エドマンド・バークは「フランス革命の省察」

国家が陥りうる危機のひとつとして

外国の意向にしたがい、向こうの利益のために行動する勢力が

議会に入り込むこと

を挙げました。

 

フランス革命の省察

電子版もご用意しています。

 

しかるに日本の現状は

バークの警告さえ超えているのかも知れません。

 

なにせ自国の経済や社会に重大な影響を与えかねない条約について

条文を自国語で読むことすらできないまま

批准に向けて進みかねない恐れがあるのです。

 

むろんTPPのことですよ、念のため。

 

これについては三橋貴明さんも、ブログで的確なコメントをされていました。

いわく。

 

政府は早急にTPP暫定案の全訳を公開し、

せめて日本国民が「日本語」で協定案を読める環境を作るべきです。

その上で、内容を理解した国会議員が延々と議論し、

問題点を洗い出し、

日本国民の主権が侵されないよう法律的な手当てをした上でなければ、

TPPの批准のプロセスを進めてはなりません。

 

まさかと思いますが、

このまま日本語訳すら公開せず、

TPP関連の法律改訂を容赦なく進め、

批准してしまうなどという恐ろしい事態にはならないでしょうね。

その場合、日本国民は自分たちが読めない「協定」により、生活やビジネスを支配されることになります。

 

まったくの正論です。

ただし三橋さん言うところの「恐ろしい事態」が生じないという保証は

今のところありません。

 

では、どうすればいいか?

私の提案はこちら。

 

民主党はただちにTPP条文の全訳を始めるべし!

そして、気になる点が見つかり次第

片っ端から問題にせよ!!

 

政府に説明責任をうながすうえで

これは非常に効果的なはず。

 

民主党バージョンのTPP日本語訳が

政府バージョンより先に広まるなどということが

かりに起きたとしたら

それだけで政権は大失点です。

 

ついでに与党の議員だって、

TPPの条文を英語で読める者ばかりとは限るまい。

というか、そうでない人のほうが(失礼ながら)多いのでは。

 

この場合、それらの人々は

自分たち(の党)が批准したがっている条約について

野党がつくった訳に頼って議論をするという

なかなか楽しい状態になります。

 

TPPのイメージが悪くなるような「意訳」を

訳文にちょっと施したところで

そうと気づかず、鵜呑みにすること間違いなし!!

 

・・・裏を返せば

民主党がTPP全訳をやると思ったら最後、

政府はあわてて、自分たちの全訳を発表するでありましょう。

これでようやく、まともな議論が始まる次第。

 

ついでに政府は政府で

TPPのイメージが良くなるような「意訳」を

訳文にちょっと施す可能性があります。

 

たとえば1989年からアメリカとの間で行われた

「STRUCTURAL IMPEDIMENTS INITIATIVE」

正しく訳せば「構造的参入障壁(撤廃)折衝」ですが、

政府はこれを「日米構造協議」と麗しく意訳したんですからね。

 

その意味でもTPP条文について

日本語訳が複数存在することは、

事柄の本質を把握するうえで有益。

 

では、あらためて・・・

 

民主党に告ぐ!

政権の暴走にストップをかけると本気で言っているのなら、

ただちにTPP条文の全訳を開始せよ!!

 

ではでは♬(^_^)♬