安保法制をめぐり

自分たちに賛成する立場の著名な学者が多数いる(官房長官談)にもかかわらず

自分たちに反対する立場の学者をわざわざ参考人に推薦するという

爆笑・嘲笑・失笑もののギャグをかましてくれた

われらの安倍政権。

 

ついでに年金をめぐる個人情報流出という

第一次政権の昔を想起させる事件まで発生!

 

これはひょっとして、戦後史を支配する

「らせん階段の法則」が発動される前兆か?

 

らせん階段の法則についてはこちらをどうぞ。

「僕たちは戦後史を知らない 日本の『敗戦』は4回繰り返された」

 

 

それはともかく。

 

主観的な意図とは正反対のことを

そうと自覚すらせずにやらかした

という今回の振る舞いには

ほとんど文学的な意味合いを見出すことができます。

 

アメリカを代表するロック・ミュージシャンだったルー・リード

エドガー・アラン・ポオの諸作品をモチーフにした

「ザ・レイヴン」という傑作アルバムを2003年に制作しましたが、

そのブックレットでこう述べているのです。

 

ポオの作品を読み直し、音楽にあわせて書き直したのは

現代の本質的な問題をあらためて問い直したかったからだ。

私とは何者だ?

なぜ私は、魅力をおぼえてはいけないものに惹かれるのか?

破壊的な欲求、自滅への誘惑。

これは私がずっと追求してきたテーマなのだ。

 

私にとってポオは

ウィリアム・S・バロウズ(作家。代表作「裸のランチ」)や

ヒューバート・セルビー(同。代表作「ブルックリン最終出口」)の父だ。

私はずっと

自分の曲に彼らの血を注ぎ込んでいるんだ。

 

なぜ、やってはいけないことをしてしまうのか?

なぜ、手に入れられないものを愛してしまうのか?

なぜ、絶対にやってはいけないことに限ってやりたくなるのか?

いやそもそも、「やってはいけない」という言葉は本当のところ何を意味するのか?

 

しかるにリードの言葉は

現政権にもみごと、当てはまります。

 

消費税増税。

TPP参加表明。

外国人労働者受け入れの方針。

新自由主義やグローバリズムへの親近感。

戦後レジームからの脱却を説きつつ、同レジームを強化する振る舞い。

そして、自分たちの重要な政策に反対する人物の参考人推薦。

 

なぜ、やってはいけないことをしてしまうのか?

なぜ、手に入れられないものを愛してしまうのか?

なぜ、絶対にやってはいけないことに限ってやりたくなるのか?

いやそもそも、「やってはいけない」という言葉は本当のところ何を意味するのか?

 

ポオの作品には

「あまのじゃく」

「告げ口心臓」をはじめ、

自分で自分の墓穴を掘る人間を描いたものが多々あります。

 

爆笑・嘲笑・失笑の嵐と言いつつ、

現政権のあり方には

なかなか香ばしい、

もとへ芸術の香り高いものがあるのかも知れません。

 

ただしその香りの根源にあるのが

破壊的な欲求や、

自滅への誘惑だったらどうしますか?

 

ではでは♬(^_^)♬