チャンネル桜の討論
「日本人として安倍政権に物申す」
いかがでしたか。
出演した立場で言わせてもらえば
まさに500回記念にふさわしい
見応えのある内容だったと思います。
なにせ日本の保守派の大部分は
看板とは裏腹に
じつのところ保守主義とは何か、理解する意思も能力もないことを
みごとに暴露したのですから。
何を根拠にそんなことを?
簡単です。
経路依存性をめぐる議論に反発したからです。
しかも分析の内容にすべて賛成しつつ、ですぞ。
番組でも明言しておきましたが
保守とは経路依存性を尊重することです。
当たり前じゃないですか。
経路とは「長らくやってきたこと」だから経路なのです。
長く続いてきた制度や慣習は
長く続いてきたこと自体に
すでに価値がある。
だから多少の弊害や問題があろうと
軽々しく変えるべきではない。
どうしても変えねばならないときも
変更箇所は最小限にとどめるのが知恵である。
調子に乗って経路を全否定しようとしたりすると
たいがい、前よりずっと深刻な弊害や問題が起きるぞ。
エドマンド・バークによるフランス革命批判は
要するにこの発想に基づいています。
バークの叡智についてはこちらを!
自分のことを保守だと規定している者が
経路依存性を否定したがるなど
認知的不協和のきわみというか
まったくの大笑いと評さねばならない。
ところが、わが国の保守派には
目をつり上げて、この大笑いをやらかさないと気がすまない方々が
多数いらっしゃるのですよ。
何せ「国民運動」をやると言いつつ
自分たちがめざす目標は
国民の多くが願っていることではないと
つい認めてしまうくらいですから。
国民の多くが願っていないことをめざす国民運動!!
これまた大笑いというか、
常識的に考えて
ほぼ確実に挫折を運命づけられたものですが
注目すべきは、かつて急進左翼が
「孤立した前衛だけが世界を変える」と説いたこと。
「日本」や「伝統」を口実、いや旗印にして
国民の多くが願っていないことを
あえて達成しようとする「保守」のみなさんは
世界を変えたがる孤立した前衛と
本当のところ、どれだけ違うか?
何も違わないとしか言いようがないじゃないですか。
はたせるかな、平松禎史さんは次のようにツイート。
特に一時間目がおもしろい。
長く続いているもの(を)良しとする私たちの特質(経路依存性)を自覚せよ、
と佐藤健志さんが主張するのに噛み付く論者の姿こそ今回のテーマだ。
そりゃそうだ。
ついでに、まさしく大笑い。
長く続いているものを良しとする特質への自覚なしに
どうやって歴史や伝統の尊重が可能なのか??
よって、この主張に噛みつかずにはいられない者は
とにかく戦後さえ否定できれば
歴史や伝統など知ったことではない
という極左革命願望の持ち主と見なします。
現状の変更を最小限にとどめることを
「匍匐前進」(←軍事用語を使いたがるのに注意。どうも自国の社会システムを攻撃したいらしい)
などと言っていましたからね。
じゃあ現状の全否定が「突撃」にあたるのかい? ってなもんです。
ほれ、革命願望丸出しでしょうに。
さらにはこんなコメントも。
佐藤さんの主張する事実関係を理解しないと
政権にものを言っても意味がない。
水島さん他、いくら保守をうたっても事実や現状認識が間違っていたら、
つまり前提が間違っていたら議論は間違う。
佐藤さん以外の登壇者は
事実から目をそらしお互いを慰めあっているだけで、
枠組みとしては革新と同じ。
佐藤さんの分析が理解できないのであれば、
政権に物申すなど、あなた方はそのレベルには至っていないということ。
前提を間違えているのは佐藤さん以外の参加者だ。
聞きたくないかもしれないが、
経路やレジームにはまっていると認識がないと言う点、
自分と同じ考えでないと認めない点で、
革新派の議論のタイプと何ら変わらない。
佐藤さんの認識は現在の日本のレジームや政治体制の分析として正確であり、
それを無視して安倍政権に変化を求めても
それはもはや革新派であり、政権は持たなくなる。
保守の前提がこうなのであるからして、絶望的という話はよくわかる。
従って、第三勢力が出てきて、
それを国民が正しく支持する状況でなければ戦後レジームは終わらない。
民主主義が何かが未だにわかってないのではないか。
日本の保守派(の大半)は
保守主義はおろか、民主主義すら満足に理解できないまま
権威主義的ナショナリズムに自己陶酔している点で
権威主義的反ナショナリズムに自己陶酔している
左翼・リベラルと何ら変わらない存在である!!
