総選挙で大勝し、
その後の特別国会も無難に乗り切った感のある安倍総理ですが、
12月15日〜17日にかけて
NNNが行った調査によれば、支持率がまた落ち気味とか。
支持率 37.8%(前月比マイナス3.3)
不支持率 45.3%(同プラス3.9)
支持率が4割を割り込んだのは4ヶ月ぶりとのことです。
こう書くと
マスコミによる操作された数字を信じるのはバカだ
などと言ってくる人が
あるいはいるかも知れませんが、
そういう手合いにかぎって
同じマスコミが内閣支持率が上がったと報じるや
何の疑問も持たずにコロッと信じ込みますからね。
♬\(^O^)/ザッツ認知的不協和、あっソレ\(^O^)/♬
これについては
本書の「政治経済用語辞典」に収録されている
・情弱
・メディアは信用できない
・メディア・リテラシー
の項目もご覧下さい。
ちなみにFNNが
12月16日・17日に行った調査では
支持率は47.5%(前月比マイナス0.2)と横ばい。
ただし不支持率は44.6%(同プラス2)と
やはり増え気味です。
ついでに安倍内閣の景気・経済対策については
「評価する」40.5%にたいして
「評価しない」50.7%。
社会保障政策にいたっては
「評価する」31.8%にたいして
「評価しない」59.0%!
外交・安全保障政策に関しては
「評価する」47.4%が、
「評価しない」44.7%を(どうにか)上回りましたが
経世済民で結果を出せているかどうかをめぐっては
かなり厳しい判断が寄せられているのは否定しがたいところ。
12月14日の記事
「なぜ平成日本が衰退したかを考える(with 中野剛志、施光恒、柴山桂太)」
における
中野さんの発言ではありませんが、
もしかしたら日本人は
安倍内閣にも疲れてきたのかも知れません。
では、昨日につづいて
2017年のわが国のありようを
新経世済民新聞の記事タイトルで振り返りましょう。
7月〜9月です。
稲田防相は自衛隊を暴走させたいらしい(7/12)
保守の対立概念は「反動」なんだってさ!(7/19)
炎上政治と内閣支持率急落(7/26)
現内閣を支持するのは国民の義務らしい(8/2)
支持率変動と認知的不協和(8/9)
ゾンビ映画の社会批評(8/23)
ワイズ・ファイティングと「不戦勝の誓い」(8/30)
前衛意識と自己絶対化(9/13)
前衛の最大の危機とは(9/20)
閣僚の失言があいついだり
森友・加計学園問題が騒がれたりしたこともあって
春を過ぎたころから下降しはじめた内閣支持率は
7月の都議選における自民党の歴史的惨敗を経て
危険水域に突入。
テンパったせいでしょう、
保守と呼ばれる人々の言動もいっそう混乱してきます。
左翼・リベラルのことを「旧体制の反動」と呼んでしまうという、
しょうもない発言が飛び出したのも
この時期でありました。
背水の陣となった安倍内閣は
かなりの議席減を覚悟のうえで9月に衆議院を解散。
しかし絶妙のタイミングで、小池都知事が「希望の党」を旗揚げ!
総理の命運も尽きたか(※)に思われましたが・・・
10月〜12月行きましょう!
(※)適菜収さんなど、「安倍政権とは何だったのか」という本を出したくらいです。
感情的貨幣論と風水的財政政策(10/11)
天高く総崩れの秋(10/18)
経世済民ができた時代への憧れ(11/1)
若者の「保守化傾向」の正体(11/15)
トランプ来日と横田基地(11/22)
「米国に逆らうと日本のようになるぞ!」(11/29)
「痩せ太り」の経済、デフレ型の幸福(12/6)
慰安婦問題と日馬富士引退(12/13)
平成は十年ごとに悪くなっていった(12/20)
例の「排除いたします」発言によって
希望の党は
離陸直後に墜落するかのごとき顛末となる。
この壊滅的オウンゴールのおかげもあり
自民党は解散前の予想をくつがえして大勝。
まことに強運の安倍総理であります。
し・か・し。
この強運の根底にあるのが
政権側の力量や徳目にあらず、
「敵」(=希望の党)の失態にすぎなかったのは
明らかと言わねばなりません。
つまりは「敵への心理的依存」ならぬ
「敵への全面的依存による勝利」だったのです。
さらに11月のトランプ来日で
安倍総理はバンカーでひっくり返りつつも
みごとなアメポチぶりを披露。
長きにわたり
総理はとりあえずアメリカに迎合してはいるものの
したたかに自主独立の機会をうかがっているのだ
という擁護論を得意とした保守派すら
ここにいたるや
自主独立路線は放棄された
と認めざるをえなくなっています。
いいかえれば
対米従属、構造改革、グローバリズムの3点セットは
今後もしっかり続く。
ならば「安倍一強」にいかなる意義ありや?
それどころか現政権は
今や「保守」を謳うどころか
何かにつけて「革命」を連呼するにいたっています。
選挙の勝利にもかかわらず
2017年、保守派は挫折したのであります。
(↓) 「革命派は物事をとことん変えないことには納得しない」(101ページ)
そして戦後脱却の展望が見えないまま
平成だけが終わりに近づき
北朝鮮情勢はますます緊迫してゆく・・・
ジョージ・W・ブッシュ政権(息子のほう)で国連大使を務め、
現在はトランプ政権の外交安保アドバイザーである
ジョン・ボルトンが12月はじめに語ったところによれば
北朝鮮のICBMを阻止できる時間は3ヶ月しか残されていない
のですぞ。
すなわち2017年は
敵への依存と思考停止に始まり、
認知的不協和を経て、
自主独立をめぐる挫折と危機の深刻化で終わった
ということになります。
さあ、2018年はどうなるか?!
やっぱり、これじゃないかなあ。
来年暮れ、
こんなふうに一年を振り返ることは
はたして可能なのか。
そんなことが気になる年の瀬でありました。
ではでは♬(^_^)♬
2 comments
momo says:
12月 24, 2017
〉ジョン・ボルトンが12月はじめに語ったところによれば
北朝鮮のICBMを阻止できる時間は3ヶ月しか残されていない
ICBMが完成しなければ日本に核脅威が発生しても問題ないみたいな言い方ですね。見事なまでに固い絆で結ばれた同盟関係ですね。
この記事の記者の辺真一という人物も、アメリカと北朝鮮が衝突するかどうかが最大の関心事のようです。日本が攻撃対象になっても構わないのでしょうか。
豆腐メンタル says:
12月 27, 2017
2017年後半は世界の情勢が緊迫の度合いを強めました。だがしかし勝手なMVPは『手塚治虫さんの占領体験、または携帯食糧の切ない話』9/8
先日の”桜”の討論で、先生は「国の永続性の否定」という発言をされました。
発言の順序は忘れましたが、藤井先生の身体性のご発言があり。。『この世界の片隅に』への言及もあり。。
そこで私は、手塚治虫さんに関する先生の投稿を思い出しました。
この時、「すきっ腹のブルース」には”身体性”が宿っているからこそ多くの日本人が説得力を感じ、世代を超え惹きつけられるという構造を見たようでした。
戦後日本(または日本人)が占領を直視できていない問題については既に先生に教えていただいていましたので、つまりパラドックス、と。
『この世界の片隅に』は原作マンガしか読んでいませんが、しみじみとした空気感の清々しい作品だと感動したものです。何よりも文学のようなマンガだと感じました。
これは。。手塚さんによる男の脳の身体性?こうの史代さんによる女の脳の身体性?
ともあれ私の感じた文学とは身体性だったのか!と。その気づきが嬉しかったので9月8日はMVP。