靖国に参拝してもらっては困る、
という安倍総理の暗黙のメッセージを
知ってか知らずか見事に無視、
昨年末に「KY参拝」を断行した
稲田朋美防衛大臣。
これについては1月19日の記事
「日本は(良くも悪くも)戦前になど回帰しない」
で取り上げましたが、
またまたやってくれました。
今回はBW(文脈分からない)答弁です。
まずはこちらを。
「長い!いらない!」稲田防衛相の答弁打ち切り
稲田朋美防衛相が(2月)2日の衆院予算委員会で、
共産党の笠井亮議員の質問に、
ほとんど関係ない答弁を続けたとして、
浜田靖一委員長から答弁を「強制終了」されるひと幕があった。
浜田氏は、稲田氏と同じ自民党議員であるだけでなく、防衛相経験者。
要領を得ない後輩大臣の答弁内容に堪忍袋の緒が切れたのか、
「(答弁が)長い!」と、いらだつシーンもあった。
それによると、
笠井議員は昨年沖縄で起きた
米軍のオスプレイ事故について、
アメリカ側の最終的な事故調査報告書はいつ出るのか
とたずねたのに、
防相は「飛行安全の確保は大前提」などと
トンチンカンな答弁をしたとのこと。
(-_-#)\(◎o◎)/そういうことじゃないだろうが\(◎o◎)/(`ヘ´)
ようやく「数ヶ月を要する」とか
「六ヶ月以内」と答えたものの、
原因究明の調査が終わらないうちに、日本側は飛行を認めたのではないか
と突っ込まれると、
「防衛省でも独自に分析している」として
答弁書に記された内容を
8項目にわたって棒読みする始末。
(-_-#)\(◎o◎)/だから、そういうことじゃないだろうが\(◎o◎)/(`ヘ´)
その顛末こちら。
浜田氏もさすがに、「第7」の項目の段階で
「大臣、長い。あまり長いと止めますよ」と、最後通告した。
それでも「最後に…」と8項目目を読み切ろうとする稲田氏に、
浜田氏は「最後はいらない!」と、ついにぶち切れた。
稲田氏が、すべてを読み終える少し前に、
「はい、そこでやめましょう」と、答弁を打ち切らせた。
浜田氏は、質問とは無関係の答弁を延々と続けた稲田氏に、
「大臣、ひと言申し上げます。質問に答えてください。終わります」と異例の通告。
「はい、あの、委員長…」と主張する稲田氏には取り合わず、
笠井氏を指名した。
防相経験者の自民党議員が
現役防相である自民党議員よりも
共産党議員の肩を持ったのですから
とんでもない答弁だったのは明らかでしょう。
実際、この棒読みは5分近く続いたとのこと。
別の報道でも、こうなっています。
稲田氏が1から8までの項目順に沿って説明する最中、
浜田氏は2度「簡潔に願います」と注意。
答弁を続ける稲田氏に、
「大臣長い。あんまり長いと止めますよ」と警告したがそれでも変わらず、
稲田氏が「最後に」と8項目目の説明に入ろうとすると、
浜田氏は「最後に、はいらない」と突き放し、
説明が途切れた瞬間に「そこでやめましょう、大臣」と答弁を打ち切った。
防相に好意的な可能性が高い某新聞すら、こう書いていました。
稲田朋美防衛相が2日の衆院予算委員会で、
沖縄県名護市沖での米軍垂直離着陸輸送機
MV22オスプレイの不時着事故をめぐる
野党議員の質問に直接答えず、
浜田靖一委員長(自民)から「質問に答えて」と注意される一幕があった。
(防相は)「日本政府においても専門的知見に照らして独自に分析した」
「米側が有効であると思われる対策を幅広く取っていることを確認した」などと述べ、
質問には直接答えなかった。
その後、笠井氏が
「米国に言われたまま飛行再開を認めただけということではないか」
と問い詰めたのに対し、
稲田氏は同じような答弁を繰り返した上で
「防衛省における分析と評価について、8つの項目に分けて具体的に申し上げる」と、
その内容を延々と説明し出した。
こんな答弁が行われるかぎり
私は現政権をあまり信用する気になれません。
都合の悪い質問には頬被りを決め込み
無関係なことを並べ立てるだけですむのなら
なんだって正当化できるからです。
そんな態度を取る政権のやることは
内容がまっとうに見えたところでロクな結果にならないと考えるのが
思慮深い態度ではないでしょうか?
