宮崎駿・高畑勲の
両巨匠を擁することで有名なスタジオジブリですが、
昨年の「風立ちぬ」で
宮崎監督が引退したのを受けて、
製作部門をいったん解体する方針であることが
明らかになりました。
来るべきものが来てしまった、
という感じですね。
もちろん、スタジオジブリそのものがなくなるわけではありませんよ。
これまで作った映画、
および関連商品の版権管理は続けるし、
井の頭公園にある「ジブリ美術館」だって
べつに閉館することはありません。
しかし、であります。
今回、製作部門を解体する方針を発表した
鈴木敏夫プロデューサーは、
1995年の特集本「宮崎駿、高畑勲とスタジオジブリのアニメーションたち」で
こう語っていたのです。
いわゆる作品と
会社と
どっちが大事かっていったら、
やっぱり作品だな、と。
作品を作らなくなったら
会社が存続してもしょうがないわけで。
(52ページ)
その鈴木さんが、
作品をつくらずに会社を存続させる道を選んだ。
ふつうに考えれば、これはやはり
スタジオジブリの終わりなのです。
なるほど、鈴木さんは
新作の製作を完全に断念する
とは言っていません。
「小休止」という表現を使っています。
けれども製作部門解体とは、
常駐スタッフがいなくなることを意味する。
これでクオリティを維持するのは無理です。
スタジオジブリの歴史が、その何よりの証拠。
同社は1985年、
「天空の城ラピュタ」(傑作!)をつくるために設立されたスタジオ(※)ですが、
はじめのうちは
映画をつくることになったらスタッフを集め、
完成したら解散
というスタイルを取っていました。
(※)1984年の「風の谷のナウシカ」は
ジブリ作品のように思われていますが、
実際には「トップクラフト」というスタジオで製作されたものです。
それが常駐スタッフを置くようになったのは、
いつのことか。
そして、なぜか。
この話、明日も続きます。
ではでは♬(^_^)♬
3 comments
3丁目のタマ says:
8月 7, 2014
スタジオジブリのキャラクターは白人モデルが多いと思います。
目と眉が近い・胴が短い・足が長い等。
いつか社長から「スタジオジブリも戦後レジームの一部であります」と言われるかも。
フルート says:
8月 7, 2014
ラピュタのオープニング、画面にぎりぎり何とか納まる位の超巨大な風車が風を貰って、下の歯車を動かして、この風が本当の動力かどうかはちょっと定かではないのですがその直後、地下深くへと回転しながら進んでいく掘削機(?)みたいなカットがあるじゃないですか、あれって空を飛びたくなった人間が、石炭と飛行石を求めて、逆に下へ下へともぐらのように掘り進んじゃうという、何か上と下の視点のぶつかり合いみたいなものを感じて、結局作中で一番涙が溜まるシーンだったりします。
風立ちぬも前半はすごく良かったですよね。宮崎駿監督の上と下への視点の動かし方、天才にしかできない表現だと思います。でも、ストーリーの辻褄は・・やっぱりだんだん苦しくなっちゃうんですよね・・。
manakichi says:
8月 8, 2014
常駐スタッフを置くようになったのは、おそらく、派遣社員の問題に直結してるんじゃないですかね。
創造性は安定の上に成り立つと仮定すると、おそらく、作品の度に社員を雇用し解雇してたら、その安定基盤は培えないので、結果、創造性を活かす現場がそれを活かせない現場になってしまう。付言すれば、忠誠心とかもその安定基盤から育まれる大事な要素ですね。