さかき漣さんの原作・原案、

平松禎史さんの監督によるアニメ

「イブセキヨルニ」が完成、公開されました。

 

ご覧になりたい方はこちらにアクセスしたうえ、画面の三角マークをクリック。

(なお、18歳以上かどうかを聞かれる場合があります)

 

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平松禎史さんです。

 

さかきさんの著著「顔のない独裁者」のスピンオフ作品とのこと。

さっそく拝見しましたが、見応えのある仕上がりでした。

 

というわけで

この作品を論じた記事を、

本日の「新日本経済新聞」で配信します。

9:00ぐらいからご覧になれるでしょう。

 

さて。

 

「イブセキヨルニ」は分量的には短いものの、

内容面では密度が濃くて充実しています。

細かい点を味わうには、何回か見る必要があるかも知れません。

 

簡単に内容を紹介すれば以下の通り。

 

2010年代後半、日本は某国の核攻撃をきっかけに、

アジアの大国が主導する「大エイジア連邦」に併合される。

しかし十年後、駒ヶ根覚人、

愛称「GK」(イニシャルにちなんだもの)というカリスマ的なリーダーが登場し、

連邦からの分離・独立を主張。

 

主人公の若者・秋川進は、GKに共鳴して

日本を救う運動に参加するものの、

デモで負傷、性的能力を失ってしまいます。

その五年後、大エイジア連邦は崩壊、GK言うところの「自由革命」が実現。

 

ところが!!

 

自由革命のもとで日本は

下手をすれば大エイジア連邦時代より悪くなったのでは? という状態に陥る。

アメリカ型の新自由主義改革を進めた結果、

格差がどんどん拡大し、圧倒的多数の人々は貧窮してしまうのです。

GKの政策に幻滅した進は、反体制のテロリストとなる・・・

 

まさに堂々めぐりの展開ですね。

デフレ脱却の前日が永遠に続くさまを描くアニメ

「ざい星やつら ビューティフル・デフレーター」(要出典)とも

通じるものを感じます。

 

しかるに注目されるのは、進とGKが

同じ人物の異なるバージョン、

つまりは分身同士のように描かれていること。

平松さんによれば、意図的な演出との話です。

 

しかし進はインポなんですよ。

彼とGKが分身同士だとすれば、

これってGKもインポということ?

 

だとしたら「自由革命」なるものの内実も

「インポになる自由」ということでは。

なにせ作中には「貧乏になる自由、死ぬ自由」という台詞が

実際に出てくるのです。

 

詳しくはメルマガをご覧いただくとして

ここでは「自由革命」に関連した本をご紹介しましょう。

まずは1776年に、世界初の「自由革命」を引き起こしたマニフェストともいうべき本。

トマス・ペインの「コモン・センス」です。

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電子版もご用意しています。

 

そして、1789年に起きた「自由革命」をさんざん批判した本。

エドマンド・バークの「フランス革命の省察」です。

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電子版もご用意しています。

 

「イブセキヨルニ」とは

「気分が晴れず、うっとうしい夜に」の意味ですが、

この夜、じつは200年以上にわたって続いているのですよ・・・

 

ではでは♬(^_^)♬