お待たせしました。
9月16日発売の新著、
Amazonで予約受付がスタートしています。
題して、
『平和主義は貧困への道』。
知らなかっただろう!
Amazonの商品ページには記されていませんが、
サブタイトルはこちら。
『または、対米従属の爽快な末路』。
今のところ、カバーは「COMING SOON」となっていますが、
これはまったくその通り。
私と、
担当編集者、
装幀担当デザイナー、
そしてイラストレーターの間で
目下、ホットなやりとりが展開されているのです。
とはいえ、
前にもちょっと触れたとおり
素晴らしく斬新で、
目を惹かずにはおかないカバーとなるのは
もはや確実と断言しましょう。
とくに担当編集者のSさん、
私のコンセプトを完璧に理解したうえで
今回の本にとことん入れ込んで下さっており、
唸るようなアイディアを
バシバシ出してきてくれています。
さて。
国際社会の現実をみごとに無視、
ないし否認したあげく、
戦争の永久放棄だの
戦力不保持だの
交戦権の否定だのを唱える
戦後日本型の平和主義が
かえって戦争や紛争を引き起こしかねないものであることは
今までも指摘されてきました。
そんなお花畑的お人好しの国なら
ひとつ支配下に置いて従属させてやろうという話に
なっても不思議はないからです。
わが国の保守と呼ばれる人々は
まさにこの点から
平和主義を批判してきたはず。
し・か・し。
戦後日本型の平和主義の弊害は
国防、ないし安全保障の領域にとどまるものではありません。
タイトル通り、
なんとそれは貧困への道でもあるのです!
平成の30年間、
繁栄を謳歌していたはずのわが国が
迷走を繰り返したあげく
没落にいたる経路をたどっているのは
その意味でまったく当然の帰結。
戦後とは本来、
日本が豊かになるなどありえないはずだった時代なのです!!
それをどうにかひっくり返して
復興と高度成長、
要するに経世済民をなし遂げ、
少なくともいったんは
世界有数の経済大国となったのですから
日本人(とりわけ戦後保守)は大変な偉業をなしとげたと言わねばなりません。
けれどもその成功は
対米従属という前提のもとでのもの。
そして平成に入ったころから
これが裏目に出始める。
つまり対米自立を果たし、
「富国と強兵」路線を追及する以外、
わが国のさらなる発展はありえないのですが・・・
みなさんお立ち会い。
戦後保守を含めた多くの日本人は
新自由主義やグローバリズムの名における対米従属が深まり、
わが国がどんどん没落してゆくことに
ひそかな爽快さをおぼえている可能性が高いのです!!!
さあ、この男はどう反応するか。
というわけで、
平和主義は貧困への道 または対米従属の爽快な末路
となるのですが・・・
みなさん、ご一緒にどうぞ。
「どうして、そんなことになるの?!」
それをじっくり、
しかも面白く読みやすい形で
徹底的に論じようというのが
この本なのであります。
すなわち戦後日本を理解するための
まったく新しい判断基準、
つまりはクライテリオンを提示しようという次第。
そして、その目標は達成されたと信じています。
さあ、この男はどう反応するか。
とはいえ、ご安心を。
取り組むテーマこそハードですが
本書は決して、ディープでダークなものではありません。
むしろ「この世はすべて宇宙のジョーク」というノリのもと
ファンキーでヒップな仕上がりになりました。
中野剛志さんの『日本の没落』は
希望がなくても、
救いがなくても、
絶望的な持ち場で頑張り通すのが義務なのだ。
ポンペイの城門の前でその遺骸が発見された、
あのローマ兵士のように頑張り通すことこそが。
という
高貴な悲壮感に満ちた決意表明で終わりましたが、
それにならえば『平和主義は貧困への道』は、
目の前でヴェスビオ火山が噴火していようと
クールに踊ることはできるぜ!
と宣言する本かも知れません。
ここで想起されるのが
フレンチ・ポップスの大物セルジュ・ゲンスブール。
彼は1975年、
第二次大戦末期、
陥落寸前となったベルリンの地下司令部で
ヒトラーがロックンロールにあわせて踊っている
というコンセプト・アルバム
『ロック・アラウンド・ザ・バンカー』(地下司令部で踊れ)を発表しました。
「落ちてくる、爆弾が。うまく行っているぜ、素敵なダンスパーティだ」(※)セルジュの歌詞より。
れっきとしたユダヤ人で
戦時中は胸に黄色い星をつけさせられた経験もあるのに
これをやってしまうのが
ゲンスブールのゲンスブールたるゆえんなのですが、
ならば今回の本は
「戦後」の残骸の中で踊れ
というところでしょう。
「アトミック・ガールズ、アトミック・ガールズ、脚は今日も上がりつづける」(※)私の歌詞より。
希望がなくても、
救いがなくても、
没落する祖国で踊りまくるのがクールなのだ。
ポンペイの城門の前でその遺骸が発見された、
あのローマ兵士だってパドブレ(※)を踏んでいた【要出典】。
(※)バレエ、ジャズダンス、ハウスなどの基本ステップの一つ。
「平和主義は貧困への道 または対米従属の爽快な末路』
版元はKKベストセラーズです。
ご期待下さい!!
