4月27日、

韓国と北朝鮮の間で

三度目となる南北首脳会談が開かれました。

(※)1回目は2000年、2回目は2007年。

 

過去二回の会談は平壌で行われたものの

今回の場所は板門店。

 

会談後、文在寅大統領と金正恩委員長は

朝鮮半島の平和と繁栄、統一のための板門店宣言

を発表しました。

全文こちら。

 

1)統一に向けた南北関係の改善

2)軍事的緊張の緩和

3)恒久的な平和体制の構築(つまり朝鮮戦争終結)と非核化

が三本柱です。

 

この宣言自体は、

過去の南北会談の際に出された宣言、

つまり「6・15共同宣言」(2000年)と

「10・4宣言」(2007年)を踏まえた内容であり、

さほどの新味はない、という解釈が有力。

関連記事はこちら。

 

ただし今までと大きく異なるのは

この後に米朝首脳会談が控えていることです。

 

南北関係改善や

軍事的緊張の緩和ぐらいならともかく、

恒久的な平和体制の構築や

半島の非核化となると

アメリカが関与しないかぎり進展は望めない。

 

裏を返せば、

よしんば内容的にさほど新味がなかろうと

今回の板門店宣言は

(良くも悪くも)画期的な結果をもたらしうる可能性があるのです。

 

さて、トランプ大統領はどう出たか?

どうぞ。

 

「多くの素晴らしいことが起きた」。

トランプ氏はホワイトハウスで開いたメルケル独首相との共同記者会見で、

南北首脳会談を肯定的に評価した。

ただ、南北首脳が署名した「板門店宣言」には

核問題に関する具体的な措置は盛り込まれていないことから、

トランプ氏は「現職の米大統領である私の肩にかかっている」として、

問題解決への道筋をつける考えを強調した。

元の記事はこちら。

 

今回の南北会談が

きたる米朝会談の前座的な意味合いを持っていることを思えば、

板門店宣言に非核化をめぐる具体的な措置が盛り込まれなかったのは

むしろ当然の話。

 

メインイベントはこれからなのです。

 

ついでに先週(4/25)の「おはよう寺ちゃん」

金曜(4/27)の「FRONT JAPAN 桜」でも述べたように

朝鮮戦争を65年ぶり(!)に正式終結させたうえ

表面的、一時的なものであろうと

半島非核化の枠組みをつくることができれば

トランプはノーベル平和賞を取れるかも知れません。

 

なにせ第一回南北会談が開かれたときは

金大中大統領が平和賞を取っていますし、

オバマ大統領も「核廃絶への努力」を評価されて

やはり平和賞を取っているのですぞ。

 

このオレが平和賞を取って何が悪い!!!

・・・と、トランプが考えなかったら

そのほうが不思議ではないでしょうか。

 

現に28日、

ミシガン州で開かれたトランプ支持者集会では

参加者が「ノーベル! ノーベル!」

平和賞コールを展開。

トランプは満面の笑みで親指を立て、こう言ったそうです。

それは素敵だ。ありがとう。

関連記事はこちら。

 

実際、イギリスの3大ブックメーカーの一つ「コーラル」では

すでにトランプが

今年の平和賞候補の2位に挙がっています。

 

じゃあ、1位は誰だ?

金正恩に決まっているでしょうが。

目を疑ったアナタはこちら。

 

事と次第によっては

トランプと金正恩が一緒にノーベル平和賞

なんてことだってありうるのではないでしょうか。

 

だからこの世は宇宙のジョークと言ってるだろうに

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というわけで2018年、

東北アジアの国際情勢は大きく動く可能性があるのですが・・・

 

はたしてわが国は

この動きの中で

いかなる位置づけになっているか?

 

遺憾ながら、正解こちらのようです。

たんなる蚊帳の外。

 

まずは日本と「100%共にある」(Ⓒ安倍総理)はずだった

トランプのツイートを見ましょう。

 

4月27日

 KOREAN WAR TO END!

The United States, and all of its GREAT people,

should be very proud of what is now taking place in Korea!

 

朝鮮戦争、終結へ!

アメリカ、およびすべての偉大なアメリカ人

半島で現在起きていることを深く誇りに思おうじゃないか!

元のツイートはこちら。

 

Please do not forget the great help that my good friend,

President Xi of China,

has given to the United States, particularly at the Border of North Korea.

Without him it would have been a much longer, tougher, process! 

 

私の良き友、中国の習近平主席

北朝鮮と地続きであることを利用し

本当にアメリカを助けてくれた。

このことを忘れないでほしい。

彼がいなければ、朝鮮戦争終結や半島非核化にいたる道のりは

ずっと遠く、厳しいものになっていただろう。

元のツイートはこちら。

 

4月28日

Just had a long and very good talk with President Moon of South Korea.

Things are going very well,

time and location of meeting with North Korea is being set.

Also spoke to Prime Minister Abe of Japan

to inform him of the ongoing negotiations.

 

たった今、韓国の文大統領と長く有意義な会話を交わした。

物事はたいそう上手く行っており、

米朝会談の日程や場所も詰められてきている。

ついでに日本の安倍総理とも話し、

交渉の進捗について教えておいた。

元のツイートはこちら。

 

これらのツイートを見るかぎり

トランプにとって

朝鮮戦争終結と半島非核化への貢献度が高い

(=自分のノーベル賞受賞に手を貸してくれる)のは

1)アメリカ国民

2)習近平

3)文在寅

となっています。

で、われらが安倍総理は?

 

そうです。

交渉の進捗をついでに教えてやる程度の存在なのです。

 

有名な国際政治学者イアン・ブレマーさんも次のようにツイート。

 

Japan “informed.”

They’re completely out of the picture in these negotiations.

 

日本に「教えてやった」んだと。

今度の交渉については、連中はまるっきり蚊帳の外だな。

元のツイートはこちら。

 

「ちょっと、100%共にあるって何だったのよ!」

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今回の南北会談は

東アジアの国際情勢は今や日本抜きでも回るし、

それでも(日本以外)どこの国も困らない

ことをみごとに暴露したのでありました。

 

日米が100%デンデンというのが

まったくの妄想崛起にすぎなかったことは

もはや言うまでもないでしょう。

 

この話、あまりにしょうもないので続きをやります。

 

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ではでは♬(^_^)♬

 

(おまけ)

気分がブルーになった方は、この素晴らしい saya さんの笑顔で立ち直って下さい。

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