現政権の目下の目玉政策といえば
ご存知、一億総活躍社会。
その具体策を話し合う
一億総活躍国民会議の民間議員に
元アイドル、現タレントの菊池桃子さんが選ばれたのも
みなさん、ご存知でしょう。
しかし目玉政策をぶち上げておいて
後から具体策を話し合うというのも
なかなかにスゴい話。
要するに今のところ、
一億総活躍社会なるものはただのスローガンにすぎないと
みずから認めているわけです。
いや、本当は具体案がひそかに決まっていて
国民会議での議論はすべて形ばかりという可能性も
論理的に排除はできませんけどね。
・・・それはともかく。
国民会議の初会合で、菊池さんはなかなか興味深い発言をしたようです。
つまり、一億総活躍というスローガンそのものに文句をつけたらしい。
以下、関連記事をどうぞ。
1億総活躍のその定義につきましては、
ちょっとなかなかご理解いただいていない部分があると思いますので、
私の方からは、1つの見方として、言い方として
『ソーシャル・インクルージョン』
という言葉を使うのはどうでしょうかと申し上げました。
ご存じのとおり、
ソーシャル・インクルージョンというのは、
社会の中から排除する者をつくらない、
全ての人々に活躍の機会があるという言葉でございまして、
反対の言葉は、対義語は「ソーシャル・エクスクルージョン」になります。
菊池さんにその自覚があったかどうかは別として
これはなかなか強烈な発言です。
10月15日の記事でも書いたように
「一億総活躍」の真の意味は、
経済政策の成否をめぐる責任を、政府が負わずに国民に転嫁すること。
すなわち
政策が失敗して国民が貧困化しても、面倒を見たりせずにごまかす
ということです。
さてクイズ。
この発想、ソーシャル・インクルージョンと
ソーシャル・エクスクルージョンのどちらに近いでしょう?
・・・答えは明らかですね。
「ひとつの見方、言い方」などとソフトな表現をしていますが
ひょっとして菊池桃子さん、
一億総活躍の考え方を根本から考え直せ!
と主張したのかも知れません。
だとすれば、なかなかの見識ではないでしょうか?
現政権を支持する方々は
とかく総理について「したたか」と評する傾向がありますが、
したたかなのは総理だけとは限らないかも知れませんよ。
ではでは♬(^_^)♬
1 comment
ヒカリ21 says:
11月 1, 2015
この一億総活躍社会なるスローガン。佐藤先生のおっしゃる通り、経済政策の責任を国民に転嫁するものだとすれば、いかにも自己責任論を振りかざす新自由主義らしい発想ですね。
スローガン的政策といえば、前ブッシュ政権のオーナーシップ・ソサエティなんてのもありました。個々人が資産を持つようになれば、社会保障などに頼らなくて済むというお話でしたが、要するに自己責任を制度化するためのものでしょう。結果としては、持つものと持たざるものの格差が逆に拡大してしまうわけですが、今回の一億総活躍社会も似たような結末になりそうで不安です。
新自由主義であれ共産主義であれ、こうしたスローガンに示されるユートピアというものは、どうしてもディストピアを生み出してしまうものなのでしょうか。