『激論! サンデーCROSS』、いかがでしたか。

北朝鮮、ないし朝鮮半島の非核化について

防衛大臣経験者を複数まじえた議論に参加するのは

じつに面白い体験でした。

 

放送後の記念写真です。

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この手のテーマの場合、

防衛の実務に関わっている人は

なかなか思い切った発言をするわけにはゆきません。

 

だとしても

1)北朝鮮/朝鮮半島の非核化プロセスは実質的にはまだ始まっていない

2)CVIDの達成はほとんど不可能

3)日本は北朝鮮にたいして強く出ることなど無理であり、

やれることと言えば国交正常化をめざすくらい

という結論が提示されたのは

かなり重要ではないかと思っています。

 

だから言っているでしょうに、非核化も宇宙のジョークだって!

 

ほら、sayaさんも楽屋で笑っちゃっていますよ。

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さて。

カジノを含む、

というかカジノを中心とする統合型リゾート、

いわゆるIRの実施法案が21日に成立しました。

 

なぜ「カジノを中心とする」と書いたかというと

官邸サイトが公表している文書

「諸外国におけるIRについて」

カジノの収益により、大規模な投資を伴う施設の採算性を担保

と明記してあるため。

ご覧になりたい方はこちら。

 

ただし世論の反応はパッとしない。

読売(21日・22日実施)では「評価しない」が62%。

元の記事はこちら。

 

共同通信(同)でも「反対」が64.8%。

元の記事はこちら。

 

ポータルサイト「カジノIRジャパン」

上記の調査がなされる前、7月16日の時点で

これまでの世論調査をみると、

大手マスコミ(通信社、新聞社、テレビ局)実施の調査では、

賛成2-3割、反対6割などの結果が多かった。

と述べていますので、

読売、共同の結果は妥当なものと言えるでしょう。

 

もっとも同サイトいわく、

企業、経済界、IR推進団体の調査では、賛成が多く出る傾向がある。

 

「カジノの賛否」では反対にバイアスがかかり、

「カジノの収益力をドライバーとした、公益事業、観光文化街づくり、社会づくりとしてのIR」

については賛成が多くなる。

 

調査関係者によれば、カジノあるいはIRに反対と答えた人に、

IRの特徴をごく簡単に説明すれば、賛成に転じる人も多い。

元の記事はこちら。

 

反対意見が多いときは「バイアスがかかり」と形容しながら

賛成意見が多いときには同種の表現をしないのは

なかなか面白いというか、

それ自体、バイアスがかかっている感があるものの

この点は脇に置きましょう。

 

ついでに「IRの特徴をごく簡単に説明(する)」というのが

具体的に何を意味するかも興味深い。

バクチをやることはやりますけど、

それは施設のごく一部。

ホテルもできます!

劇場も建ちます!

人がいっぱい来ます!

地元におカネが落ちますよ!

仕事が増えますよ!

地域のみなさん、みんながうるおいますよ!

・・・と、

調子のいいことだけ並べてみせることを

「特徴をごく簡単に説明する」と表現している可能性だってあるからです。

カジノIRジャパンが

IR賛成の立場を取っていることは確実なんですから。

 

しかし、この点も脇に置きましょう。

私が注目したいのは

カジノIRジャパンの記事が正しければ

多くの人々はバクチそのものには反対だが

バクチに支えられた総合施設ができることで

自分たちに経済的な利益がもたらされるのなら賛成する

という結論が出てくること。

 

このような姿勢をどう評価すべきか?

 

こう言っては何ですが、

逆じゃないかと思うんですね。

 

関連してご紹介したいのが

1983年に大島渚さんが刊行した本

『女たち、もっと素敵に〜愛の演出学』。

 

女性向けのハウツーものですが

ここで大島さん、

与謝野道子さん(かの歌人・与謝野晶子の義理の娘)から教わった話として

次のように書いています。

 

男は「三悪」、つまり三つの悪事をやりたがる。

飲む(酒)、打つ(バクチ)、買う(女)である。

 

三つすべてをやる男はダメだ。

結婚相手にしてはいけない。

 

二つならまあまあ世間並み。

我慢してもいいだろう。

 

一つだけだったら、そんな男と結婚できたことを幸せに思うべきだ。

だが・・・

三悪を何もやらない男は最悪だ、

三拍子揃うより、もっと悪い!!

 

なぜか?