おっと、言われちゃいましたねえ。
だ・か・ら、
『右の売国、左の亡国』と言うのですよ!!
あ、もっとも。
論理的な根拠もなく反発するからには
水島社長は佐藤健志を嫌っているのではないか?
という推測は当たっていません。
それどころか、まったく真逆。
なにせ今回の討論、
私は当初、スケジュールの関係で参加できるかどうか分からなかったのですよ。
するとチャンネル桜、
私のスケジュールに合わせて収録日程を決めてくれたのです。
本当の話。
ならばなぜ、反発するのか?
番組で言ったことを思い出して下さい。
経路から(多少たりとも)脱却するためには
「脱却せずにいられないところまで追い込まれる」ことが必要になります。
すなわち、本当に経路から脱却したければ
自分を追い込んでくれる存在をこそ、最もありがたい存在として尊重しなければなりません。
よしんば表面的には反発せずにいられないとしても、です。
というわけで、社長との関係はかつてなく良好であると申し上げておきましょう。
それを側面から裏付けるコメントがこちら!
社長が佐藤さんに毎度のように
「じゃあどうするの?」って突っかかるのがよく分からないです。
現状分析が佐藤さんの仕事で
じゃあどうするのかは我々が考えることだと思います。
まったくもって、おっしゃる通り。
それこそ主体的な態度というものです。
いいですか、社長は私の分析内容について
すべて賛成だと認めているのですぞ。
そして社長は、いかに国民が願っていない目標を掲げているとはいえ
国民運動のリーダーとしての行動実績がある。
的確な分析を得たら、それをどう実践に応用するかくらい
当然、ご自分で考えつくことができるはずだし、
考えつくべきではありませんか。
ゆえに「じゃあどうするの?」なんて
主体性を放棄したことを言うのは本来おかしいのです。
ひょっとして思考停止に陥っているのか、
そう疑われても抗弁できないでしょうに。
だいたい、
かりに私が「じゃあどうするの?」にたいして
文句のつけようがない返答をしたら、
一体どうするのか。
まさか、私の方針に盲従するつもりじゃないでしょうな?!
裏を返せば
「じゃあどうするの?」
というおなじみの発言こそ
社長が私にどれほど権威を認めているかについての
率直な告白なのです。
何もかも教えてもらいたがっているんですから。
「現状はこうだ、ならばどうするのか」という点について
自分が良い案を出せるとは最初から思っていらっしゃらないわけですよ。
でなければ、あんな突っかかり方をするなどありえない。
ごく普通に考えても
的確な分析(と認めている主張)を聞いて
「じゃあどうするの?」と言わずにいられない
というのは
分析を聞いているうちに、どうしていいか分からなくなるから
としか解釈できないじゃないですか。
もう少し自信を持っていただきたいところですが
そうもゆかない事情があるのかも知れません。
二時間目以後、
「経路依存性」を「経路依存症」と言い間違えることを
しきりに気にしていたくらいですからね。
・・・そうそう。
『対論 「炎上」日本のメカニズム』の第三章
「炎上における『隠蔽』の構造」
において、
藤井さんは面白い分析を展開しています。
ヒステリックに炎上している人々が
自分の認知的不協和を突きつけられると
どのような形でゴマカシをはかるか
(=事実から目をそむけて自分を慰めるか)を
詳細に列挙しているのです。
この分析を今回の討論に当てはめると
じつに楽しい結論が出てきますよ・・・
ではでは♬(^_^)♬
26 comments
ベッラ says:
6月 5, 2017
佐藤先生、よく言ってくださった!! そして日本男児ですね!!!
