水曜日です。
「新日本経済新聞」、私の記事の配信日。
いつも通り、9:00ぐらいからご覧になれるでしょう。
今週のテーマは「自滅的な言動をもたらすもの」。
本ブログでも「墓穴リレー」として取り上げてきましたが
昨今のわが国では
イデオロギーの左右を問わず、
自分で自分の首を華麗に絞める様子が目立ちます。
主観的には憲法九条を守りたがっている人々が、
九条の無意味さをアピールしてしまう。
主観的には安保法制を通したがっている人々が、
同法制を違憲と見なす学者を参考人として推薦する。
主観的には現憲法を擁護したがっている学者が、
憲法の正当性が脆弱であることを暴露してしまう。
議会で法案を(賛成多数により)通さねばならない立場の人物が、
法案の合憲性について「数(の問題)ではない」と発言する。
国民の信をわざわざ問うてまで決めた増税の期日を、
景気が腰折れしたら延期すると財務大臣がほのめかす。
「まっすぐ、景気回復」を謳う与党の政調会長が、
経済成長による税収自然増を期待する発想を「雨乞い」(つまり呪術)にたとえる。
まだまだあります!
〈瑞穂の国の資本主義〉を謳いながら、
新自由主義的なグローバリズムをめざす。
〈地方創生〉を謳いつつ、
自治体同士を積極的に競争させるべきであり、
競争の結果、格差が生じても(=創生どころか、衰退する地方があっても)当たり前と言い張る。
これぞ、パラドックス花盛り!!
とはいえ、
ここまで自滅的な言動が繰り返される背景には何があるのでしょう。
これはもはや
方針が正しいとか、間違っているとかいうレベルの話ではありません。
ずばり、
〈ヒステリーやパニックに陥ったあげく、自分がいかなる方針に基づいて行動しているのか分からなくなった〉
という話ではないでしょうか?
ならば、当のヒステリーやパニックの根源には何があるのか。
メルマガではこの点を考えます。
・・・ちなみに。
「文藝春秋SPECIAL 教養で勝つ大世界史講義」に掲載された
「ウェストファリア条約 〈宗教戦争〉の終わらせ方」が
お勧め記事として、下記サイトでご覧いただけるようになりました!
そして、BLOGOSです。
世界の現状とも密接な関連がある話ですので、ぜひどうぞ!
ではでは♬(^_^)♬
5 comments
BOMBER says:
6月 17, 2015
英エコノミスト紙や仏L’Obs誌などが日本の危険な右翼団体「日本会議」が、安倍政権の政策に大きな影響を与えていると報じているそうですが、http://newclassic.jp/24129
その事に対する、先日(6/15)に行われた日本記者クラブで安保法制「違憲」派によるシンポジウムでの小林慶応大学教授の答えです。
「小林教授:日本会議に沢山の知り合いがたくさんいるので私が答えますが、日本会議の人々に共通する思いは、第二次大戦で敗けたことを受け入れ難い、だから、その前の日本に戻したいと。かれらの憲法改正案も明治憲法と同じですし、今回もそうですが、日本が明治憲法下で軍事五大国だったときのように、アメリカとともに世界に進軍したいという、そういう思いを共有する人々が集まっていて、かつそれは、自民党の中に広く根を張っていて、かつよく見ると、明治憲法下でエスタブリッシュメントだったひとたちの子孫が多い。そうするとメイクセンスでしょ(笑)。」(http://blogos.com/article/116803/より抜粋)
私も恐れながら(沢山ではないですが)日本会議に知り合いがいますけれど、誰も敗戦を受け入れ難い(震災ゴジラ的に「本土決戦」をやろうとか思っていませんし、逆に「終戦記念日」を「敗戦記念日」にすべきとしていますし)とか、アメリカとともに進軍したいなんて(そもそも、敗戦不認とアメリカと進軍が矛盾している気が)思っていません。また、明治憲法と同じとの言及がありますが、占領期にアメリカによって半ば押しつけられた現憲法によって引き起こされた(メルマガで仰る)ヒステリーやパニックの根源となっているトラウマに向かい合いそれを克服する努力をする上で、むしろブラックボックス(臭いものには蓋をしろ)化されてきた風潮にあった明治憲法に回帰することは必要と感じます。最後のメイクセンスは意味がわかりませんが、明治の高官の子孫を軽侮しているところが、この教授の「戦前ダサい、俺アメリカ留学(会見でしばしば言及)してました」的なセンスを感じます。
メディアでは例のごとく取り上げないのでしょうが、6/19(金)の日本会議に近いとされる安保法制「合憲」派の会見が楽しみです。
jirou says:
6月 17, 2015
パニックやヒステリーに陥り方向性が見えなくなる理由として、自分の力量(政治力)を見誤り、薄々それを自覚しつつも他者に対して全能的に、表向きは振る舞わなければならない。その脅迫観念にあると愚考しますがどう思われます?
SATOKENJI says:
6月 18, 2015
〈本当は何をしたらいいのか分からなくなっているが、分かっているかのごとく振る舞わねばならない〉ということですね。
焼き畑 says:
6月 18, 2015
以前、西部邁先生がチャンネル桜の討論に出た時、
「草莽は焼き払われた」
と言っていましたよね。佐藤さんも同じ意見ですか?
SATOKENJI says:
6月 18, 2015
西部先生が、あれを文字通りの意味でおっしゃられたのか、反語的な意味でおっしゃられたのかが微妙なところです。
むろんこの場合、微妙であることがポイントなのですが。