さて、

2月2日の話の続きです。

PART1の内容を要約しておけば、以下の通り。

 

1)2017年12月1日の早朝、沖縄市は沖縄自動車道で、車数台がからむ事故が発生した。

 

2)その際、米海兵隊のヘクター・トルヒーヨ曹長が、

 キャンプ・ハンセン所属の二等軍曹の運転する車にはねられて

 一時は意識不明の重体となった。

(※)現在は回復、リハビリ中との話。

 

3)地元メディアはこの事件を報じたが、これにたいして12月9日、

 産経新聞那覇支局の高木桂一支局長が噛みついた。

 

高木氏の書いた記事によると、

トルヒーヨ曹長がはねられたのは

事故によって横転した軽自動車に乗っていた日本人を救おうと

自分の車から下りていたため、とのこと。

 

つまりは他人を救おうとした英雄的人物なのに

地元メディア(要するに琉球新報と沖縄タイムス)はこの点に触れようとしない!

 

にもかかわらず、事故が発生したのと同じ12月1日、

女性への暴行、殺害などの罪に問われた

元海兵隊員で軍属のケネス・シンザト被告に

無期懲役の判決が下りた件については

大々的に報じている!!

 

これはいったい何事だ!!!

 

以下、記事本文より。

 

常日頃から米軍がらみの事件・事故が発生すると、

「けしからん!」「米軍は出て行け!」と言わんばかりにことさら騒ぎ立て、

米軍の善行には知らぬ存ぜぬを決め込むのが、

琉球新報、沖縄タイムスの2紙を筆頭とする沖縄メディアの習性である。

 

かくして今回のトルヒーヨさんの美談も、

シンザト被告の無期懲役判決報道にかき消され、完全に素通りされてしまった。

わけても「差別」に敏感な2紙は昨今、

「沖縄差別」なる造語を多用しているが、それこそ「米軍差別」ではないか。

 

「報道しない自由」を盾にこれからも無視を続けるようなら、

メディア、報道機関を名乗る資格はない。

日本人として恥だ。

とまれ、トルヒーヨさんの一日も早い生還を祈りたい。

記事全文はこちら。

 

いやあ、タンカを切ったもんだねえ!

さすが産経!!

 

・・・と、言いたいところですが。

以下の記事をどうぞ。

 

産経報道「米兵が救助」米軍が否定 昨年12月沖縄自動車道多重事故

(琉球新報、1月30日配信)

 

昨年12月1日に沖縄自動車道を走行中の米海兵隊曹長の男性が、

意識不明の重体となった人身事故で、

産経新聞が「曹長は日本人運転手を救出した後に事故に遭った」

という内容の記事を掲載し、

救出を報じない沖縄メディアを

「報道機関を名乗る資格はない」などと批判した。

 

しかし、米海兵隊は29日までに

「(曹長は)救助行為はしていない」と本紙取材に回答し、

県警も「救助の事実は確認されていない」としている。

産経記事の内容は米軍から否定された格好だ。

 

県警交通機動隊によると、

産経新聞は事故後一度も同隊に取材していないという。

産経新聞は事実確認が不十分なまま、誤った情報に基づいて沖縄メディアを批判した可能性が高い。

元の記事はこちら。

 

それによると、

どうも海兵隊のツイッターが

トルヒーヨ曹長の回復を祈る沖縄県民の運動について紹介する際

「多重事故で横転した車から県民を救出した直後に車にひかれ」

と書いたらしいんですな。

 

ちなみにこの記述、後に

「多重事故で車にひかれ意識不明の重体になった」

に変更された、とのこと。

 

海兵隊いわく。

事故に関わった人から誤った情報が寄せられた結果(誤りが)起こった。

 

ついでに沖縄タイムスの2月2日の記事いわく。

 

県警によると、車から助け出された男性は

「日本人2人に救助された」

と話している。

交通機動隊や交通指導課は産経新聞の取材を受けていないという。

 

海兵隊も「現場にいた目撃者によると、

曹長は事故に巻き込まれた人々の状況を確認するため、

道路脇に止まった後にはねられた」と説明。

「目撃者の中で、曹長の救助活動を確認できた者はいなかった」と答えた。

元の記事はこちら。

 

これが正しければ高木支局長は

トルヒーヨ曹長は日本人を救出しようとしてはねられた

という話を聞くなり

地元メディアがこれを報じないのは、

反基地・反米に凝り固まって偏向しているからだ!!

と妄想崛起的に思考が爆走、

話の裏を取ることなく

感情にまかせて記事を書いたことになります。

 

妄想崛起的なフィルターを通じてしか現実を認識できず、

ゆえにつまらぬことで有頂天になったり

はたまたイカレポンチ的に落ち込むことを

最近では「勝手にふるえる」と申しますが、

つまりは

沖縄メディアの勝手なふるえを批判するつもりで

自分が勝手にふるえてたのではないか? という次第。

 

みなさん、ご一緒にどうぞ!

