「FRONT JAPAN 桜」、
いかがでしたか。
おかげさまで、なかなかの仕上がりになったと思います。
もっとも私、
某FMラジオ局の番組審議委員を
長年務めていたことがありまして。
毎月毎月、
番組をピックアップしては
出来について論じ合うのですが
そのうち面白いことに気づきました。
ダメな番組に限って、
DJが「充実感をおぼえる」とか言いたがるのです。
それも、下手をすると初回から。
この発言の何がまずいのか。
当たり前の話ですが
番組の成否というのは
作り手がどんな感想をおぼえたかどうかではなく
受け手が面白いと思ってくれるかどうかで決まります。
しかるに「充実感をおぼえる」などと言い出すDJは
自分が充実感をおぼえているんだから、
リスナーも面白いと思ってくれているはずだ
と、勝手に決めてかかっているんですな。
W(^_^)W\(^O^)/ああ勘違い\(^O^)/W(^_^)W
相手の反応を自分に都合良く想定してしまっていたら、
コミュニケーションが空振りになるのは自明の理。
それで本当に良い反応が引き出せたら
お目にかかってやる、てなもんです。
というわけで「FRONT JAPAN 桜」についても
充実した番組になるよう精進を重ねますので、よろしくお願いします
と申し上げたのですが・・・
この空振りコミュニケーションを
国賓にたいしてやらかしたのが韓国。
トランプ訪韓に際して
青瓦台の晩餐会に招かれた元慰安婦の李容洙さんが
日本政府の反応にたいして大炎上したのは
16日の記事
「トークライブにサプライズゲスト登場? および、『FRONT JAPAN 桜』に出ます」
でもご紹介したとおり。
しかるに李さん、
トランプ大統領と交わした抱擁について
こう語っているのですよ。
夢のような感じ。
私が手を振ると、トランプ大統領がやってきてすぐに抱きしめてくれた。
本当に長生きした甲斐があった。楽しい気持ちが湧いてきた。
「慰安婦問題を解決してノーベル賞を取ってください」と言いたかったが、できなくて残念だ。
ちなみに李さん、青瓦台関係者には
ありがとう。
文在寅大統領が200歳まで長生きしてくれれば。
と語ったそうであります。
慰安婦問題については、2015年の日韓合意によって
最終的かつ不可逆的な解決がすでに確認されていますので
トランプがあらためて解決するというのは
本質的に不可能なのですが
それは脇に置きましょう。
注目したいのは李さんが
トランプが慰安婦問題に関心を寄せていることを
自明の前提のごとく扱っている点。
李さんには申し訳ないのですが
トランプは「アメリカ・ファースト」の男ですよ。
性格的にもかなり自己中としか思えないし、
だいたい男尊女卑の傾向も強そう。
だから先日の「プライムニュース」でも
イヴァンカを妙に持ち上げたがった某コメンテーターが
彼女は妊娠中絶についてどう思っているんだ?
そもそも意見を表明する気(というか、根性)があるのか?
という私のコメントを聞くなり
彼女は公に選ばれた人じゃないから・・・
などと、よく分からない擁護をしなければならなかったわけじゃないですか。
W(^_^)W\(^O^)/おいおい、親の七光りだと認めてどうするんだ\(^O^)/W(^_^)W
そんな人物が
自国とは関係がないうえ
70年以上前の出来事である慰安婦問題に
関心を持っているというのは本当か??
・・・案の定、こういう記事が出るんですね。
米国のナッパー駐韓代理大使は10日までに、
トランプ大統領が訪韓中の晩餐(ばんさん)会で、
韓国大統領府が招待した元慰安婦女性を抱擁したことについて
「単なる人間的なジェスチャーで、政治的な観点から見たくはない」と述べた。
韓国記者団との懇談会で説明した。
トランプ氏は当時、周囲に通訳がいなかったため、
女性が誰か知らなかった可能性も指摘されている。
通訳がいなかったとする記述は
「慰安婦問題を解決してノーベル賞を取ってください」と言いたかったが、できなくて残念だ。
という、李容洙さんの発言内容とも一致します。
韓国(人)にとって、
慰安婦問題は切実な重要性を持っているのかも知れません。
そして韓国にとって、
アメリカが重要な国であることも疑いえない。
ただしこの二つを根拠にして
アメリカ(大統領)も慰安婦問題に関心を持っているはずだ
と考えるのは
誤った三段論法にすぎないのです。
もっとも、それを言い出したら
「日米同盟の絆」にしたところで
向こうがどれだけ実感しているかは疑問。
北朝鮮情勢が緊迫する現在
日本(人)にとって、
日米同盟の強化は切実な重要性を持っているでしょう。
そして日本にとって、
アメリカが(良くも悪くも)重要な国であることは疑いえない。
ただしこの二つを根拠にして
アメリカ(大統領)も日米同盟の絆を重視しているはずだ
と考えるのは
はたして三段論法として正しいか?
だ・か・ら、
「右の売国、左の亡国」と言うのですよ!
そして勝手な思い込みに基づくコミュニケーションの空振りが続けば
炎上が始まるのは必然の帰結。
かくして事態は、日を追って収拾がつかなくなってゆくのです。
しかし Saya さんもそうですが、
佐波優子さんも柔軟な知性の持ち主。
チャンネル桜界隈では、
女性陣のほうが勉強しているのかも知れませんね。
ではでは♬(^_^)♬
3 comments
マゼラン成人二代目 says:
11月 19, 2017
>「日米同盟の絆」にしたところで
>向こうがどれだけ実感しているかは疑問。
「先般、トランプ大統領が来日し、日米同盟の揺るぎない絆(きずな)を、世界に示しました。」
これ、先日の首相表明演説の一節。
そして、所信表明演説は、こうつづく。
「トランプ大統領は、拉致被害者の一人ひとりの写真を、真剣なまなざしで見つめながら、御家族の思いのこもった訴えに熱心に耳を傾けてくれました。」
日本国民は、特に保守層は、「海の向うでも、ついにわかってくれる人が現れた」と随喜の涙といきたいところでしょうが、そうは問屋がおろさぬらしい。
何となれば、
「元慰安婦女性を抱擁」することが、慰安婦問題に関心を持っていることの証明にならないというのなら、
「拉致被害者の一人ひとりの写真を、真剣なまなざしで見つめ」「御家族の思いのこもった訴えに熱心に耳を傾ける」に言うところの「真剣」「熱心」のほども疑ってかからねばならないことになりかねないからです。
レギーム作 says:
11月 19, 2017
コミュニケーションって空振りだろうが失敗だろうが、
それが意図していないものであっても、成立してしまうのがコワいですね。
自分は、相手から「勘違いだよ」ってならないように用心してるつもりなんですけど、
ホントこればっかりは難しいです…。
玉田泰 says:
11月 25, 2017
「充実感をおぼえる」もそうですが、始めに結論ありきではコミュニケーションは成り立たない気がします。
何かを考える時、「リベラルこそ正義」とか「右こそ本来」とか何でもそうですが、(自己に向けても、他者に向けても)結論を先に決め付けたら、兎角、思考停止して他の選択肢を見失いがちです。
選択肢を自ら捨てつつ、視野狭窄に陥っていく過程を、炎上と呼ぶのでしょうね。
例え僅かな差でも、「こうに決まってる」と結論を押し付けられたら、即断しないのが保守的な態度なのかも・・・?