参院選の結果は、
例によって自民党勝利となりました。
改憲をめざす勢力が議席の2/3を獲得するのも
確実ではないかと思われます。
いよいよ、戦後の終わりが見えてきた・・・
という感じですが、
ここで思い起こされるのが
小松左京さんの傑作「復活の日」に出てくる名台詞。
いわく、
どんなものにでも終わりはある、どんな終わり方をするかだ。
7月9日の記事
「『グローバリズム改憲』の可能性」でも書きましたが
フタを開けてみたら
今まで以上に「日本」を否定する憲法になっていた、
ということだってありうるんですよ。
実際、自民党の谷垣禎一幹事長は
7月10日夜、テレビでこう語ったと伝えられます。
日本はこれまでに憲法改正を一度もしたことがない。
国会のなかでよく議論をして、
野党第1党と基本的に折れ合うようなものをまずやるべきだ。
「自民党と民進党が基本的に折れ合う」憲法改正が
日本を取り戻すような内容のものになるのか、
なりゆきを注目しようではありませんか。
それはそうと。
今回の選挙で、個人的に思い出されたのが
2008年の映画「ボディ・ジャック」(倉谷宣緒監督)。
若い頃、学生運動をやっていた中年コピーライターに、
幕末の志士の魂が取り憑く・・・
という、オカルト・ファンタジーです。
何でそんなものを思い出すのかって?
じつは私、ひょんなことから
この映画について、上映館でトークショーをやったのですよ。
おかげさまで大好評。
1回の予定が、アンコールでもう1回やることになりました。
しかるに、どちらのトークショーでも一緒だったのが
今回、社民党から出馬した増山麗奈さん!!
私と増山さんを組み合わせた主催者のセンスには
圧倒的なものを感じますが、
エキセントリックな面白さがあって
トークはけっこう盛り上がりました。
まあ、政治の話をしたわけじゃありませんけどね(笑)。
ついでに映画の主題歌を手がけたうえ、
劇中にも端役で出演、
さらにはトークショーの前にミニライブまでやったのが
このところ選挙になると出馬するトクマさん!!
当時は名前をTOKMA と表記していましたが
話してみると、これまたアクティブで面白い人でした。
・・・ちなみに私は
「SOUNDTRAX INTERZONE」というFMラジオ番組のスタート準備に奔走していたころ。
映画、テレビドラマ、ミュージカルなど、
劇的な要素を持った音楽だけを
特定のテーマに合わせて選曲、放送するというもので、
私はプロデュース、台本、選曲、DJの4役を兼任。
音源もすべて、私のコレクションから選んだのですが
おかげさまでこれも好評。
2009年1月から2011年3月まで、2年3ヶ月続きました。
良い思い出です。
・・・あの日々から8年。
増山麗奈とトクマの二人が
こんな形で顔を合わせるとは。
人生とは面白いまでに、先のわからないものではありませんか。
そして戦後日本も、
今やかつてない段階へと突入しつつある。
どんなものにでも終わりはある、どんな終わり方をするかだ。
そんなことを思った選挙結果でありました。
ではでは♬(^_^)♬
(↓)もちろん、こういう終わり方も大いにありえます。
9 comments
玉田泰 says:
7月 12, 2016
先生はサブカルの分野にも知見が広いですね。そしてその中にも深い思索を読み取られる。
気になっていたのですが、ゴジラの新作はどう読み解かれますか?
僕の私見では日本は憲法改正バージンです。初体験に意味があるのではないでしょうか。
経験を重ねる度に上手くなっていくという(苦笑)
今度こそ戦後は終わるのでしょうか?
SATOKENJI says:
7月 12, 2016
どういう初体験になるかですね。
「戦後の終わり」については、
というループ構造が成立するかも知れません。
「シン・ゴジラ」については、まだ観ていないのでいずれまた。
玉田泰 says:
7月 14, 2016
コメントをキャンセルと言うボタンを初めて知りました(笑)
これもあくまで私見なのですが、日本(人)は強姦されたのにも関わらず、
私は処女よって言い張ってきただけではないかと思うのですが?
玉田泰 says:
7月 12, 2016
すみません!
二度押しちゃったみたいです。ケアレスミスです。
カインズ says:
7月 12, 2016
チャンネル桜の【参院選2016】ネット生放送・参院選開票特番-アーカイブ[桜H28/7/11]https://www.youtube.com/watch?v=DMRrZoY_czYを観てみましたが、キッチュに陥った人間との議論の生きた教材としては、非常に興味深かったです。キッチュに陥っていなかったのは、三橋氏(現在の言論状況では安倍総理の強力なリーダーシップによる改革は危険が大きいと主張)、渡部氏(現場の実情を重視した上で具体的な手続きを示す)、saya氏(具体的な結論を示さない安倍政権の改革に疑問を呈し、左派言論人の主張にも見るべきところがあるのではないかと主張)の三人ぐらいではなかったでしょうか。
彼らが少しでも安倍政権に疑問を呈すと、すぐさま「そんなのは大した問題じゃない」、「それをしないとアメリカに潰されてしまうんだ」と返ってくる。そして改憲については、「虎穴に入らずんば虎児を得ずだ」と70年もほったらかしにしてきた問題を急速に片付けようとしたら、かえって副作用の方が大きくなるのではないかという配慮が皆無。正に妄想の度合いについては、右も左も変わり無いということがよく分かる動画でした。
こんな言論状況では、もしも改憲がされるとして、自民党も民進党も、そして国民もキッチュに陥ってしまい相手を罵倒しあうだけで終わりになりそうな気がします。
せい says:
7月 13, 2016
参議院特番といえば三輪さんが、とにかく憲法改正することは、戦後の硬直した状況に風穴を開ける象徴なんだみたいな事をいっていました。四年ほど前の中野さん最後の桜出演回で、佐藤さんらが仰っておられた、曰く佐藤氏「今あるものをぶち壊して、次に何創るか、あんま考えてない。実際ロクなものが出来ない。それを美しくいうセリフが現状に風穴を開ける。」中野氏「風穴を開ける事以外やったことがない人達」 だから渡邊氏が具体的な手段の話をしてもついていけないし、さや氏が、リベラルによる反グローバリズム、本来の保守に通じる部分があっても、評価をするとかないし、三橋氏が取り返しがつかないといっても死ぬ時は前のめりみたいな感じで現状維持の発想が出てこない。
マゼラン星人二代目 says:
7月 13, 2016
>どんなものにでも終わりはある
まさしく、その通り。
そこで、神奈川区トップ当選の方には、予め、釘をさしておきたいことが一つある。
まさか、国会審議の場で唐突に「天壌無窮」とか口走ったりはしませんよね、
というのがそれです。
マゼラン星人二代目 says:
7月 15, 2016
>まさか、国会審議の場で唐突に「天壌無窮」とか口走ったりはしませんよね、
「まさか」じゃなくて「もしや」。
かしこくも、『皇室典範』改廃問題がにわかにやかましくなってきた(結果、『日本国憲法』改廃問題が後背に退くやの感すらある)時節柄、かくも忌しくかつ厳めしいフレーズが、(この人に限らず)どこからともなく飛びだす可能性は結構高いとみた。
玉田泰 says:
7月 18, 2016
新記事をしばらく書かれていませんが、こんな中途半端な形で「終わり」にするつもりではないですよね。
また斬新な視点からの、新しい記述を是非ともお願いします。
心待ちにしてしている者の一人として…。