監督の解説こちら。

 

三悪はたしかに男の欠点です。

しかしそれは人生の遊びです。

生活にアクセントをつける意味でも、

遊びは必要なのです。

遊んでばかりいる男も困りますが、

遊びを全然知らない、

遊びの要素をまったく持っていない男と

一生暮らすことは、どんなに息苦しいことでしょうか。

 

・・・昔の人は立派な見識を持っていたものです。

 

裏を返せばIRにたいし

ギャンブル依存症が増えたらどうするんだ!

とかいう理由で反対するのは

パチンコの存在をさておいても

ハズしていると言わざるをえない。

 

打つのだって人生の遊びなんですよ。

そして遊びは禁じればいいというものじゃない。

社会をそんなに息苦しくしたいか?!

 

し・か・し。

 

大島さんも書いているとおり、

いかに遊びが生活のアクセントであっても、

遊んでばかりいては困る。

アクセントだけでは、生活の基盤はできあがりません。

 

遊びというのは

生活の基盤がしっかりしていて

ゆとりがあるときに

「ちょい悪」として楽しむのが筋なのです。

 

ところがお立ち会い。

今回のIR推進は

公益事業、観光文化街づくり、社会づくりの切り札

であるかのごとく謳われている。

 

官邸サイトの出した「諸外国におけるIRについて」でも

日本経済団体連合会、

みずほ総合研究所、

大和総研と

民間の試算を三つも引き合いに出して

IRの建設および運営がもたらす

経済効果について強調しています。

 

そしてジャップドットコム(Ⓒ西部邁)みなさんも

遊びとしてのバクチには否定的な一方で

自分たちに経済的な利益があるのなら

バクチに支えられた総合施設をつくることに賛成しがち

と、こういうことになるらしい。

 

要約すれば以下の通り。

バクチは遊びであり、良くないことだ。

だがデフレ不況を脱却して

公益事業や社会づくりを進め、

ゆとりを得るためになら

バクチもまた容認されるべし!

 

おいおい、

遊びのうえに生活の基盤を築こうってか?!?

 

♬認知す〜る〜な〜あ〜ら、チョイと不協和音頭 ヨイヨイ♬

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「やっぱり日本は没落だな」(※)個人の感想です。

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「パクチーじゃないんだから!」(※)個人の感想です。

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「ちょい悪にさえなれない国民は完全にバカになる」(※)故人の感想です。

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 sayaさん、絶句しているじゃないですか。(※)個人の沈黙です。

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お気づきとは思いますが

ゆとりがあることを前提にしてやるべき行動(=遊び)によって

当のゆとりをつくりだそうとする態度は

まさに負けの込んだギャンブラーの振るまいそのもの。

 

そういうギャンブラーほど

胴元のカモにされると相場が決まっていますが

わが国政府は

まさに負けの込んだギャンブラーのごとく

統合型リゾートにすがっているのではないでしょうか。

 

だからというわけではありませんが

iRをめぐる論議で面白いのは

推進派はむろんのこと

反対派までが

IRが繁盛することを自明視している点。

でなけりゃ、ギャンブル依存症が増えるなんて

主張するはずないでしょうが。

 

だが、本当にそうか?

 

かつてカジノで100億円以上もスッた経験を持つ

井川意高・大王製紙元会長はこう発言しています。

 

大勢の人達がバカラなどに興じるカジノでは、

賭け金は1回1000円単位と少額で大半が赤字。

実はカジノが儲けを出している場所は、

過去に私がハマったように、人目に付かない個室。

そこで億単位でやってくれる顧客がいて、黒字を出すのです。

そういったVIPの扱いに日本人は慣れていない。

 

日本にカジノが出来た場合、

やってくるVIP客は中国人富裕層と想定されますが、

ここに落とし穴が待っている。

 

問題となるのは、彼らが負けた場合、

日本人が中国まで取立てに行かなければならなくなることです。

シンガポールやマカオでは、

長年の経験から強面の人達を使ったりして取立てるノウハウがある。

カジノで遊ぶ中国の有力者は、

地元の警察やらを全て押さえていますからね。

日本人が返済を迫ったところで相手にされません。

元の記事はこちら。

 

日本にIRができる場合、

まず間違いなくアメリカの外資が入ってくるわけですが

実際の運営スタッフは日本人となるでしょうから

これは井川さんの結論に影響を与えるものではない。

 

鳴り物入りでIRをつくったはいいが

儲からずに外資があっさり撤退、

そんなことになったらどうするのか?!

 

おっと、これは聞くほうがヤボですね。

明日のことは考えないのがギャンブラーですから。

だとしてもこのバクチ、やはり大損に終わりそうな気がしてならないのです。

 

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