おかげさまで退院の日が近づいてきました。
ご存知の通り、
病院というところは
就寝時間も早いかわりに起床時間も早い。
朝型のサイクルに徹しています。
前にいたところも
今いるところも
6:00起床ですからね。
長期入院していたおかげで
私もすっかり、
このサイクルに慣れました。
健康的で良いので
退院後もぜひ維持したいと思っている今日この頃。
しかるに今の季節、
6時ぐらいに起きると
日の出を見ることができます。
ついでに私のいる病室は
ちょうど病棟の東側。
おまけに病院の5階ですから、眺めが非常にいい。
・・・というわけで、
夜が明けるのを眺めながら太極拳のストレッチなどするのが
最近の日課となりました。
それで気がついたのですが、
夜明けというのは本当に
毎朝、違うものですね。
まず雲があるかどうかで違う。
雲があったとしても、
その形や、たなびき方、たちこめ方がつねに違う。
すると太陽が出る前、どんなふうに明るくなるかが変わってきます。
12月のある朝はこんな感じでした。
太陽の出方自体も、雲とのからみで千変万化。
どんな日であれ、
じつは後にも先にも一度しか来ない特別な日だということが
見ているとよく分かります。
人間、80歳過ぎまで生きるとすると
だいたい3万回ぐらい夜明けを通り抜ける。
多いか少ないかは意見が分かれるかも知れませんが
同じ夜明けが3万回繰り返されるのではなく
3万種類の夜明けを、一度ずつ体験するのだと考えたら
生き方にも影響が出るのではないでしょうか。
「一方に罪ある人々、他方に罪なき人々がいて
街は燃え、国が滅びようとしているのに世界は美しい。
これは一体何なの?」
「それにはとても素晴らしい名がついているのだよ。
つまり、夜明けというのだ」
フランスの劇作家、ジャン・ジロドゥの傑作
「エレクトル」の幕切れのやりとりです。
ではでは♬(^_^)♬
6 comments
Meudon92 says:
12月 16, 2015
本日のブログと夜明け写真ステキ。
長かった入院生活の終焉にもの思う。。。
それにしても6時起きが早い?
以前は何時に寝起きされていたのかしら。
SATOKENJI says:
12月 16, 2015
ありがとうございます。
ちなみに典型的な夜型で、朝はいつも遅かったのです。
人間、どうしても自分の生活パターンが基準になるということでご了承くださいm(_ _)m
たかゆき says:
12月 16, 2015
東の 野に、、
かぎろひの 立つ見えて
かへり見すれば 月傾きぬ とか
素敵
さらに 冬は つとめて
『365日の紙飛行機』口ずさむも
いと つきづきし ♪
Guy Fawkes says:
12月 16, 2015
本年中に完治される様で本当に喜ばしい限りです。
今回は実にロマンティックな文体と情景に感慨を同じくさせて頂きます…
どうか、退院日までご自愛ください!
私は夏の夜明けを抱いた。
宮殿の前には、まだ動いているものは何もなかった。
水面は動かず、森の小道には深い影が落ちていた。
私は熱い息を弾ませながら、歩いた。
宝石たちが顔を見合わせ、翼が音もなく舞い上がった。
「夜明け」-アルチュール・ランボー 『イリュミナシオン』より
フルート says:
12月 16, 2015
すべての瞬間は一度きりで、
「もう一度来て欲しい・・」とどんなに願っても、
また同じ瞬間が来る事は、決してない・・
こんな風に考えてみたら、
最初ものすごくさみしく感じたのですが、
でもどんな瞬間も、必ず前後の瞬間と繋がっていて、
繋がっているから、これが夜明けだと認識できるし、
動いたり・逆に可能な限り動かない様にする事などでも伝えられている
<方>(←「~の仕方」などの「方」です)を感じ取る事ができて、
次には<方>によって自分を相手へと伝えられる・そうする事を目指せる。
・・という風に、一度考え直してみたら、
一度しか来ない今日の夜明けを全身で思う事は、
むしろものすごく賑やかな事な感じもしてきました。
(見え方が、伝わり方・感じ取り方・思い出し方・思い描き方
と無関係な筈はないですし、
伝え方には、新しさとなつかしさを付ける事ができて、
この両方ともを受け手が感じ取ったなら、
それはものすごく賑やかな事でもあると思いました。)
すごくきれいな夜明けに感じました!
akkatomo says:
12月 20, 2015
真っ暗な夜はいつも同じ。その癖目の前が開ける夜明けは何時も違う。
自然と言うものは実に皮肉に自らを作っているものですな。