チャンネル桜は時々おかしくなる、言っていることもコロコロ変わる、佐藤先生の仰っていることがわからない、わかろうとしない「意地」でもあるのでしょうか。
「保守」というのはバカな人が威張っているのでしょうか、時々そう思ってしまいます。
また、佐藤先生のこのエントリを転載させてください。もし了承して下さったら私が転載できた時にリンクでコメント欄でお知らせします。
SATOKENJI says:
6月 5, 2017
転載を許可します。
>佐藤先生の仰っていることがわからない、わかろうとしない「意地」でもあるのでしょうか。
いえいえ、社長は分かっているのです。
本当に分からなかったら、あの反応はありません。
分かっているが、分からないふりをせずにはいられないからああなるのです。
ついでに社長は、
番組の収録日程を私のスケジュールに合わせて決めたこともお忘れなく。
そこまでしてでも、出てほしいと思っているのです。
手の込んだツンデレと言いましょうか。
>「保守」というのはバカな人が威張っているのでしょうか
政治運動には左右を問わず、すね者が集まる傾向があります。
「世が世ならオレはもっと評価されているはずだ。
だからオレが評価されるよう、世の中を変えるんだ」という次第。
つまりは自分が威張れればいいわけで、
世の中のことなど、本当はどうでもいいのですよ。
こうして政治運動は、たいがい自滅してゆくのです。
反孫・フォード says:
6月 5, 2017
>「じゃあどうするの?」って突っかかる
ふと浮かんだだけのこと(日常感じること)ですが、質問してしまうってことは不安なんですよね。
無意識の中に答えは既に在るのかもしれないけど、それを意識が拒む何かがあるのではないでしょうか。
まったく抽象的な意見しか書けなく、しかも自分が言えることではないのですが失礼しました。
GUY FAWKES says:
6月 5, 2017
「戦後保守(反米保守も含む)、および左翼・リベラルは『戦後70年の流れを一切合切否定するor肯定する』という
独善的な思考形態においては足並みを揃えている。即ち、前提からして結論ありきの現実逃避でしかない」
件の討論はこれについて当事者である保守派が自ら曝け出し、
仮説の段階から明確に実証・証明された決定的な分水嶺であると言えるでしょう。
そして、先日の記事や今回の記事で紹介されたYouTubeでのコメントも実にわかりやすい指摘ですが、
何より『本格保守宣言』から一貫してきた佐藤健志のスタンスだけが「保守主義」として筋が通っている。
…あ、誤解するなかれ皆々様方。
これは「考え方として」正しいということであって、佐藤先生をお神輿に担ぎ上げて踊り明かすつもりは毛頭ありません。
そもそもの話、未だ現状を打破する「答え」など何一つとして出ていないのであって、
故にこれは「それ以前のお話」であるとしか申し上げれません、如何あっても。
「長く続いてきた制度や慣習は長く続いてきたこと自体にすでに価値がある。」
…うーん、改めて考えると恐らくこのバークの言葉を聞いただけで大多数の保守派とされる人々は
蕁麻疹を起こしてしまうでしょうなぁ。
言葉遊びの次元になってしまうかもしれませんが、少し表現を変えましてこうしてみましょう。
「これまで続いてきた秩序や体制は納得できない点も少なからず(or多々?)あるかもしれないが、
それでもここまで長続きしてきた今現在の結果には外部(GHQ・アメリカ・左翼リベラル・コミンテルン・特定アジアetc)ではなく
当事者たる日本国民の内在的な次元によって、ある種主体的に決定されてきた過程があることは否めないのではないか?」
尤も、これを話したところで「それは国民が馬鹿なんだよ」と一蹴したつもりの思考停止を見せつけられるでしょうね。
そこで「馬鹿な国民を正しく導けないのですか?」と問うたところで無駄です、
「そんな馬鹿共に教授する価値があるか!」と顔真っ赤に憤るのが関の山であることはもうハッキリしてしまった。
ははぁそうですか、でしたらそんな日本を護る「保守主義」とは一体何ぞや?
斯くして、戦後保守は己自らを必然的に消滅に誘う自家撞着に至った。
更に申し上げれば、この場合は反米保守とされる方がよりその傾向は強いかもしれません。
「血を流す覚悟を」と声高に宣い続けたのも宜なるかなというものではありませんか(苦笑)
長々と恐縮ですが、特にあの「じゃあどうするの?」という発言には「保守主義」として弁えられるべき
「自己への謙虚さ」が決定的に欠落している事実を如実に証明する返しだと言わざるを得ません。
「傲慢故に見えるものも見えなくなったか」ーダース・シディアス
コテヤン says:
6月 5, 2017
初めてコメント差し上げます(多分ですが・・・)
先日、右の売国、左の亡国を読ませていただきました。一言で「大変に面白かったです」という感想と、私の中で右派、左派に対して抱いていた疑義、疑問がスラスラと言葉に表現されるのが、大変に素敵に感じました。
理解があっているのかどうか?はやや自信はありませんが、6月5日にレビューも書いてみました。それほど読み応えのある内容、ストンと腑に落ちる内容と思っております。
動画はまだ視聴していないのですが、ぜひとも視聴したく思います。これほど佐藤健志氏が推されるのですから(!!)楽しみです。
動画もそのうち、レビューに出来たら良いなぁ・・・と思いますが、出来るかどうか(自信なし)
(私事ですがちと最近、仕事に忙殺されておりまして・・・ようやく時間が取れそうですヽ(=´▽`=)ノドウガ!ドウガ!)