エドマンド・バークの言葉を引用すれば、以下のとおり。
世の中には、
困難に立ち向かう勇気を欠いた者もいる。
そういう連中は、
とかく安易な近道を探したり、
あれこれ小細工を弄したりする。
(中略)
英知が足りないぶん、
物事を力ずくで押し切ろうとするのだ。
本質的な解決になるはずがなかろう。
(↓)195ページに登場する一節です。
防衛大臣が困難に立ち向かう勇気を持たずに
国の安全保障がどうやって成り立つんですかね?
こんなことをたずねたら
「対米従属が大前提」
なんて答弁が返ってきたりして・・・ (^◇^;)
だから『右の売国、左の亡国』だというのですよ。
ではでは♬(^_^)♬
11 comments
GUY FAWKES says:
2月 4, 2017
>こんな答弁が行われるかぎり私は現政権をあまり信用する気になれません。
>都合の悪い質問には頬被りを決め込み無関係なことを並べ立てるだけですむのならなんだって正当化できるからです。
>そんな態度を取る政権のやることは内容がまっとうに見えたところでロクな結果にならないと考えるのが思慮深い態度ではないでしょうか?
「米国側から最終的な報告書が提出されるのは早くても数ヶ月はかかる」
と、せめて素直に不備を認めるくらいできなかったんですかね…?
とまれ、こんな有様ではそもそも「内容がまっとう」かすらも非常に懐疑的にならざるを得ませんね。
だってオスプレイに関わらず安全性の立証すらも政治の場でまともに議論してくれない政府閣僚に命を懸けるなんて、
現場の兵士さんたちからすれば堪ったものではありません。
必要とあらば薄給で血と汗を流す自衛隊員と米軍兵士すら軽率に扱う…
戦後日本の「対米従属」とは額面通り受け取る以上に醜い本質が顕在化してきたようです。
Tomoko says:
2月 5, 2017
この件、稲田防衛相がイジメにあっているかのように思えます。
どの大臣であっても、あれは官僚が用意した原稿を読む場面でしょう?あらかじめ用意された質問にあらかじめ用意された回答原稿を読む場面でちぐはぐだったわけですから、これは組織的に「しくまれている」ということではないですか。
「防相経験者の自民党議員が現役防相である自民党議員よりも共産党議員の肩を持ったのですからとんでもない答弁だったのは明らかでしょう。」という意見に関して。そういうようにしたのは、防相経験者で防衛省官僚とも通じている自民党議員が「こればいい場面設定!」とばかりに、かばうべき自分の党の後任である稲田防衛相を必要以上に辱めている場面であるということです。
「実際、この棒読みは5分近く続いたとのこと。」これは稲田防衛相の「抵抗」であったのかと。この件に、稲田さんを弁護する声は(安倍総理サイドからも)出ないということは、結局、安倍さんの力よりも省大臣の力よりも官僚の力が強く、それは崩れないということでは。
そして、論理はここで飛びますが、女性が長に立つことは特に許せないと皆が団結する日本は永遠に変わらないだろうと、女性である私は既視感とともに再確認しました。
mashimaro says:
2月 5, 2017
小池氏も同様ですが、女性だからと担ぎ上げてしまうことは、今の時代だからこそ非常に危うく感じます。
まず、貴方の言う官僚の力ですが、
こういう場面すら切り抜けられない女性が官僚の言いなりにならない保証があるのでしょうか?