あ、そうそう。
本日は佐波優子さんと『FRONT JAPAN 桜』をやりました。
よろしければ、こちらもご覧下さい。
すでにこんなコメントが来ていますよ。
佐藤さんのような知識人がもっと増えてほしいですね。この方こそ真っ当な保守だと思います。
都合の悪い現実に目を背けず、言うべきことを言う姿勢はもっと評価されてほしいです。
まあ、現実を否認して愛国お花畑に逃げこんでいる者にとっては、受け入れたくないだろうがね。
そしてもちろん、新刊が出るまでに読むべき4冊はこちら!
9 comments
豆腐メンタル says:
8月 18, 2018
新しいご著書楽しみです。
平和主義が貧困につながり、従属が爽快ですか。。
まるでアリスの言葉遊びの仮想世界。
ともすれば自分が狂うしかない停止した世界。
このキチガイじみた世を”ユーモアまたは真なるもので包んで血脈を取り戻す人”こそ真の保守主義者でしょう。
やはり佐藤先生には理数が似合います。
tanza says:
8月 18, 2018
カバーデザインの予想は、
「やけのやんぱち日焼けのなすび 色は黒くて食いつきたいが わたしゃ入れ歯で歯が立たない」。
SATOKENJI says:
8月 18, 2018
それのどこがクールでヒップなのかね(笑)
ヤン・ウェンリー命 says:
8月 18, 2018
これは興味がそそります。買おうと思います。
そしてついでに・・・クールでヒップなダンスを習得せねば?
shun says:
8月 20, 2018
佐藤先生、新刊発売おめでとうございます。
発売されたらぜひ読ませていただきます。
最近、北朝鮮が非核化を求めるアメリカの提案を
拒否しておりますが、保守の方々は何故か
アメリカ目線で国際情勢を語ることが多くなりましたね。
(あれ?日本の保守ですよね?)
某社長「アメリカの対北朝鮮政策は中国孤立のための戦略」
「北朝鮮は北京上海に届く
中距離核ミサイルは捨てない。
安全保障を考えたら当然のこと」(驚愕)
北京に届くということは東京にも届くんですが・・(笑)
日本の国益と拉致問題はどこに行ったんじゃ〜い☝
「絶望が足りない」症候群も、行き過ぎると
マズいことになりますね(´・ω・`)
治療薬は「日本の滅亡」ですかね。
メイ says:
8月 22, 2018
「軍国主義は一部(軍産複合体等)の金儲けへの道」。
日本が滅びる、というよりは、長州レジームが滅びる可能性はあるかもしれない。
それの矛盾や問題点が大きくなっていってる気がするから。
あまり「日本が滅びる」「滅亡」といった言葉を多用する事は、良い事と思えないです。
その考えに影響される人が増えると、「日本はもうダメなんだ。どうせ何を頑張っても無意味なんだ」みたいな考えが蔓延する可能性があるし、既にあちこちでそういう声が聞かれ始めているように思う。
幸せを求める積極性も、良い政治を求め反論する生命力も失われたら、絶対に良くない!
どんな立場の人の希望も救いも諦めたら終わりになっちゃうし、それじゃダメだ、と思う。
中野さんも!、「見張りをしたまま死ぬ」なんて言わず、生きて幸せになって下さい!!
国民は、自分たちが主権者であることを思い出さなくてはいけないし、明るく元気に生きて良いんですよ!燃えろ!日本人!
あと、佐藤さんには水道民営化やIRの問題点をブログで取り上げてくれたけど、よかった。
マスコミがそういった重要なニュースを取り上げなくなっているので、心配で・・。
安倍さんのように国家を破壊しつつある権力者を追求し、批判する事は何よりも優先すべき事ではないかと思うが、安倍政権の常軌を逸した暴力性を思うと、報復が怖くて批判を鈍らせてしまう気持ちも凄く解る。人様に、マスコミに「政権批判すべき」なんて、私には言えない、言いにくい・・。
安倍さんは暴力団と関係してるのですよね。国会でも問題提起されたし、記録も残っているみたいだし。
薄々、そんな気はしていたのですが、やはり。
それなら、恐れる人が多いのも当たり前で、テレビで見たけど「悪口書いたら会社を潰すぞ」と、脅かしたりするらしいし、マスコミ関係者は命の危険を感じるほどではないだろうか。
何をしでかすか判らない、と感じて不安になる人の気持ち、よく解る。官僚も、人事だけではない脅しを受けている場合があるのかもしれない。
でも、でもやっぱり、なおの事、今ひるんだら、こういう状況がもっと酷くなって、誰もが「明日は我が身」となりかねない。
それなら、やりぬくしか、道がないのでは・・。
玉田泰 says:
8月 25, 2018
先生の新著、kindle化の予定はないですか?
予約する前に、それを確かめたくて(kindle化されるのなら、そちらを購入したいです)。
SATOKENJI says:
8月 26, 2018
Kindle版も出るはずです。
しかし今回の本は、装幀が圧倒的に素晴らしくなりそうなので、
できれば紙版をお勧めしたいですね。
玉田泰 says:
8月 27, 2018
成る程、単なる「活字情報」以上の価値がるということなら、
紙版を購入することにします。