昨日、ご紹介した RAISONDETRE  さんのコメントを

詳しく見ていきましょう。

 

最初のポイントはこれです。

 

1.「(朝日は)日本を貶めた」
従軍慰安婦という架空の存在をでっち上げたのは確かです。

確かに「日本を貶めた」と思います。

でもちょっと待ってください。あなたなら当然このあとにこう考えるでしょ。

(東アジアの安定を望まないアメリカが画策したものだな)と。

ならば正確には「朝日新聞は日本を貶めたが、その背後にはアメリカがいたと考えられる」と言うのが筋でしょうよ。

 

この論理はみごとです。

というのも私の理解するところ、

水島社長は戦後日本をアメリカの属国と見なしたうえ、

同国を「最大の反日国家」と位置づけていたからです。

 

日本が「本当の日本」に戻ったりしないよう、

社会のさまざまな分野で

アメリカによる公然、ないし隠然たるコントロールが行われているというのが

持論だったはず。

 

「日本を取り戻す」と言って登場した安倍政権が

いわゆる保守派の意に沿わぬ政策(たとえばTPP参加など)を取ってしまうことについても

そうしないかぎりアメリカにつぶされるから

と説明されていた記憶があります。

 

しかるに「慰安婦の強制連行」という報道は

日本のイメージを貶めることで

「本当の日本」への回帰を阻害するもの。

 

よって、

1)日本を骨抜きのままにしておきたいというのがアメリカのホンネであり、

かつ

2)アメリカは日本社会のあちこちで、公然、ないし隠然たるコントロールを行っている

とすれば、

RAISONDETRE さんの言うとおり、

「朝日による一連の報道の背後にはアメリカの影がある」と疑うのが筋となります。

 

「朝日新聞を糺す国民会議」のアピール文にも、こう書いてあるんですから。

 

(反日報道を繰り返してきた)朝日新聞は、その結果、

外国勢力の謀略宣伝機関の手先となってきたのも、まぎれもない事実です。

 

この「外国勢力」が

具体的にどこを指すのかは明確にされていないものの、

「アメリカこそ最大の反日国家」という前提に立つなら

同国のことと理解するのが妥当でしょう。

 

しかし、そういう話にはならない。

なぜか?

むろん、朝日自体は悪くないことになってしまうからです。

 

下手をすれば

日本を貶めるような報道を続けつつ、朝日は面従腹背でアメリカに抵抗しているのだ

なんてことにもなるでしょう。

同紙が反米的な記事を多数載せているのも、まぎれもない事実なんですよ。

 

アメリカの意向に完全に逆らったら最後、新聞社としてつぶされてしまうので

同国の意図通り、日本を貶める記事を載せつつ

「リベラル」の建前を駆使することで、アメリカも貶める。

 

あるいは日本を貶めるという

まさにそのことによって

当の日本が追従しているアメリカを間接的に貶める。

 

左翼反日の外見は、いわゆる偽装転向にすぎない!

朝日新聞はアメリカへの英雄的抵抗を続ける、真の愛国的新聞である!!

 

・・・念のため書いておきますが、

私が本気でそう思っているわけではありません。

 

けれども水島社長が討論番組などで披露してきた世界観、

とくに現政権を擁護する際に用いる論理に基づけば

こんな主張も成立するのです。

 

裏を返せばこういうこと。

「新日本経済新聞」にも書いたことですが、

日本のあり方を良くしたいと思うのなら、朝日新聞と現政権は同程度に批判されるべきなのです!

 

朝日は日本のイメージを貶めましたが、

現政権は経済政策の失敗によって、日本を貧しくしていますからね。

 

しかし、そんな話にはならない。

これでは「朝日を解体・廃刊へ!」という主張も、さしたる説得力を持ちえないのではないでしょうか?

 

というか現政権を擁護しつつ朝日を批判するのは、

表面的な口調がいかに激しくても、じつは朝日を擁護することにつながるのではないでしょうか?

 

詳しくは KADOKAWA の「ちょく論」に発表した

「朝日に塩を送る保守派」をどうぞ。

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ではでは♬(^_^)♬