私には、更に官僚に頼るようになると思われます。小池氏もおそらくそうでしょう。
官僚を咎めているのではないのです。
この程度の答弁すらまともにできず有耶無耶にする政治家が問題なのです。
性別は関係ありません。
そもそも、この失われた20年間を総括し反省できない時点で、性別関係なく、誰がどの立場になろうと、
日本がまともになることはないでしょう。
貴方は日本が変わらないと仰っていますが、随分と変わっていませんか?悪化の一途です。
変化には改善の道もあれば悪化の道もあるのです。
方向も確認せず、ただ変わりたい、変えたい、そういう願望のみで舵を取ってきた結果、
社会は方向を見失い、閉塞感は増すばかりです。
日本を変えようとするものが日本の衰退化を固定化したという皮肉です。
女性だから、若者だから、しがらみがなさそうだから…そういう支持はもうやめませんか?
それら「ただ変えたい願望」が結果的に…という話です。
それに、あまり女性の活躍というものに気を取られすぎると、女性を大切に想ってもいない連中に利用されますよ。
一億総活躍とかいうやつです。
はっきりさせておきますが、私自身女性の首相でも何でも大歓迎です。
しかし、それは政策や方向性ありきのことです。何故か?
本来、一国の安定を担う立場です(今は破壊を担ってるようですが)。
失政による損失は、この20年だけを見ても相当なものです。経済的に成長していない国は日本以外無しです。
社会の不安定化を、「女性だから」で片付けられますか?
地方の疲弊、孤立化、共同体の希薄化を「女性だから」で片付けられますか?
一国の命運を握る立場になるのです。私としては、その道を選ぶ女性には相当の覚悟を望みます。
ですから、今回の稲田氏の答弁を擁護する気にはなれません。
補足ですが、TPPに関してもそうでしたが、稲田氏は立場によりコロコロ意見を変える印象が強いです。
結局、方向性も方向感覚もなく、
女性であればよしというのは、単に表面の色を変える誤魔化しにしかならないと思います。
しかも、現在の衰退路線を修正できなければ、世界各国を見て頂ければお分かりになられると思いますが、
社会が、女性初などという看板などよりも目下の生活だ、となるはずです。
余裕のない社会が続くことと、女性が活躍することは相容れないのではないでしょうか。
それに、今後の世界はさらに厳しい情勢が予想されます。
その中で国益を第一に考えるべき立場に女性がなるわけです。
女性だから許すなどという次元の国が、例えばあのトランプと張り合えますか?
その器の女性であれば、どうか首相になって頂きたい。
しかし、あの程度の答弁に終始する人にその器が備わっているのかは疑わしいと言わざるを得ません。
期待するのが酷です。
もし本当に女性の立場を考えるのであれば、こういう見方も必要ではないでしょうか。
長文すみません。
GUY FAWKES says:
2月 5, 2017
横から大変失礼しますが、そもそも野党議員からの質問に対して「官僚が用意した原稿を読む場面」という予定調和が
現実の政治において常在すると本気で思われているのであれば、それはあまりにも本質を直視されていない
履き違えた論理としかお見受けできませんね。
仮にそれに従うのであれば稲田大臣は当該原稿がどんなものであれそれを読んでさえいれば、
共産党議員の質問に答えうるものではないと判断し、その場で安倍首相を除いては国家安全保障を司る
防衛省の政治レベルにおけるトップとして臨機応変かつ主体的な答弁を行えなくても構わないとしている様なものです。
これでは20年以上前に阪神淡路大震災に直面した際の村山富市首相とまるで同じではありませんか!
そもそも稲田さんを防衛相に推薦したのは安倍首相ですよね?
