歌舞伎の有名な長台詞に
外郎売(ういろううり)というのがあります。
役者やアナウンサーの滑舌を鍛えるためにも
長年、用いられてきたもの。
要はナンセンスな早口言葉の羅列なのですが
抜粋してご紹介しましょう。
一つへぎへぎに、へぎほしはじかみ。
盆豆、盆米、盆ごぼう、
摘蓼(つみたで)、つみまめ、つみ山椒。
書写山(しょしゃざん)の社僧正、粉米のなまがみ、
粉米のなまがみ、こん粉米のこなまがみ、
繻子(しゅす)、ひじゅす、繻子、繻珍(しゅちん)、
親も嘉兵衛、子も嘉兵衛、親かへい子かへい、子かへい親かへい、
古栗の木の古切口(ふるきりくぐち)・・・
もっとも演出家の浅利慶太さんによれば、
この台詞をいくら練習しても
本当には滑舌は良くならないそうですが、それはともかく。
聞いたところによると、
これに匹敵する長台詞を持った
新作歌舞伎がつくられるとのこと。
その名も「日本売」。
抜粋してご紹介しましょう。
ひとつある意味での、潜在潜在、
所のいわゆるそれ自体。
敵もさるものひっかく者、
日本晴れでもミミズ腫れ。
界面活性は中性洗剤、
表面化せずが、これ潜在。
行き着く先は由々しき事態、
こうして一つの大きな見解。
言葉の嘘を知ってる民族、
ええこりゃ賢い、こりゃ賢い、
だが占領軍には騙されて、
刺身のツマよりツジツマ合わず。
風呂に入ってプロパンガス、
プロパガンダも広めるでがす。
共産主義は今日もう解散、
敗戦利得者とくとく語る。
とはいえ嘘はついに見抜けず、
いまだにイジイジ維持していると
地味か派手かの自民支持、
恐れ入りやの鬼子母神。
とにかく選挙に勝ったはいいが
何度勝ったか分からずや、
下野の回数も分からずや、
ハッキリしたとは言うものの、
何でもすべて分からず屋・・・
これを見事に音読できた方には
某センセイより「真の愛国者にしか見えないネクタイ」がプレゼントされるそうです。
愛国心が足りないと、何もないようにしか見えないそうなのでご注意を。
なお「日本売」、
主観的には日本を愛してやまない主人公が
思考の混乱ゆえに国を売ってしまう話とか。
上演が待たれます。
ではでは♬(^_^)♬
2 comments
カインズ says:
4月 20, 2015
「考える意味でも説得的な成る程それ自体が、やはり一つの大きな題材」といったお話でしたね。
フルート says:
4月 20, 2015
広めるでがす。笑
最近思った事なのですが、「何かを理解する。」という意味の「分かる」は、「何かを分かつ」の「分かつ」と同源なんですよね。という事は・・本当の「分かった」とは、新しく知ったり・気付かせて貰ったそのある事柄を、自分の中にしっかりと含ませつつ、且つ自立・独立する事・・?なのかなと・・。本格的に問題が表面化してきて終う前の段階で、自分の抱える問題をしっかりと自覚しておく事。これが独立という事だとしますと、自民党を選択してきた日本(正確には有権者なのですけれど)は、本当に『戦後』を分かっていたんでしょうか…怪しい・・。何かの情報(プロパガンダ等々も含みます)や知識も、本当だったら広がった後、受け取った主体はその後どうしたのか?こここそちゃんと問われるべきなのに・・と思いました。