1つ現在の日本の状況について申し上げますと、かなり絶望的ではあるのですが、わずかながらに希望も抱いております。
佐藤健志氏、中野剛志氏、藤井聡氏、柴山桂太氏、三橋貴明氏等々の論客の出現は良い傾向と思いますし、また左派では堤未果氏も非常に素敵な論考をされていると感じます。
このような良質な論考、分析、思想が世に広まることを祈念します。
SATOKENJI says:
6月 5, 2017
ありがとうございます。
カインズ says:
6月 5, 2017
>つまりは自分が威張れればいいわけで、
世の中のことなど、本当はどうでもいいのですよ。
こうして政治運動は、たいがい自滅してゆくのです。
水島氏が、どこまで本気で従来の安倍総理擁護&急進経路から脱却しようとしているのかが問われますね。二時間目以降は、議論が手垢の付いたものになっていったこと、最後には安易な批判は良くないと主張していたことを踏まえると、この討論自体が「ちゃんと安倍政権の批判もしているよ」というガス抜き、アリバイ作りに過ぎない可能性が高い気もします。もっとも、水島氏としては多少の経路修正をするつもりであったが、佐藤さんからの強烈な意見に耐えきれず、それどころではなくなってしまったのかもしれませんね。自分たちは、気持ちよく「保守ごっこ」をしているんだ。そのごっこの前提に冷や水を浴びせるようなことはしないでくれないかという思いが、あの「じゃあ、どうするの?」の低くて重い声色にこもっているように感じられました。
チャンネル桜には、ぜひ「急進」を「保守」と言い張り、国民が望まないことを「国民運動」として行ってきたという自身の経路を直視し、それを脱却することで、体験を基にした戦後レジーム脱却のためのノウハウを提供して欲しいと思います。
SATOKENJI says:
6月 5, 2017
>「じゃあ、どうするの?」の低くて重い声色
「いかに正しい内容を持っていた(ように聞こえた)としても、
もしもそこ(=声色)に明快とは反対なもの、
すなわち鈍重で陰鬱な響きがあるならば、
それはどこかで必ず間違っているのです」
(福田恆存「青年について」)
まあ「じゃあ、どうするの?」ですから、正しいも何も、
そもそも内容がないのですが。
ベッラ says:
6月 5, 2017
佐藤先生、転載許可をありがとうございました。私のブログに転載をさせて頂きました。
http://blog.goo.ne.jp/bellavoce3594/e/1ad909be4934739a6eb152d2d90db66d
文中の色が私のブログでは薄い色になったりしますのでピンクはマロン色に変えたりしています。
佐藤先生のご意見、すべて納得の私です。
SATOKENJI says:
6月 5, 2017
途中、ちょっと文の順番が前後しているようです。ご確認のうえ修正を。
ベッラ says:
6月 5, 2017
佐藤先生、申し訳ございませんでした。さっそく手直ししました。
コピペだからって安心していたのがいけなかった、すぐに先生の文を印刷し私のサイトと参照して間違いを直しました。そして3度見直しました。http://blog.goo.ne.jp/bellavoce3594/e/1ad909be4934739a6eb152d2d90db66d
私が最初書いていた感想文はエントリの最後のほうにしました。
先に佐藤先生の文を読むことができるようにしたほうがいいと思ったからです。
今回の「討論」は聴きごたえがありましたし、普段おかしいなと思っていたことがハッキリしました。
ありがとうございます。また私は至らぬ点だらけですがよろしくお願い申しげます。
ぶひ says:
6月 5, 2017
3時間、おおよそ全て視聴したのですが、やはり自称保守の連中は基本的に日本人に興味が無いんだろうなと感じました。
自称保守のそっくりさんである旧来の左翼も一緒で日本人に対する究極の無責任(同時に日本人への信頼の無さも伺える)とも言える武装放棄が理想の一つであったわけですから、これも日本人の生命、生活に興味が無いが故の発想だと思います。
水島社長は嘗て「在中邦人が1人2人殺されれば日本人の目が覚める・・あっ」と漏らしてしまった事があります。これをカットせず流した事には敬意を表しますが、以前ダンス氏が仰っていたように敵(中国)が敵であることに依存している心理を吐露してしまっているのは明白です。
水島社長の中では、中国が日本人を殺して一緒に中国を憎んで欲しいという願望が日本人の命より勝っているわけですから。
また、安倍に物申す時間が3時間もありながら殆どは憲法や戦後体制の話に終止し「まずは経済、3本の矢」と安倍政権が自ら前面に出した経済の話は無きに等しかった。