また、あの時に与党側が助け舟を出すべきだったとして稲田大臣が自主的に適切な答弁をしなくてよいかどうかは
全くの別問題です、更に言えばそれこそ政治主導がなされていない証左になってしまう。
それを「稲田防衛相がイジメられている」「女性が長に立つことは特に許せぬと皆が団結している日本は永遠に変わらない」
などと性別を取り上げた印象論にすり替えられるというのは論理の飛躍という次元ではなく、
思考停止とキッチュの二重奏と言わざるを得ないでしょう。
大体にして、その物言いでは裏を返せば「女性なのだから多少のいい加減さは大目に見てやってもいい」と
然も気遣いをしているかの様に糊塗して、その実女性蔑視的なニュアンスを見出すこともできますが如何でしょうか?
長々と失礼しますが、女性の尊厳を尊重することは大切です。
しかし政治的に適切な対応をする当然の必要性もまた別問題です。
shun says:
2月 5, 2017
稲田さんが集中砲火を浴びているように
見えますが、戦において一番「弱いところ」を
攻めるのは当然ですからね。
ある意味、浜田委員長が助け舟を出したようにも
見えますね(笑)
SATOKENJI says:
2月 5, 2017
本当のことが言えないのは仕方ないとしても(←決して良くありませんが)、
もう少し機転を利かすことはできたでしょう。
たとえば「調査が終わる前に飛行を許可したのか」という質問にたいし、
安全保障は24時間体制で行わねばなりません。
向こうの調査が全部終わるまで待てないこともあるのです。
ただし、オスプレイの安全性については防衛省でも独自に分析しました。
ご希望であれば、内容を申し上げます。
と答えていたらどうだったか。
そのあとでいくら棒読みしても、質問した側の責任になるのですよ!
そして安全保障においては、つねに臨機応変であることが求められるのです。
shun says:
2月 5, 2017
先生のおっしゃる通りですね。
特にこの部分
〉安全保障は24時間体制で行わねばなりません。
この部分って安全保障における「原則」だと思うんです。
政治家の方々にも、無い事はないんでしょうが
この「原則」がすぐさま口から出てこないっていうのが問題じゃないかと。
たぶん稲田さんは
野党が「住人の安全はどうなるのか?」と言ってくるだろうと予想し、
それを恐れて、歯切れが悪くなったのでしょうが・・。
ところかわってイギリスでは
メイ首相が原子力潜水艦の更新をめぐって
野党から「罪のない戦地の子供たちに向けて核ミサイルを撃てるのか」と問われて
即座に「YES(補足:イギリス国民を守るために)」と答えましたね。
このやり取りの中には「原則」があったのではと思います。
どうも日韓合意や北方領土を見ていると「原則」が見えないんですよね・・。
「リアリスト」を自称するのはいいのですが
もう少し「原則」も大切にして下さい、と言いたくなる今日この頃です。
私のような一般人ごときが言っても、感情論・釈迦に説法ですが。
玉田泰 says:
2月 12, 2017
稲田氏は特定の思想に凝り固まっているように見えます。
そのこだわりのせいで臨機応変さを欠いているのではないでしょうか?
そしてその頑なさがTOMOKOさんの仰る「イジメにあっているかのよう」な印象を受ける
原因なのではないてしょうか?
SATOKENJI says:
2月 12, 2017
そのわりにご都合主義的なような・・・
玉田泰 says:
2月 12, 2017
すみません!
ただTOMOKOさんへの応援メッセージが書きたくて
(コメントの内容には同意出来ませんが)
ほぼ想像で理屈捏ねました。
先生にすっかり見透かされましたが
稲田氏のことはあまりよく存じ上げません。
ご都合主義は僕ですね。
まあ、つい最近TPPを学んで驚愕したくらいだから
政治オンチは折り紙付きですよね?
それにしても不思議なのは皆さんが
どのようにして情報収集されているのかです
(例えば稲田氏の人柄についてとか)
皆さんはどのように政治を学ぶのですか?
そして先生は?
博史 says:
2月 5, 2017
詭弁と強弁ばかり行っている現政権の閣僚に、そんな機転の利いた答弁を行うのは不可能でしょうねぇ・・