昨日の「新日本経済新聞」に、
「景気回復と経済再生はイコールか」という記事を配信しました。
そこでも論じたことですが、
景気回復は、経済再生(ひいては日本再生。以下同じ)の必要条件ではあります。
つまり景気回復が達成されなければ、
経済再生も実現しない。
しかしこれは、
景気回復が経済再生の十分条件であることを保証するものではない。
つまり景気回復さえ達成されれば、
経済再生も実現するとは限らない。
両者の関係について、私はこのような等式が成り立つと考えています。
経済再生(日本再生)=景気回復×(社会的連帯感+ナショナリズム)
景気回復の成果が、
原則として国民すべてに行き渡るのが経済再生、ということ。
ここからは、以下の4つのシチュエーションが考えられます。
1)景気回復=プラス、社会的連帯感+ナショナリズム=プラス、経済再生=プラス
成長のメリットが広く共有される理想的な状態。
2)景気回復=プラス、社会的連帯感+ナショナリズム=マイナス、経済再生=マイナス
成長は実現されるが、そのメリットを一部の層が集中的に享受するため、格差はむしろ拡大、社会的不満が高まる状態。
3)景気回復=マイナス、社会的連帯感+ナショナリズム=プラス、経済再生=マイナス
メリットを広く共有しようとする姿勢はあるが、そもそも成長が実現できず、スタートラインでつまずく状態。
4)景気回復=マイナス、社会的連帯感+ナショナリズム=マイナス、経済再生=プラス
成長もせず、格差も広がるせいで、絶望感から世の中を根本的に改めようとする動きが高まる状態。
ただし(4)の「プラス」は、
世の中を根本的に改める動きが高まるというだけで、
当の動きが成功することを保証するものではないと思います。
というか、このような急進主義は、たいてい失敗してしまう。
結局は(1)以外、人々を幸せにするシナリオは存在しないと言えるでしょう。
2010年代後半、日本がこの道に進むことを期待したいのですが・・・
ではでは♬(^_^)♬