経済(日本人の生活)に興味無いんですよね、自称保守は。
安倍政権の経済政策は中間層を没落させ日本人を貧しくするものですが、それを黙認するという事はやはり日本と日本人に興味が無いのだとしか思えません。
これを証明するかのように番組中に水島社長は「防衛費を10兆15兆と・・代わりに福祉はアレになるかも知れないけど・・」
加えて三橋氏の言葉を揶揄するかのように「安倍がグローバリストだからダメっていう奴がいるけど、グローバリストだから保守じゃないなんて事はない」
更には以前、若者の所得が低いという話題の時は「若い頃は貧しくて良いんだよ」と、ヘラヘラと言っていました。
もう日本と日本人に対する不誠実さは疑う余地がないと思います。
そもそも経済力は防衛費の根幹だというのに。
そのくせ恥ずかしげもなく、保守、愛国であると自認出来る自身達への甘さ。
彼らは旧来の左翼同様、理屈や論理が通じる相手ではなく抽象的な日本を愛しているだけの日本嫌いに過ぎない事が、より明確に確認できた討論でしたので、ダンス氏、三橋氏には今まで以上に彼らにはっきりと物申して下さる事を無責任にも願っております。
福岡ワマツ says:
6月 5, 2017
チャンネル桜の討論を視聴いたしました。
佐藤さんのお話はとても勉強になりました。
議論の仕方についても学ばせていただきました(特に「じゃあどうするの?」以降)。見習わせていただきます。
ただ、私には佐藤さんのように理路整然と論じる能力がございませんので、
あの場合のような「じゃあどうするの?」との問いに対しては、
私であれば「GDPをするのなんていかが?」と応じるくらいしかできそうにありません。
※ちなみに、この場合の「GDP」は、
経済用語でも政治用語でもなく、
「Gaisen De Pr」
(街宣でPR)の略であります(「NHK」方式)。
すいません、冗談が過ぎました。(^^)
青 says:
6月 5, 2017
お疲れ様です。討論見ました。
佐藤先生の挙げられた安部政権に期待した役割のひとつ健全なナショナリズムの定着について、水島社長が国民の殆どが求めていないという旨のことを述べられておりましたが、果たして本当にそうでしょうか?
だいたい左翼の絶対平和主義や世界市民、自由や平等、人権なんてのも
日本が世界で一番、道徳的で先進的で文化的であるという主張と思えば、
これも立派なナショナリズムのバリエーションでしょう。
最近では沖縄ナショナリズムとか、アイヌ等の民族ナショナリズムなどを左翼が利用しているのを見ても左翼が果たしてナショナリズムを必要としていないか疑問です、それをナショナリズムと自覚しているかは知りませんが。
それに水島社長のいう八紘一宇とか日本の禅的な価値観とか私がなければみな私なんてのも、左翼の言う世界市民グローバリズム多文化共生といった自由主義のバリエーションといえなくもないし、余程注意しなければ左翼的イデオロギーに絡めとられる恐れがあるように思います。
じゃあどうするの?
ですが、これはもう左翼にだってナショナリズムはあるし、保守にだって左翼的なところがあると構える事ではないでしょうか。
そして出来ることなら左翼リベラルの無自覚なナショナリズムをできるだけ自覚させていくというところでしょうか。
左翼的ないし戦後民主主義の経路だって日本人の無自覚なナショナリズムによって支えられているとすれば、水島社長は左翼への希望が足りないですね。
ZERO says:
6月 5, 2017
佐藤先生、勉強させていただいております。
討論1時間目での佐藤先生のご発言で、国民が現政権に期待した役割、望んだもの
①デフレ脱却
②主体的な安全保障政策の追求
③健全なナショナリズムの追求
この分析は、ほば合っているのではないかと思います。
自民党の公約を見ても、まず経済。経済を取り戻す。景気回復この道しかない。経済の好循環をさらに加速。の様な文言です。主体的な安全保障政策についても、尖閣諸島や南シナ海域問題、北朝鮮のミサイル問題に主体的に対応できるのか。健全なナショナリズムの追求も、売国、反日勢力、反グローバリズムの声、TPP反対、移民政策の是非を問題視し、国選挙で過半数を得て、現政権があります。
先生は、右派、左派にある、経路依存性を理解しないと現政権にもの申しても何も変わらない。もの申せない。
桜の様なチャンネルや、国民運動、健全な野党が健全な政策を掲げない限りにおいては、国民は目覚めない。この提言に、なぜ、社長は過半数を得た選挙結果に「国民は望んではいない」と定義してしまったのでしょうか?
