小松左京さんの傑作

「復活の日」、

じつはH・G・ウェルズの古典

「宇宙戦争」へのリスペクトでもあります。

 

ウェルズの作品では

地球を征服しにきた火星人の軍勢が

圧倒的なテクノロジーにもかかわらず

病原体にやられて滅んでしまう。

 

なに?

火星人は気密服を着ていなかったのかって?

 

着ていなかったんですよ。

ついでに人類の血を吸ったりしたのが致命的でしたね。

 

火星人は文明が発達しすぎたせいで肉体が退化、

歯(にあたるもの)がなくなってしまい

流動食しか受け付けなくなっていた。

 

たしか、そんな設定になっていたはずです。

 

そう言えば昔、

ドラキュラがエイズ感染者の血を吸ったらどうなるか?

という話がありましたが

結論から言うと、何も起こりません。

 

なぜか。

 

ドラキュラはコウモリに変身できるからです。

しかるにヒトエイズウイルスは、人体以外の場所では生存できない。

 

よってコウモリに化けるたび

体内のエイズウイルスは死滅、

ドラキュラは発病しないのであります。

 

だいたいドラキュラは

処女の血を吸うのですぞ。

血を吸われた女の子が

輸血感染していたとかいうのでないかぎり

体内にウイルスを取り込むこともないでしょう。

 

話を元へ。

 

つまりは「宇宙戦争」、

テクノロジーが病原体に足下をすくわれる

という話だったのですが、

小松さんはこれを二重にひっくり返す。

 

テクノロジーがみずから病原体をつくりあげ

そのせいで滅びることにしたのです。

 

ちなみに「復活の日」に登場するウイルスは

MM88

と呼ばれますが

MMとは「マーシャン・マーダラー」(Martian Murderer、火星の殺人者)の略。

 

だからウェルズへのリスペクトだと言うのですよ。

 

のみならず!

MM88の流行は、結局どうやって収まるか。

なんとARS(全自動報復システム)、

つまり核兵器のおかげなのです。

 

これについては、また明日。

ではでは♬(^_^)♬