アマゾンにおける

「表現者」の扱いが

あまりに面白かったので

ついつい、陰謀論めいた憶測を展開してしまいました。

 

もっとも、

どこかの社長さんによれば

陰謀論を嗤う者は

反日工作員の可能性が高い

とのこと。

 

というわけで

謎の中国系アメリカ人・黎夢諾はともかく、

私が反日工作員でないことは、

ここ数日の記事で証明されたと思います。

 

しかし今日は

やはり反日工作員だったのか?

と疑われるのを覚悟で

陰謀論への言及をやめて、

「表現者」56号について、真面目にご紹介しましょう。

 

今号の特集は「滅びを覚悟で戦う〜国防の意志を高めよ」。

「集団的自衛権とは何か」と

「大東亜戦争とは何だったのか」という

二つの座談会(後者は「西部邁ゼミナール」の採録)が

柱になっています。

 

どの論考も充実していますが

とくに印象に残ったのは

畏友・中野剛志さんの「もはやこれまで 恥知らずの代償」

三浦小太郎さんの「『勇気!』と叫んで撃たれた文学者」。

 

前者は元外交官・岡崎久彦さんへの徹底した批判です。

 

岡崎さんは戦後日本の論壇に

「(国家)戦略」という言葉を復権させた功労者ですが

今や

アメリカ以外に協調すべき国はない。

アメリカは強いのだから対米協調せよ、

ただし、アメリカが弱かったとしても対米協調せよ

という

唯米主義とも形容すべき立場に陥っているとのこと。

 

まあ、

安倍以外に支持すべき政治家はない。

安倍は正しいのだから支持せよ、

ただし、安倍が間違っていたとしても支持せよ

という

唯安倍主義とも形容すべき立場が見られる昨今ですので

岡崎さん一人の問題ではないかも知れませんが。

 

他方、後者は第二次大戦中のフランスで

対独協力の立場を取り

1945年に銃殺された作家

ロベール・ブラジヤックをめぐるエッセイ。

 

20世紀フランスを代表する劇作家に

ジャン・アヌイという人がいますが、

彼はブラジヤックの友人でした。

 

むろんアヌイは、ブラジヤックの処刑に激しく反対。

 

アヌイの芝居は

「社会的抑圧への徹底した抵抗や拒否をモチーフとして

人間の自由を描く」

という特徴を持っていますが、

ブラジヤックの処刑以後、

これに「政治的不寛容への嫌悪」が加わったと言われます。

 

ジャンヌ・ダルクの生涯を描いた「ひばり」や、

親友だった国王に殺される僧正トマス・ベケットの悲劇を描いた

「ベケット、または神の名誉」といった傑作戯曲にも

ブラジヤックの死が影響しているのかも知れません。

 

ちなみに私のエッセイは

「ホドロフスキーとバリアフリー」。

本ブログでも取り上げた

アレハンドロ・ホドロフスキー監督の障害者観について、

最新作『リアリティのダンス』を中心に

より詳しく論じました。

 

みなさん、ぜひご覧下さい!

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ではでは♬(^_^)♬