英語化は愚民化、ではありませんよ。

そちらは施光恒さんが出した本。

わが国で進む英語公用語化の流れに警鐘を鳴らす好著です。

 

これについては

本ブログでも、また新日本経済新聞でも

何度か取り上げましたが

今日のテーマは「英語化」ならぬ「エゴ化」。

 

定義こちら。

自分のエゴを満たしてくれるかどうかを

行動や価値判断における最大の基準とすること。

 

もっと具体的に言えば。

自分にデメリットをもたらしかねない事柄でも、エゴを満たせば受け入れ、

メリットをもたらしてくれるかも知れない事柄でも、エゴを満たさなければ拒絶すること。

 

要するに。

「イヤなことには意地でも直面しない」とムキになること。

 

英語化のみならず

エゴ化も愚民化への道であることは

言うまでもないでしょう。

 

直面しなかったとしても

イヤなことがなくなるわけではない(当たり前ですね)。

それどころか、直面せずに放置していると

たいがい事態は悪化します。

 

すると「いよいよもって直面してたまるか」とばかり、

エゴ化がさらに進むことに。

早い話、みずからドツボにはまってゆくわけです。

 

し・か・る・に。

 

平松禎史さんがツイッターで、こんな記事を紹介していました。

 

英国人アナリストの辛口提言──「なぜ日本人は『日本が最高』だと勘違いしてしまうのか」

 

国宝や重要文化財の補修で業界トップのシェアを持つ

小西美術工藝社のCEO、

デイヴィッド・アトキンスさんの文章です。

 

なぜ「アナリスト」かというと、

もともとゴールドマン・サックスにいたんですね、この方。

そしてアトキンスさん、こんなことを書いています。

 

最近の日本人を見ていて不思議なのは、

外国から批判されると

「日本のことなんかわかってないくせに」

頭から否定するのに、

褒められたら一転して、すべて真に受けるところです。

 

「外国人はお世辞を言わない」とでも思っているのでしょうか。

どの国の人でも、社交辞令は言うし建て前でもしゃべります。

たとえば米国人はプラス思考の国民性だし、

相手を傷つけてはいけないと考える人たちだから、

お世辞ばっかり言いますよ。

 

アトキンスさん、

「外国人はお世辞を言わない」とでも思っているのでしょうか。

と不思議がっていますが

むろん、そんなことはありません。

 

エゴ化が進んでいるということで

一発、説明がつきます。

裏を返せば、それだけ精神的に弱くなっているんでしょうね。

 

だって、そうじゃないですか。

自分に自信のある人は

納得の行かない批判を受けて

「何も分かっていない」と思ったら

相手が本当のことを理解するよう説得にかかるわけですよ。

 

それをやらずに

「何も分かっていないくせに

頭から反発するというのは、

要するに説得できる自信がない証拠。

 

いや、下手をすれば説得する気がそもそもないのかも知れない。

 

何かエゴを満たすようなことを言ってもらえると思って

楽しみにしていたのに

当てが外れてヒステリーを起こした、

そういうことではないでしょうか。

だから褒められたとなるや、有頂天になってすべて鵜呑みにする。

 

相手が聞くべきことを言っているかどうかには関心がないのです。

自分のエゴが満たされるかどうかだけが問題。

とはいえ、そんな短絡的発想の行き着く先は、愚民化のドツボしかありません。

 

良薬は口に苦し。

この諺を思い出して、エゴ化に歯止めをかけたいものです。

ではでは♬(^_^)♬