもない。
何が間違いなのかという議論はそっちのけで、総括もできずに、ひたすら何でもありの状態で容認していくのですから。それではおそらく道理もないご都合主義でくだらない改革物語の続編を観続けるだけだと思います。
現政権が一体何をやったのか、やっているのか。そして、代わりがいないからなどと擁護するほどのものなのか、
冷静に熱狂的にならずに把握すべきであると思います。
最近特に思うのですが、政治家に熱狂してはいけない、熱狂することが間違いの原因であると。
TOMAS says:
12月 3, 2016
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161201-00000092-sasahi-int
SATOKENJI says:
12月 4, 2016
URLを見ただけで記事の見当がつきました(笑)
TOMAS says:
12月 4, 2016
そうですか…。
玉田泰 says:
12月 11, 2016
韓国にはどれだけ痛い目にあったら日本(人)は目を覚ますのでしょうか。日韓合意は、日本はバカ正直で韓国がしたたかと言うものでしょう。
北方領土交渉においてもしたたかなのはロシアで、日本はバカ正直に「話せば分かる」ってお話になるのでは?
バカ正直と言う「道徳」は外交には通用しないのに。