面白い話を聞きました。

 

今年は夏に参院選があり、

これがダブル選挙になるのではと言われています。

 

しかるに、ある政治学者が行った調査によれば

現在の自民党国会議員は

野党が風を吹かすことができたら最後、

自民党は敗北すると恐れているとか。

 

つまりは自民一強と言われる現状が

ちょっとしたきっかけで

ガラガラと崩壊するのでは、

という危機感に駆られているのでしょう。

 

なかなか説得力のある話です。

デフレ脱却はできていないが、もはやデフレではない

という総理のカフカ的名言ではありませんが、

現在の政権も、

ナショナリズムとグローバリズム(または対米協調路線)、

あるいは保守主義と構造改革路線という

本来、相反する方向性をどうにか両立させようとすること

無理や矛盾がふくらんできた感が強い。

 

TPPを「国家百年の計」と形容しつつ

条文の日本語訳をなかなか出そうとしなかったり、

(注:昨夜ようやく、暫定全訳が公表されたようです)

戦後の安全保障政策の大転換であり、

ゆえに改憲に直結するテーマであるはずの集団的自衛権行使容認を

憲法解釈変更だけで処理したり、といった具合にです。

 

例の日韓合意にしたところで

無理や矛盾にどうにかフタをして処理しようとしすぎたあげくの産物

と見なせるでしょう。

 

したたかな現実主義と言えば聞こえはいいものの、

無理や矛盾が積み重なるほど

状況はジリ貧になりやすい。

 

自民党議員のみなさん、

このままではいつかドカンと落ち込むのではと危惧しつつ

とりあえずは自民一強だし

内閣支持率も高めなので

現状維持を決め込むしかない、というところなのでしょう。

 

しかし、ならば野党は風を吹かせられるのか?!

 

これがまた怪しい。

大方の野党は

戦争反対とか憲法擁護といった

七十年一日のごとき形骸化した観念論

格差反対・弱者救済などの味付けを少々施し、

あとは野党共闘による数合わせに没頭しているだけの感が否めません。

 

55年体制が機能していたころならともかく、

今なお基本姿勢が〈批判的な少数勢力〉の域を抜け出していないんですね。

積極的に得点を狙うのではなく

もっぱら相手の失点をあげつらう、というヤツです。

 

まあ、この基本姿勢を取り去ってしまうと

野党も野党で、ジリ貧の現実主義路線しか思いつけなくなるのかも知れませんが。

つまりは「ムラヤマ化」の道です。

 

となると、きたる参院選の対決構図は

ジリ貧の現実主義 VS 形骸化した観念論ということに。

そんな状況でいいのでしょうか??

 

やはり「右か左か」の時代は決定的に終わったのです。

 

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ではでは♬(^_^)♬