W(^_^)W\(^O^)/♬ゼーツメーツすべきで〜しょうか〜♬\(^O^)/W(^_^)W

出典こちら。

 

こういう現象を、心理学では「投影」と申しますが、

さて真相はいかに。

 

・・・記事を付き合わせてみるかぎり、

いかんせん産経のほうが分が悪い。

なぜか。

 

1)高木支局長は、事故にからんだ車の数を6台と(正しく)書いているが、

記事の中の事故経緯を読むかぎり、車は5台しか出てこない。

 

12月1日の事故に関係した車は

1)最初の追突事故にからんだ乗用車

2)この事故で横転した軽自動車(救出された運転手はこれに乗っていた)

3)それに気づいて停車した2台目の軽自動車

4)2台目の軽自動車に接触したトルヒーヨ曹長の車

5)トルヒーヨ曹長の車に衝突した米軍貨物車

6)曹長をはねた二等軍曹の乗用車

ですが、

高木記事には(5)が出てこないのです。

 

しかしそれでは、話のツジツマが合わない。

細部が不正確なのは否定できません。

となると、救出うんぬんについても確認した可能性は低い。

 

2)トルヒーヨ曹長が救助活動をしていたという箇所について、ソースが明記されていない。

 

曹長の妻・マリアさんのコメントは紹介されているものの

彼女が事故現場に居合わせたかどうかは書かれていません。

早朝の出来事ですから、いなかった可能性が高いでしょう。

 

海兵隊担当者のコメントも載っていますが、

この人物が現場にいたはずはない。

 

そして「県警交通機動隊によると」と明記されている部分には

救助をめぐる話が出てこない!!

「話を確認せず報道する自由」を行使したか?

 

メディア、報道機関を名乗る資格はない。

日本人として恥だ。(Ⓒ高木桂一)

 

3)問題を指摘されたあとの弁明が苦しい。

 

琉球新報は高木支局長に

(1)どのように事実確認をしたのか

(2)県警に取材しなかったのはなぜか

(3)沖縄メディアには取材したのか

を問いただした模様。

 

返答こちら。

当時のしかるべき取材で得た情報に基づいて書いた。

 

キーワードは「当時の」ですね。

事故発生直後、救出うんぬんをめぐる話があったことは間違いない。

だから、それに飛びついたわけです。

で、後のことは知らん、と。

 

論理的に言っても、

当時のしかるべき取材で得た情報に基づいて書いた

とは、

その後(「当時」のあと)はしかるべき取材をしていない

ことを否定しません。

 

ついでに沖縄タイムスによれば

産経新聞広報部は

取材に関することにはお答えしていません。

必要と判断した場合は記事化します。

とコメントした。

 

ここからは以下の二点が分かります。

1)今までのところ、産経は撤回・謝罪の記事を出していない。

2)そして、これからもする気は(現時点では)ない。

 

W(^_^)W\(^O^)/♬ゼーツメーツすべきで〜しょうか〜♬\(^O^)/W(^_^)W

 

琉球新報はこう書いています。

 

産経ニュースの報道後「なぜ救助を伝えないのか」という意見が本紙に多く寄せられた。

 

最大の理由は、県警や米海兵隊から救助の事実確認ができなかったからだ。

一方で救助していないという断定もできなかった。

海兵隊は、現場にいた隊員の証言から

「他の車の運転手の状況を確認はしたが救助行為はしていない」と回答したが、

曹長が誰かを助けようとしてひかれた可能性は現時点でも否定できない。

 

それでも今回報道に至ったのは、

産経新聞が不確かな「救助」情報を前提に、

沖縄メディアに対して

「これからも無視を続けるようなら、メディア、報道機関を名乗る資格はない。

日本人として恥だ」と書いたことが大きい。

産経新聞の報道が純粋に曹長をたたえるだけの記事なら、

事実誤認があっても曹長個人の名誉に配慮して

私たちが記事内容をただすことはなかったかもしれないが、

沖縄メディア全体を批判する情報の拡散をこのまま放置すれば読者の信頼を失いかねない。

 

報道機関が報道する際は、当然ながら事実確認が求められる。

最初に米軍側が説明を誤った可能性を差し引いても、

少なくとも県警に取材せずに書ける内容ではなかったと考える。

産経新聞は、自らの胸に手を当てて「報道機関を名乗る資格があるか」を問うてほしい。

 

出ました!!

W(^_^)W\(^O^)/胸の痛みを感じないのか(Ⓒ水島社長)\(^O^)/W(^_^)W

 

いや、沖縄のメディアが

反基地・反米・反日本政府で

勝手にふるえる傾向があるのは事実ですよ。

 

だからといって、

沖縄メディアを批判するためなら、

勝手にふるえていいことにはならない。

 

今回の批判合戦、

少なくとも現時点では産経の完敗と言わねばならないでしょう。

絶滅危惧種の左翼・リベラルにここまで負けるようでは

やはり保守派も絶滅危惧種なんだろうなあ。

 

(↓)ホシュもゼーツメーツすべきで〜しょうか〜? というわけで、この4冊をどうぞ。 

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ではでは♬(^_^)♬