安保法制をめぐって

賛成派、反対派がそろって展開している

必殺の墓穴リレー。

 

主観的には自分自身の主張を正当化するつもりで

どこまで自分の首を絞められるか

〈自滅的な詭弁ぶり〉を競う

という、

なかなか楽しいゲームでございます。

 

東大和9条の会にはじまり、

現政権、

現官房長官、

佐藤幸治・京大名誉教授と、

順調に進んでおりますが・・・

 

またまた出ました。

二度目の登場、現官房長官であります。

 

安保関連法案:「合憲という学者」官房長官たくさん示せず

 

安保法制を合憲と考える学者がたくさんいる−−と豪語していた菅義偉官房長官が、

10日の衆院特別委員会で「数(の問題)ではない」と述べ、

事実上前言を撤回した。

合憲派の学者について菅氏は「10人ほど」とし、

3人の実名を挙げた。法案の廃案を求める憲法学者は200人を超え、安保法制違憲論は日増しに強まっている。

 

(中略)

 

(6月)10日の特別委では、

維新の高井崇志議員も

「212人の憲法学者が違憲だと表明し、どんどん増えている。

国民の関心事だから(合憲派は)何人いるか」と質問。

菅氏の「私が知っている方は10人程度いる」との答弁に、

高井氏は「極めて少ない」と突き放した。

菅氏は終了後の記者会見で、

「憲法学者のどの方が多数派で、どの方が少数派かは重要ではない」と述べ、

多数の憲法学者の批判は審議に影響しないとの見方を改めて示した。

 

ちなみに記事の最後の一文は実質的に間違い。

先週の官房長官は

安保法制を合憲と見なす学者も多数いるので、違憲の批判は審議に影響しない

との見方を示したのです。

 

それが今週は

安保法制を合憲と見なす学者はロクにいないが、とにかく審議に影響しない

との見方を示すことに。

 

この二つの違いを見過ごすとは困ったものですが、

最大のギャグはこちら。

 

数(の問題)ではない。

憲法学者のどの方が多数派で、どの方が少数派かは重要ではない。

 

いやあ、そうでございますか!

正論であれば少数派の意見が、多数派の意見をくつがえして良い。

国を思う信念に裏打ちされた名言と申せましょう。

 

・・・とはいえこの論理を

衆議院の議席数に当てはめるとどうなるか。

 

与党が安定多数を占めていることは、

正論を言わないかぎり何の価値もなく

少数の反対意見にくつがえされても仕方ない。

そういうことになりませんか?

 

ならば、

たとえ採決で賛成多数になったとしても

それだけでは安保法制の正当性は保証されないことに!!

 

墓穴リレー、どうも安保法制推進側が優勢のようです。

 

ここで想起されるのは、

エドマンド・バークが「新訳 フランス革命の省察」で展開した主張。

おおよそ、こんなことを述べています。

 

革命派のつくりあげたシステムは

あまりに幼稚で見かけ倒しである。

そのため、

特定の分野の愚劣さに目を向けるや、

多少たりとも関連する分野すべてについて、

とんでもない欠陥や弊害が次々と明るみに出てしまう。

 

 

電子版もご用意しています。

 

早い話、

頭隠して何とやらの羅列になってしまうわけですが

これが墓穴リレーに通じることは明らかでしょう。

 

みなさん!

「安保法制の合憲性は数の問題ではない。だが、採決されるかどうかは数の問題である」

われらが官房長官がこう発言される日を

今から楽しみに待とうではありませんか。

 

ではでは♬(^_^)♬