表現者支持 says:
6月 6, 2017
どうせ水島の腹の中など憲法改正さえ行われれば他の何が犠牲になろうと構わない、といったところでしょう。9条に手を着けないと宣言された改正に何を託しているのか知りませんが、おそらく一文字変更されただけでも狂喜乱舞することでしょう。そのためには日本国家が破壊されることすらいとわない。現在進行形の安部内閣による破壊工作を結局は擁護しているに等しいのですから。これは仰る通り、極左志向に他ならない。素直に新自由主義大歓迎で日本国家解体推進番組だと言えばまぁそういう価値観も有るだろうと思えますが、なまじ保守ぶっているのが質の悪いところですね。本当に悪質な似非保守どもだと悪態の一つも吐きたくなります。思えばTPPも決まりかけてから、心配するほどの内容じゃなかったなどと抜かしており、殺意が湧いたものです。このような薄汚い泥の中に飛び込み、信念の言葉を崩さなかった佐藤さんには誠に敬意を表したく思います。
柾木 says:
6月 6, 2017
御二人が実際どう思われているのかは当人にしかわからないでしょうが、傍から見ると頑固な将と現状分析を報告している参謀といった関係にも見えますね。スケジュールを変更してでも佐藤さんに出演を依頼するのは佐藤さんの言葉を必要としているのかも。
一種の信頼関係があるでしょうか。だから佐藤さんも遠慮なく言うし、もしここで手を抜いて相手の言い分も理があると配慮するのは逆に失礼にあたるのかもしれませんね。
前々回のエントリーでの佐藤さんのコメント返しで、
>とはいえ・・・
安倍政権擁護論者の社長はなぜ、政権に同情的な主張を聞いて狼狽したのか?
政権を擁護されると狼狽する政権擁護論者とは何なのか??
ここらへんに、保守派の未来(ないし、その欠如)を見通すカギがありそうですね。
>ただ分からないのは、
私の主張は政権への安易な批判を戒める内容だったこと。
社長としても反発する理由はなさそうなものですが・・・
自分は分かっているけど国民は馬鹿だから安倍政権に物申さなきゃならない?
何で??
謎です。
との言葉で思ったのは、余りにも過剰に相手を擁護する心理には既にその相手を全く見ていない。
相手を通して自分自身を見ているのではないかと思います。
だから擁護しているはずの相手が褒められようが貶されようが本心ではどうでもよく自分にとって心地よいかそうでないかが大事になってくる。
佐藤さんの言葉で触れられたくない自分自身を見せつけられた様な気分になり、だから政権擁護にもつながるの佐藤さんの言葉に反発しないわけにはいかなかったのかもです。
政権批判を自分の言葉でし始めたら今までの自分があまりにもみじめになってしまうから、自分からは言えない。だから代わりに他の人(国民)が言うべきだ、となるのでしょうか。
国家のヤジウマ says:
6月 6, 2017
安倍否定はもういい!じゃあどうする日本
https://www.youtube.com/watch?v=4Dj7pPG9Nt8
この討論が2013年11月なので、ここから3年半経ってようやく”物申す”という主題をつけるところまできたとういうことですね。かつて民主党政権の酷さにつられて安倍政権誕生を救国内閣と持ち上げて応援したわけですが、そうやってぶち上げた分だけ自分の作った経路から脱却することが困難になったんでしょうね。小泉政権より長い政権(在任約2000日)になってようやく批判を主なものとして展開しようとするわけですから。
私は佐藤さんの分析に勉強させて頂いておりますが、上記を踏まえると水島さんにも少々の同情が湧きます。というのも、ようやく安倍政権に物申そうとしたときに、安倍政権に物申せないと冒頭から言われちゃったわけですからね(“経路依存性やGDPの理解を前提にしないと”、という部分は水島さんの中でスルーされてしまったんだと思います)。ですので理屈とは裏腹の非合理な感情が前面に出てきても致し方ないかなと思います。そこが水島さんの愛嬌といいますか、佐藤さんの仰るツンデレなんでしょうけど(笑)
ただ保守主義というのは相手にすると面倒なんでしょうね。何を言ってもあれに注意しろこれに注意しろと忠告を受けるわけですから。親から気をつけなさいとしつこく言われて反発する子供みたいな話です。じゃあどうすればいいんだ!と言うと、親から再度「あなたに自主性はないの?」と論されているわけですね。
SATOKENJI says:
6月 6, 2017
20世紀フランスを代表する劇作家(および外交官)、
ジャン・ジロドゥの言葉を借りればこんなところでしょう。
保守主義の使命は社会のうるさ方になることだ。
