ノストラダムスの予言詩集、

日本では「諸世紀」として知られています。

五島勉先生によれば、原題は「レ・シエクル」。

 

ただしこの詩集、原題は「レ・サンチュリ」だという説のほうが有力。

こちらだと「諸世紀」ではなく

たんに「百詩編集」という意味なんですね。

 

となると「諸世紀」なる日本語題は必ずしも正しくないことになるものの、

収録された詩編が予言であることは

「レ・サンチュリ」派も認めている模様。

ならばやはり、「諸世紀」と呼びたくなるところです。

 

「諸世紀」は全12巻。

各巻に予言詩が百編ずつ収められています。

ただし五島先生によると、

11巻と12巻の詩は、散逸してしまい(ほとんど)残っていないのだとか。

 

ところが、であります。

悪友の中国系アメリカ人・黎夢諾が、とんでもない情報を提供してきました。

いわく、

「諸世紀」の13巻とされるものがあるのを知っているか?

 

13巻!

私の背筋を冷たい戦慄が走った。

ご存知の通り、西洋で13は不吉な数。

世界の行く末を見通した「諸世紀」に、知られざる13巻があるとしたら、

そこにはいかなる恐るべき未来像が隠されているのだろうか。

ノストラダムスの偉大な予知力は、

不吉な13巻においてこそ、最大限に発揮されているはずだ。

そこに収められた詩を知ることができれば、日本と世界が、あなたと私がこれからどうなるか、

ことごとく解明することもできるだろう。

1999年に破滅が訪れなかった理由すら、あるいは解明されるかも知れない。

ふるえる声で、私はたずねた。

「本当か、それは本当なのか?!」

 

・・・五島先生なら、こんなふうに書くところでしょうね。

なにせ「ノストラダムスの大予言」でブレイクする前に、

007の影響をモロに受けた(としか思えない)スパイ小説

「危機の数は13」をお書きになっているくらいです(ホント)。

 

というわけで 、真偽定かならぬ「諸世紀」13巻から

この詩をご紹介しましょう。

13巻の8です。

 

東の巨大な竜が、めざめて暴れ出すとき

病み上がりの王子が日の国に戻ってくる

彼は古い王朝を変えようとするが

大鷲(おおわし)の羽ばたきに邪魔されるだろう

 

これを一読したとき、私はあらためて

ノストラダムスの偉大さに打たれないわけにはいかなかった。

なぜならこの詩は、今の日本のあり方を

完全に言い尽くしているからである。

 

「ええ? そんなことないじゃないか。いい加減なことを書くな!」

あなたはそう、おっしゃるかも知れない。

こんな詩、どうとでも解釈できるじゃないか。

今の日本についてのものだと、なぜ断言できるんだ?

 

あなたの疑問はもっともである。

だが、ちょっと待っていただきたい。

私は決して、いい加減に書いているわけではない。

ノストラダムスの詩は、表面的にはたしかに曖昧だが

ちゃんと解釈すれば、疑問の余地のない厳密なビジョンが浮かび上がるのだ。

 

まず一行目。

これはどう見ても、アヘン戦争いらい低迷を続けてきた中国が

アジアの覇者たらんとして動き出すことを指している。

聖書においては、世の終わり近くに「竜」が暴れ出すことになっているので

ノストラダムスも中国には批判的だったのだろう。

 

ならばそのとき「日の国」、つまり日本に戻ってくる王子とは

安倍晋三氏のことでしかありえない。

さりげなく添えられた「病み上がりの」という語句が

ダメ押し的な効果をあげているのは、お分かりいただけると思う。

 

だがノストラダムスの真骨頂は三行目だ。

「古い王朝」には、二つの意味がかけられている。

第一は安倍氏がよく口にする「戦後レジーム」。

フランス革命のとき、ブルボン王朝が「アンシャン・レジーム」と呼ばれたことからも

これは間違いない。

 

しかるに日本はそもそも、

皇室を中心として長い歴史を持つ国ではないか。

つまり「古い王朝」は、戦後レジームだけではなく、日本の歴史や伝統も指していると見るべきだ。

 

いいかえれば、病み上がりの王子が「古い王朝」を変えようとするとは、

安倍氏が戦後レジームからの脱却をめざす一方で、

規制緩和や改革の推進によって、日本の歴史や伝統も変えてしまうことの予知なのである。

 

けれどもそれが、大鷲の羽ばたきに邪魔される!

ノストラダムスの詩において、鷲はつねにアメリカの暗示だ。

すなわち安倍氏にとっての最大の脅威は、

国力の衰えに悩みつつも、いまだ全世界の支配を夢見るアメリカにほかならない。

 

ここまで来ても、まだノストラダムスがインチキだと言い張る人は、

この詩について、もっと別の、もっと説得力ある解釈を示してほしい。

地図を広げれば明らかだが、あなたも私も、竜と鷲の間に挟まれている事実は揺るがないのだ。

 

──今日の記事は、いわゆる「五島節」でお届けしました。

ではでは♬(^_^)♬