昨日の記事
「その予算獲得を狙え!」でも書いたとおり、
例の1億総活躍(社会)をめぐっては
すでにいくつかの省庁が主導権争いを開始した模様。
しかしここに来て、
こんな辛口のコメントが出ています。
政権にも通じている某経産省OBの発言とのこと。
いわく。
発足以来の安倍政権を船に見立てれば、
いまの内閣の問題がよく分かります。
船長も船員スタッフも同じ、向かっている方向も同じ、
船の大きさも同じ、スピードも同じ。
ただ、船の名前や外側の色を変えているだけです。
船長は安倍首相、スタッフは経産省を中心にした側近たち。
方向は長期政権維持や憲法改正、財界と連携した経済政策など。
船の名前はこの前までは
統一地方選挙を見据えた『地方創生号』でしたが、
今は参院選へ向かって『一億総活躍社会号』と名前を変えただけです。
コメントはさらに続きます。
よく見れば分かるんですが、
一億総活躍社会という概念は、
第二次安倍政権になって出てきた様々な政策を言い換えているだけです。
それを新たにまとめなおして、キャッチフレーズを作りたかったんでしょう。
目的は参院選対策と世論対策という側面が大きいのです。
つまり、新しい何かをやろうとしても、
並べる政策がもう頭打ちという現状がありますね。
(経産省の)現場からそんな声も聞かされます。
新味を出すためには、今までのものを名前を変えて並べ替え、
新たなキャッチフレーズを付け直すしかないということです。
のみならず、ある自民党ベテラン議員は
こう語ったとか。
中身がないないとあなたは言うが、
そもそもそれは当然、まったく不思議じゃない。
だってこの一億総活躍社会は、官邸が『政策』ではなく、
『国民運動』として考えたみたいだからね。
国民運動とはつまり、
スローガンだけぶち上げておいて
担当大臣が各地をめぐり、
タウンミーティングや集会を開いて
政権にたいする国民の期待を高める、ということだそうです。
石破茂・地方創生担当相も、
加藤勝信・一億総活躍担当相との政策すり合わせのあと、
「一致したのは(一億総活躍は)国民運動なんだよねということ」
と語ったとか。
・・・私はかねがね
1億総活躍とは、要するに経済政策をめぐる責任を国民に転嫁することだろう
と思ってきましたが、
これらのコメントは、ほぼそれを裏付けていると言えるでしょう。
船の名称を
〈地方創生号〉から
〈一億総活躍社会号〉に変えたところで
いよいよ不特定多数の国民に舵取りを預けるのかも知れません。
しかし「船頭多くして船、山に登る」の格言もある。
この船は果たして大丈夫か。
消費税10%という氷山も待っていますからね・・・
ではでは♬(^_^)♬
3 comments
Guy Fawkes says:
11月 7, 2015
御体の方は大丈夫でしょうか?全身打撲と複雑骨折ともなりますと長引くのも已む無しとは思いますが、
今年中には無理でも、また佐藤先生の華麗に宙を舞う演舞を拝見したいものです…
それにしても、まるで震災直後に乱立した菅内閣に於ける復興の指揮系統の様で目眩が…
「男性の生産年齢人口(15-64歳)で「労働市場に参加している人(労働力人口)」に限ってすら、
123万人もの「労働力」があるのです。生産年齢人口(男性)で見れば、706万人(!)です。
それにも関わらず、なぜいきなり「女性」「高齢者」なのですか。
賃金を引き下げたい、以外に何か理由があるなら、教えてほしいものです。
(ちなみに、三橋は女性や高齢者が働くことに反対しているわけではありませんので、念のため)」
本日の『「新」日本経済新聞』で三橋さんが仰っていた事ですが、
自称保守層・愛国者はこう仰るのでしょうか?
「若年層の男共は草食化して腰抜け腑抜けの『◯ンポ』な役立たずだからして、
元気な女性や玄人の高齢者の方々にご活躍願おう!」
「そのとおり!外国に打って出る勇気も覇気もない日本の男たちときた日には
たった一回、戦争に負けただけで腰を抜かして、まったくもー」
経世済民を成し遂げるなら「逆進税の減税」「財政出動」「内需拡大」「保護貿易」「自主防衛」
これらを念頭に置いて、政策を実行すべきだったのに。
折角の政権獲得もこれでは…嗚呼、中川昭一が哭いている。
SATOKENJI says:
11月 7, 2015
ありがとうございます。
杖なしで歩けるぐらいにはなってきましたよ。
目下、足首内側の傷口が塞がるのを待っているところです。
buttmedd says:
11月 7, 2015
政策ではなく国民運動・・・。
がんばれ晋三!全国行動委員会?
馬鹿じゃない? 馬鹿なんじゃないの?
1国会議員あたり1億の税金で賄ってもらいながら「国民運動」だと言えるこの神経。
国民運動ならばいますぐ陛下に詫びて、全額国庫に返納して、ぜんぶ自前でおやりなさい。