保守派が社会変革の先頭に立とうなどとはちゃんちゃらおかしい。
時流に乗りたがる者、詭弁を弄したがる者、
物事をやたらに変えたがる者などが
「まあどうにか思い通りになるだろう、
しかし、あの保守主義というものがある」
と愚痴るようなら、保守主義の役割は果たされている。
しかるに政治運動などをやっていると、
物事が思い通りにならないことに苛立ったあげく
この原点を忘れてしまったりするのですよ。
mashimaro says:
6月 6, 2017
極左革命願望…
佐藤さん、彼らは常にそんな感じですよ。
決まり文句の「絶望が足りない」ですが、期待しているのではないかとさえ思いますね。
とことん貧しくなった後に革命が起きるのを、どこかで期待している、と。
そんな考えだから、自分の身の周りの事柄にすら、足許の経済状況にすら興味が持てず、
結局は皇室、伝統、文化などのぼんやりとしたところで存在を保つしかない。
具体的な話には興味が持てないんでしょうね。
だから、佐藤さんが主張した積極財政についても主張できなくて当然なんですよ。
興味ないんだから。
とにかく、今は、憲法改正することが日本を根本から変える革命だと思ってんでしょう。
いやいや甘い。アメリカが反対もしない改正をしたところで、大して変わりませんよって。
そういえば、流行りましたよね、抜本的改革。
彼らの考えは結局抜本的改革なんですよ。
急進左派と大して変わりませんね。
戦略家ぶって現首相支持したりしますが、おそらくは、似た者同士ってことですよ。
言葉から思考から散らかってますからね。
学天則(影なびく星) says:
6月 6, 2017
だらだら書いて誤字脱字をするのがどうやら私の文才の無さなので簡潔に書きますが
軍備を語るのに人を殺すと言う事へのリアリティがなさすぎだと。PTSDの問題などは深刻ですよ。
建前の大義で人を殺せというのか?社長達のおそらく自分が銃を取るという立場で考えない態度は
唖然としました。
ではどうしたらいいか?それを偉そうに聞いている時点で規律として道徳的に駄目だろう。
聞く側は謙虚で低姿勢であるべきだ。そこに見える自分だけは特権階級の特別ルールの奢りが浅ましい。
ではどうしたらいいか?一言だけ答えます。
「アーサー王伝説を忘却した英国のロイヤリストは保守と言えるのか?」
偉大な才ある存在への嫉妬まみれの根無し草に答えなど創造できるわけがない。
嫉妬とは自分で考えず、誰かに聞いて並べると勘違いする事だから
マニュアル書く側とそれを見る側では永遠に才能と言う格差がある。
いくら嫌がらせに肉欲物欲を見せつけまいが、そんな事では偉大な方は信じて愛せない。
歪んで嫉妬しているのだから。既に住まう世界の次元が違うのですよ。
天皇陛下が考えぬき言われる事は全て合憲である。それを説明するのがロイヤリストの責務だ。
分をわきまえよ。
皇室と言う非合理性の象徴、それを目的にわれわれは説明がつきがたい例外が常にあると知る。
だが、しかるべき時に赤信号を渡って捕まる事はない。
成文憲法と言う原則の御旗と皇室どちらが正統なのか?御聖断。
彼らの合理的なそういう勘違いが戦前や今の低迷を招いている。根拠が乏しく特別ルールの彼らは
陛下が祈りを捧げる、かの偉大な才ある非合理な存在に1億総懺悔してないのだろう。
だから手段だけの合理的な機械や動物以下になるのでしょうな、そして肉欲、物欲まみれ。
そういう、偉そうな私は河内で源氏と楠木氏の地元だけなので有りますな。
これはどうしたらいいかの第二のヒント
家族として草莽には協力させるが、自分らは特別ルールの特別待遇
そんなのは通りませんよ。馬鹿にしないで下さいね。
その辺、見透かしていますし、それでも別途、大義を建て精神を守りなんとか乗り越えてきましたんで
偉大な才ある存在に嫉妬して、後ろめたさがあり感情的になり
聞いて並ばんとする、まあ、その程度の
軽くたてつく、日本の悪は世界ではちょい悪程度でしょうけど
でも、それでは9条改正あって国防無し。150年の嫉妬で我々の戦況は苦しく過酷だ。
戦いとは詭道を創造する為の、かの偉大な才ある方への崇拝と見い出したり。
そして、今と昔は違うだろう?時間軸の無いマニュアル主義の元共産党?さん
誠の幸いである、クラムボンはマニュアルで死んだよ。
大海の一滴ですな。 再び大和の建国の地へ帰れ! あしからず
momo says:
6月 7, 2017
はじめまして。先日の500回目討論、拝見しました。
保守とは何か、考えさせられますね。
水島社長やチャンネル桜は、正統派保守として知られていますが(少なくともそのように扱われていると私は思います)、保守とは何かがわかっていないのですね。
