このところ、

巨大なゆで卵みたいなもの

ずっと身につけています。

 

巨大といっても、

全長30センチぐらいではありますが

この卵からチューブが伸びて

足首の傷口につながっている。

 

ゆで卵の正体は

バック(VAC)と呼ばれる機械。

 

VACとは、

VACUUM ASSISTED CLOSURE

(真空状態によって傷口を塞ぐ)

という治療法の頭文字です。

 

ついでにVACUUM の冒頭三文字にもなっているのが洒落たところ。

 

前にも書きましたが

今回の骨折、

相当に大変なものでした。

 

足首の骨があちこち折れただけでなく

開放性骨折といって、

折れた骨が皮膚を破って飛び出してしまったのです。

 

手術で骨は無事、つながったものの

先生方が気にされたのは

傷口周辺の皮膚がちゃんと再生するかどうか。

 

うまく再生しないと

古い皮膚が壊死するにしたがって

傷口にぱっくり穴が開くことに。

 

これが起きたら、皮膚移植手術が必要になるのだそうです。

 

というわけで、VACの出番。

傷口にガーゼを当てたあと、

まわりを特殊なラップで密封します。

 

そこにチューブをつなぎ、

ゆで卵本体を作動させるとどうなるか?

 

なんとラップ内部の圧力を下げ、真空状態を作り出すのです。

すると何が起きるか。

 

足の中でつくられた肉芽(「にくげ」と言って、新しい肉のことです)が

どんどん引っ張られて、表面に上がってくる。

 

電気掃除機がゴミやホコリを吸い上げるのと、原理的には同じこと。

これで傷口が塞がるという次第。

おかげさまで、うまく行っているようです。

 

デヴィッド・クローネンバーグ監督の映画「ビデオドローム」には

 LONG LIVE THE NEW FLESH!

(直訳すれば「新しい肉よ永遠なれ」。ただし字幕では「新生命よ永遠なれ」と訳されていました)

というスローガンが出てきましたが

まさにその心境で、ゆで卵くんの活躍を眺めています。

 

ではでは♬(^_^)♬