早いもので2016年も
後半に入りましたが・・・
PHP研究所より発売されている
おかげさまで増刷となりました!
これで5刷となります。
ありがとうございます!
思えばこの本を出したのは
なんと5年あまり前の2011年3月。
東日本大震災の直前でした。
むろん民主党政権下。
帯のキャッチコピー
この迷走、この混乱!
いまの日本とどれだけ違う?
も、それを念頭に置いたもの。
しかし自民党に政権が戻ったあとも
迷走や混乱は収まっていないと言わざるをえません。
それどころか
文中の「革命」を
「構造改革」や
「グローバリズム」に置き換えるだけで
バークの議論はますますタイムリー、
かつ重要なものになってきたように思えます。
たとえば。
私は構造改革というものが好きではない。
しかるに構造改革が生じる兆しは、しばしば演壇の上から発せられてきた。
構造改革を待望する発想は世間に広まりつつある。
フランス人諸君は
伝統的な社会機構など、自分たちの都合や気分次第で
全否定しても構わないと思っているようだ(。)
(52ページ)
あるいは。
グローバリストにとっては、
個々の人間であれ、
政策であれ、
はたまた政治的な原則であれ、
よしあしを判断する基準は一つしかない。
従来のシステムをぶち壊すのに役立つかどうかだ。
(100ページ)
色違いの箇所以外はすべて原文のままですからね。
のみならず、
言い換えの必要がまったくない箇所も多々あります。
かくも野蛮な世界観は
冷酷な心と混乱した頭脳が結びついて生み出したものである。
それは悪趣味で粗野なばかりでなく、
真の賢明さとも無縁と評しえよう。
彼らの説く自由には寛大さがない。
彼らの科学なるものは無知な思い上がりにすぎない。
彼らの人間性は冷酷で粗暴である。
(110ページ、および114ページ)
あと一週間で参議院選挙の投票日となりますが
どの党、
ないしどの候補者に投票するか考えるうえで
じつに参考となる言葉ではないでしょうか。
というわけで、
あらためて自信を持ってお勧めする次第です。
この迷走、この混乱!
いまの日本とどれだけ違う?
『新訳 フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき』
絶賛発売中です!!
ではでは♬(^_^)♬
7 comments
せい says:
7月 3, 2016
投票する上で参考にさせていただきました所、やはり自民党しかないかと思っていたのが、安倍の暴走を止めるという野党の発言にも一理あるということに気付き、ますます思考が迷走、混乱に陥り、斯くなる上は、ツラが気に入った人に入れとこうと思いました。先日の西部先生を囲む会でも長島監督が顔が大事と言ってましたそうですし。
SATOKENJI says:
7月 3, 2016
そういえば、
はあんがい苦戦していると言われますね。
選挙演説では歌ってはいけないのだそうで・・・
Guy Fawkes says:
7月 3, 2016
増版おめでとうございます、佐藤先生が翻訳を務められた『コモン・センス』も本年度のアメリカ大統領予備選挙に現出した
トランプ・サンダース現象を省察する上で改めて参考になると思われます。
また既にご存知かと思われますが、ロバート・デ・ニーロ主演映画『ディア・ハンター』でアカデミー監督賞を受賞し、
『天国の門』『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』の監督として知られるマイケル・チミノ氏が亡くなりました。
そういえば『ダーティーハリー2』でジョン・ミリアスと共に脚本を担当したのもチミノ監督でしたね、RIP
SATOKENJI says:
7月 3, 2016
チミノ監督、「ディア・ハンター」「天国の門」「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」について、
と言っていましたね。
ハリウッドの大作映画という枠で、アメリカの必ずしも明るくない面をストレートに描きつづけた、じつに野心的な人でした。
むーどん says:
7月 7, 2016
増刷よかったですね。
わたしは初版のときに入手して読みました。
訳が読みますく、きっとバーグはこういう感じの言い回しを現代日本人だったらするのでしょう、と不思議に納得しました。
昔誰だったかが和訳した文章は知識人向けとは思いますが、わたしは佐藤さんの訳の方が実際のバーグに近いような気がする。
SATOKENJI says:
7月 7, 2016
ありがとうございます!
あの訳文は
ことをポイントにしていました。
「コモン・センス完全版」も同様です。
むーどん says:
7月 8, 2016
「コモン・センス完全版」もそうですね。
こちらも拝読しました。
かの時代の空気を吸っているような臨場感がありました。
高尚なことを思考するのが苦手な性質ですが、素直に面白かったです!