ところで私は子供の頃から、「保守と革新」「右翼と左翼」が理解できませんでした。社会科の授業で取り扱われるこの話題ですが、何度説明を受けても理解できませんでした。そのまま、大学生になっても理解できず。
なにせ授業では「資本主義が右翼保守で、共産主義が左翼革新です」とか、「自民党は保守で、民主党社民党共産党は左翼です」とか、「親米が右翼で、親中が左翼です」とか言われるわけです。加えて言えば、世の風潮やネットなどでは、「左翼は反日で保守派愛国者」のような扱いです。
授業を受けるたび私は、「自民党が親中政策をしたり、左翼的政策をし、それを批判する共産党は保守ではないとはどういうこと?」とか、「自分は自民党の政治に納得がいかないのだが、つまり愛国者ではない、反日なのだろうか?」と考えるのです。
この問いに一番納得させられたのは、中野剛志先生の言葉でした。福田恒存の言葉を引用した『保守とは態度である』です。この言葉があれば、堂々と(仮に自分が非国民の左翼だと罵られても)、戦後保守はもちろん、チャンネル桜や水島社長に感じる違和感を認める事ができます。
メイ says:
6月 13, 2017
桜の討論、大体拝見いたしました。
佐藤さんの現状分析、私などが僭越でございますが「その通りだな」と感じました。
社長は安倍さんを擁護しておられるお立場なのですから、「戦後レジームから脱却できていないのは安倍さんのせいだけでは無い」という意味を含んだ佐藤さんのご意見に、安堵しても良さそうなものですが・・。
もちろん佐藤さんはそんな皮相な事を主眼にしておられるわけでは無くて、戦後社会の流れを大きく捉えて分析されていたのですが。
「経路依存性」という概念を使って語って下さった事で、重ねられていく時間・歳月、歴史というものの重み、国というものの重み・複雑さ、みたいなものを感じさせられました。
パネリストの皆さんの中で、一番興味深いご発言でした。この分析・問題提起をもっと深めて議論して下さったらな、と思いましたが・・残念でした。
もしかすると、社長は「女性宮家反対」とか「安倍さんの改憲案に不満」といった発言や結論を期待されていたのかもしれませんが、「議論」という、論理を吟味するプロセスを踏まずに、結論と行動だけを求めるとしたら、あまりに強引過ぎてしまう。安倍政治に似た構造というか・・。
自戒も込めて申す訳ですが、自分に間違いはないか?盲点はないか?と自分を疑う気持ちが少ないと自信満々にはなれるのですが、本来の保守とは違う存在になってしまうのではないでしょうか。議論の必要も感じなくなりそうです。それが進むと、方向としては独裁に・・。
安倍さんは、右派に取り入って独裁をにより売国したい人、に見える。
小池百合子さんは、左派に取り入って独裁により売国したい人に見える。
でもきっと、社長が求めているような事、ひとつも叶えてもらえないのが安倍さんの政治だと思います。
討論で「憲法」の話題も出ましたが、佐藤さん以外のパネリスト数人の方が「少しでも前に進むべき」「少しでも変える事に意味がある」「決して変わらなかった憲法に風穴を開ける」と、安倍さんの憲法改正案を支持されていらっしゃいましたが、危険なお考えのように思います。
神道学者の高森氏だったと思いますがブログで、安倍さん案で憲法改正というか加憲すると、日本人自ら9条を選びなおした、という形になってしまう、という内容が書かれており、私もその通りだと思います。
日本の誇りどころか、ネオリベ肯定・属国憲法になりそうな気がします。
玉田泰 says:
6月 26, 2017
先生の仰る通りに、第三章に当てはめてみましたが、さすがにそれは、ちょっと違うのではないでしょうか?
今回の論者の皆さんは「物語」を騙る程には悪質ではなく、戸惑いを隠せずにいただけではないかと思います。無視した訳でもなく、「経路依存性」という単語を使うことを試みていたと記憶しています。
「認知的不協和」に陥っていたのはそうかもしれませんが、それを殊更に「隠蔽」しようとした訳でもなく、ただ対応出来ずにいただけではないでしょうか?
SATOKENJI says:
6月 26, 2017
「認知的不協和にこそ陥ったものの、
隠蔽の段階には達しえなかった」
というシビアなご指摘でした。
玉田泰 says:
6月 26, 2017
先生のご指摘こそ、超シビア!(笑)です。
それにしても、自分の出した結論を先生に解説して頂かないと
理解出来ない僕は、バカなのでしょうね(苦笑)
僕が本当に、番組を視聴して言いたかったことは、
あの目つきの悪い屁理屈小僧はなんだ!(苦笑)です。
(このコメントはさすがにボツかな?)