早いもので、2018年も後半に入りました。

6月の終わりには、

いわゆる「働き方改革」関連法と、

TPP関連法が国会で成立。

 

ちょうど中野剛志さんと会う機会があったので、

これって要するに

日本国民はとことん酷使したうえで

消費増税でカネを巻き上げ、

そのぶん外国に貢いで

インバウンドでカネを落としてもらおう、という話じゃないか?

と言ったら、

完全にそうだ!

とあっさり。

 

経済とはカネの循環という側面を持っていますが、

日本国民(の多く)を排除した形で

新しい循環をつくりあげようという話。

 

平和をカネで買おうとする国家は衰亡するのがオチ

とはマキャベリの言葉ですが、

自国民ではなく外国人を豊かにすることで

繁栄を維持しようとする国家が出てくるとは

さすがに誰も予想しえなかったのではないでしょうか。

 

6月27日には

水道民営化につながる水道法改正案まで

衆院厚労委で審議入り。

関連記事はこちら。

 

さしずめ、「富国と強兵」ならぬ「貧国と弱兵(ついでにインフラなし)」であります。

 

中野さん、来年の改元で世の雰囲気が変わることに期待しているようですが、どうなることやら。

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それはさておき。

6月27日、米NBCニュースがこんな報道をしました。

 

北朝鮮が非核化するというなら、なぜ核施設を拡張しているのか?

 

北朝鮮専門サイト「38ノース」の専門家が

衛星写真を解析したところによると

寧辺の核施設周辺でインフラ整備が急ピッチで行われている模様!

元の記事はこちら。

 

専門家の中には

平壌から特段の指示があるまで、

寧辺の核施設関係者が従来通りに作業するのは当然

として、

これが北朝鮮の裏切りを示すものではないと述べる者もいます。

 

ただしミドルベリー国際大学院のジェフリー・ルイスは

要するにこれは非核化などする気がないということだ

と断言。

 

カーネギー国際平和基金のジェームズ・アクトンにいたっては

以下のように発言。

 

北朝鮮の行動をめぐるアメリカ政府の想定と

現実の北朝鮮の意向との間には巨大なギャップがある。

これは恐ろしく危険だ。

トランプ政権は、アメリカ国民はむろんのこと

自分たち自身にも「非核化は成功する」とウソをついているのだ。

 

さらに翌日、

NBCニュースは米政府の情報関係者5名の発言として以下を報道。

 

1)北朝鮮は寧辺以外にも、最低2つの秘密核施設を持っている。

2)それらの施設ではここ数ヶ月、濃縮ウランの増産が進んでいる。

 

ある情報関係者など

北朝鮮がアメリカを騙そうとしていることに疑問の余地はない

と断言したとのこと。

関連記事(ロイター)はこちら。

 

この話について、CIAはコメントを拒否。

国務省も「そんなことは確認していない」としたうえでコメントを拒否。

ホワイトハウスはコメントの要請に返答しなかったそうです。

 

ただし、先の記事にも出てきたジェフリー・ルイスいわく。

北朝鮮の非核化というのは

核施設の一部のみを廃棄して、

残りを秘密のうちに温存することではないのか。

 

元CIAの朝鮮半島専門家で、現在はヘリテージ財団にいる

ブルース・クリングナーいわく。

NBCの報道は、「北朝鮮の核の脅威はなくなった」というトランプの言葉が

バカ話にすぎなかったことを示すものだ。

 

さすがにわが国でも、

この話は広く報道されています。

たとえば・・・

「北は秘密施設で核を増産」(米NBC)で始まる米朝心理戦? (FNNプライム)

北、核兵器材料を増産 濃縮ウラン「複数の秘密施設で」 米報道(産経新聞)

北朝鮮が秘密施設でウラン増産~米NBC(日テレNEWS24)

北朝鮮、核兵器製造の継続隠蔽か 米紙(AFP時事)

すべてクリックできますからね。

 

他方、小野寺防相は6月30日、

山口県での講演で次のように発言。

 

もう弾道ミサイルの問題や核問題は

遠のいたじゃないかとよく言われる。

実際に北朝鮮は弾道ミサイルを廃棄しているか、

核弾頭をちゃんと引き渡しているか、

一つも引き渡していない。

実際まだ何も前に進んでいない。

関連記事はこちら。

 

どうやら非核化も宇宙のジョーク!

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となると問題はこれです。

じゃあ、トランプはどうするの?!

 

フジテレビ解説委員の能勢伸之は、

FNNプライムの記事で以下のようにコメントしています。

 

共同声明には非核化への具体的な道筋がなかったことが

問題として指摘されてきたが、

高濃縮ウラン生産という決定的な証拠を米側が掴めば、

再び、トランプ政権の都合の良いタイミングで証拠を明かすとともに、

「大統領は騙された」として、

再び、“すべての選択肢がテーブルの上に載る”ということになるのかもしれない。

もちろん北朝鮮が、この報道を機に、本当に非核化に動けば、もっとも望ましいことにはなるが。

 

つまりは対決路線への逆戻り。

ジェームズ・アクトンもこう述べました。

 

遅かれ早かれ、トランプは顔に生卵をぶつけられたような気になるんじゃないかと思う。

その場合、去年の夏のように

彼がブチ切れて攻撃的な言動に走らないか、非常に心配だ。

 

能勢さんのほうがアクトンよりも

楽観的というか、希望的観測を述べているのが興味深いところです。

とはいえここで思い出すのが、「リア王」の有名な台詞。

 

これが最悪と言えるうちは、まだ最悪ではない。

 

米朝会談の直後、

私は「おはよう寺ちゃん」で、

これは米朝による巨大な芝居の始まりではないかと述べました。

 

♬い〜つ〜までも、い〜つ〜までも・・・(放送中に入るCMです)

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北朝鮮は核兵器を廃棄するふりをして、

アメリカは北朝鮮の体制維持を保証するふりをするという次第。

 

能勢さんもアクトン氏も、

北朝鮮がひそかに濃縮ウランを増産していると分かれば、

この芝居はおじゃんになるという前提のもと話しています。

つまりはトランプが

「やってられっか!」と叫び出すという話。

 

し・か・し。

 

もし万一、

トランプが見て見ぬふりをして現実を否認し、

「非核化と体制保証」の芝居を続けたらどうなるか。

 

北が核を保有していたところで

米本土に届くミサイルを持っていなければ

アメリカは同国の核の脅威にさらされていることにはなりません。

 

これがトランプにとっての「北の非核化」の内実だったとしたら?

 

実際、北朝鮮はICBM開発に使われた

平安北道の西海衛星発射場の廃棄を

アメリカに約束しているのです。

関連記事はこちら。

 

トランプは「アメリカ・ファースト」の男。

自国に核が届かなければ

ぶっちゃけ、あとはどうでもいいのではないか。

ただし「北の非核化をなしとげた人物」という評価はほしいはず。

 

ならば

1)ICBM開発廃棄+ひそかな核開発黙認で金正恩と手を打ち、

2)その後は北の核開発について報道があっても否定する

という行動を取る可能性もあるのではないか?

 

「アメリカと100%共にある」などと言って

トランプに追従することしかできない某国政府が

その際、いかなる反応を示すかは

想像するだに背筋がクールになるものがあります。

 

みなさんも暑くて寝苦しいときは

このことをじっくり考えてみるといいかも知れませんよ・・・

 

「そういうクライテリオンで危機に対峙するのか?」(※)個人の感想です。

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「涼しいどころか寒くなりそう」(※)個人の感想です。

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「まさに日本沈没だな」(※)故人の感想です。

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