かの劇団四季の創立メンバーであり

長年、リーダーとして活躍されてきた浅利慶太さん

このほど四季を離れ、

独自の演劇活動を始められました。

 

活動名は「浅利慶太プロデュース」。

 

第一弾となる公演「オンディーヌ」が、

目下、浜松町にある自由劇場で上演中です。

5月5日までですが、

当日券があるとのこと。

 

ご興味のある方はこちらをどうぞ。

 

劇団四季と言えば

1983年の「キャッツ」以来、

「オペラ座の怪人」

「美女と野獣」

「ライオンキング」

「マンマ・ミーア!」など

さまざまな海外ミュージカルのロングラン公演に成功した

日本を代表する劇団。

 

というか、四季が挑戦するまでは

日本に演劇のロングラン公演というものは存在しなかったのです。

 

事実、「キャッツ」の成功がなければ

東宝の「レ・ミゼラブル」にしたところで

あそこまで大規模には上演されなかったかも知れません。

 

しかし以前も書いたとおり、

四季はもともとストレートプレイ(普通の芝居)の上演をメインとしていた劇団。

 

それがどうして

「四季といえばミュージカル、ミュージカルといえば四季」

とも評すべき状態になったのかについては、

KADOKAWA のメルマガ「踊る天下国家」の第15回

「劇団四季に見る戦後史」に詳しく書きましたので

そちらをご覧いただきたいのですが・・・

 

浅利慶太プロデュースは

四季では傍流となってしまったストレートプレイの上演を

自由に、かつしなやかに

行うことを謳っています。

 

・・・じつを言うと、私もかつて

四季に所属したことこそないものの

浅利さんにお世話になったことがあります。

 

こう書いていても、浅利先生とお呼びしたくなるくらい。

 

ついでに「震災ゴジラ!」「国家のツジツマ」の装丁を担当してくれた

森好美さん(女性のような名前ですが男性です)も、

もともと四季にいたデザイナー。

 

何を隠そう、

今回の「オンディーヌ」について

宣材のデザインをやっているのも森さんなのです!

 

「オンディーヌ」の作者ジャン・ジロドゥ(1882〜1944)

外交官でもあった人物ですが、

社会と演劇の関係をめぐって名言を残しました。

いわく、

芝居がむしばまれたら国民もむしばまれる。

 

この言葉の意味を完全に説明しようとすると

大議論になってしまうのですが、

とりあえず、

伝統を踏まえ、かつ現代的であるような文化(とくに演劇)を持ちえない国は方向性を見失う

と考えて下さい。

 

ですから、すぐれた演劇(とくにストレートプレイ)が広まることは

「日本再生」に少なからず貢献するというのが私の考えです。

そして浅利慶太プロデュースは、まさにその点に取り組もうとしている。

 

今回の「オンディーヌ」公演、

規模としてはそう大きなものではありませんが

重要な意義を持っているのです。

浅利先生の、いっそうのご活躍を祈念したいと思います。

 

Exif_JPEG_PICTURE

 

明日はこの舞台について、さらにご紹介しましょう。

ではでは♬(^_^)♬